稀代の歌姫・中森明菜が還暦 8位の「十戒(1984)」に10代が「あれで19歳!」と衝撃 「若い世代に聞いてほしい一曲」ランキング 10~6位に僅差でひしめく名曲
7月13日に還暦を迎えた中森明菜さん。長い休養期間を経て、昨年は6年半ぶりにファンクラブ限定イベントとしてディナーショーを開催しました。今年の誕生日にも同様のライブを開催。じわじわと“活動”を本格化させています。AERA編集部では、Z世代をはじめ、80年代の凄まじい活躍をリアルタイムで知らない世代にお勧めしたい「中森明菜の絶対に聞いてほしい一曲」についてアンケートを実施。この記事では10~6位を発表します。
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AERA編集部では、中森明菜さんの還暦の誕生日直前に緊急アンケートを実施。若い世代に、「中森明菜さんのこの曲は絶対に聞いて!」とお勧めするとすれば、その一曲は何でしょうか? という設問で、7月4~8日にインターネット上で読者アンケートを行い、953人から回答がありました。
この記事では、若い世代にお勧めしたい「中森明菜の絶対に聞いてほしい一曲」のランキング10~6位を発表します。
(以下に、アンケートに寄せられたコメントを紹介しています。読みやすいように一部で内容を修正したり、改行を加えたりしています)
第10位「TANGO NOIR」
「TANGO NOIR」 (ファン私物 撮影/中村隆太郎)ベスト10のトップバッターは「TANGO NOIR」。曲そのものだけでなく、パフォーマンスをトータルで絶賛する声は多く、その意味で知らない世代に推すコメントがあふれていた。
「明菜が絶頂期のときの曲で歌唱も振り付けも一番素晴らしいと思う。明菜の衣装 メイク、振り付け、歌唱力、曲の独創性、こんな歌を歌える人はいない!」(50代・女性)
「衣装と振り付けと、なり切った明菜さんのパフォーマンスに、何か一つの舞台を見ているようで感動したから」(50代・男性)
「なんと言っても、あの妖艶な衣装とスタイル。そしてビシッと決まるあの美しい仰け反り。そして華麗なるターン捌きが素晴らしい。歌だけではなく容姿や振り付けでも美しい明菜ワールドを表しているので知らない世代の方にも是非オススメの一曲」(30代・男性)
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明菜を知らない世代にお勧めしたい曲は?と問われ、“1曲に絞れない”という声は当然ながら多かった。ただ数多ある名曲の中から「TANGO NOIR」を選んだファンからは、明菜以外には誰もこの曲を表現できないという声が上がった。
「今さらながらどの曲も名曲で、その完成度の高さに驚かされる。迷いに迷い、『ミ・アモーレ』と『TANGO NOIR』にしぼり、後者を選んだ。前者はレコード大賞受賞曲であり、超人気曲なので、間違いなく上位に入るであろうから。『TANGO NOIR』では、その世界観を、歌唱力とダンス、衣装、髪形やメイクなど全てで、完璧に表現している(それはこの曲だけのことではなくて、全ての曲でそうであるのだが)。この曲で着用したさまざまなパターンの衣装が、どれもとても美しく、バレエで鍛えた明菜ちゃんだからこその流麗なダンスと相まって、歌詞の切なさが映画を観ているかのように伝わる、素晴らしいパフォーマンスだった。もはやアイドルという言葉では収まらない、他の同年代の誰もこの曲を表現できないと、まざまざと感じた曲です」(50代・女性)
「『TATTOO』と迷いました。どちらも激しい振り付けと潤いある表情、そして印象的な衣装と、明菜さんの究極のパフォーマンスと言えるものだからです。でもあんなに激しい振りをしても、全く歌唱が乱れない。特に『TANGO NOIR』はバレエで鍛えられた体幹も、指先まで神経が行き届いたパフォーマンスも段違いの素晴らしさなので選びました」(60代・男性)
この「TANGO NOIR」を当時、大阪城ホールの1列目でリアルに見たファンからのコメントも!
