富田隆弥の【CHART CLUB】 「彼岸底なら打診買いも」
株式評論家 富田隆弥
◆日経平均株価は3月11日に一時1041円安の3万5987円まで急落。節目の3万6000円にタッチしたが、終値は3万6793円まで下げ幅を縮めて、長い下ヒゲを描いた。ただ、これで底打ちしたかは不透明だ。高水準の信用買い残(7日時点4兆5656億円)や裁定買い残(期近・期先合計、同1兆6734億円)から多くの解消売りが出たと思われるが、どちらの買い残もまだ底値圏にはほど遠い。
◆3月に入り為替の「円高・ドル安」も鮮明で、11日には5カ月ぶりの水準となる1ドル=146.55円を付けた。日本企業の想定為替レートは大半が「145~155円」であり、業績への影響が懸念される。この円高進行は日銀の利上げスタンスが一因であるだけに、19日の日銀会合の結果と日銀総裁会見が注目される。
◆米国では株式市場の調整に伴って、リセッション(景気後退)懸念が台頭してきた。NYダウとナスダックの週足チャートは、26週移動平均線に続いて52週線も割り込んできた。ダブルトップから調整入りを確定させ、次の下値メドは24カ月線(13日時点のNYダウでは3万8672ドル)となる。ここでも19日のFOMCの結果と市場の反応が注目される。
◆トランプ大統領の関税政策により高まる不確実性を嫌気するマーケット。崩れた相場では「流れに従う」のが基本だが、日経平均株価が「彼岸」前後に安値を付けるのならば、リバウンド狙いで「打診買い」を入れてみるのも一策だろう。 (3月13日 記、毎週土曜日に更新)情報提供:富田隆弥のチャートクラブ
株探ニュース