「この曲が発売された頃、『明治presents AKINA LIVE』が開催されており、明治のお菓子200円分を封筒に入れて応募しました。見事に当たり、大阪城ホールの1列目で新曲だった『TANGO NOIR』を披露してました。編曲が完璧すぎて明菜の声がメロディに乗る。明菜しか歌いこなせない曲。これぞTHE明菜WORLDだなという思い出があります」(50代・男性)
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情熱的な「TANGO NOIR」から一転、第9位にランクインしたのは3枚目のシングル「セカンド・ラブ」。せつない恋愛を歌う落ち着いた雰囲気の名曲だ。その世界観からか、様々な甘酸っぱい当時の思い出にまつわるエピソードも聞かれた。
「当時、しっとりと歌いあげた明菜ちゃん。当時は中学生だった私。クラスの女子が、体育館で、二つに分かれて、歌詞を見ずに、半分は『少女A』、半分は『セカンド・ラブ』を、大きな声で歌い、歌いきった方が勝ち、つられた方が負けっていう歌合戦をしてて、私は、断然、『セカンド・ラブ』派! 明菜ちゃんの存在無しでは、語れない学生時代。一番大好きな曲です」(50代・女性)
「当時付き合ってた彼女が、歌ってくれた曲が『セカンド・ラブ』で。その歌を聞いてびっくりするほど上手くて。声も中森明菜にそっくりで顔もスタイルもそっくりだった。そんな彼女と別れる事になったんですが、この曲を聴くたびに当時を思い出す日々があり、毎回切ない気持ちを抱えて時が過ぎて。お互いに別の相手と結婚して38年が過ぎた頃、偶然に巡り会い、お互いフリーになっていた事もあり再会して40年目で結婚しました。だから、『セカンド・ラブ』はとても大切な曲です」(60代・男性)
若い世代にお勧めしたい曲というアンケートだったが、10代からの声も。
「“前髪を少し直すふりをしてうつむくだけなんて”という歌詞が今の女の子たちにとっても、凄く切ない表現だから」(10代・女性)
明菜の歌う「セカンド・ラブ」の恋のせつなさは、どの世代にもしみる。
第8位「十戒(1984)」
「十戒(1984)」(ファン私物 撮影/中村隆太郎)第9位と3票差で9枚目のシングル「十戒(1984)」がランクイン。ツッパリ路線と言われた「少女A」の作詞を担当した売野雅勇氏が同作を作詞。作曲は高中正義氏だった。
「デビュー当時からファンでしたが、『十戒(1984)』の歌唱・衣装・振付をテレビで見て、コンサートへ行ってみたくなりました。生の明菜ちゃんは鳥肌が立つくらい綺麗で可愛くてかっこよくて、すぐにファンクラブに入会しました。以降ずっとファンクラブの会員です。
この曲はアイドルからアーティストへの転換期の曲だったように思います。セルフプロデュースもこの頃からだったのではないかと……」(50代・女性)
明菜の魅力が詰まった一曲はシンプルにカッコよく、いまの10代の心にも刺さる。
「テレビで昭和歌謡の特集を見てるときに、明菜ちゃんの『十戒(1984)』が流れてきて、めっちゃかっこ良かったです! あれで19歳だなんて大人っぽすぎます! しかも歌も上手いし! 明菜ちゃんを好きになって1番最初に好きなった曲が『十戒』なんですけど、『十戒』って今じゃあまりない歌詞なのでなおさら、凄い好きです! 最初のイントロも凄くよくて、明菜ちゃんはバレエを習っていたため、体幹も凄い良いからあんな華麗なステップができるんですね! 明菜ちゃんの歌い方は感情を歌に込めて歌っていて凄い好きです! 私も明菜ちゃんみたいになりたいっていつも思います」(10代・女性)
今の10代が、当時19歳の中森明菜の姿に衝撃を受ける。まさに若い世代にお勧めしたい曲のひとつだといえる。
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第7位の「飾りじゃないのよ涙は」は、6位の「十戒(1984)」とたった1票差。言わずと知れた井上陽水の楽曲で、陽水自身が歌う曲としても有名だが、明菜にしか歌いこなせないという声が多い。
「今、この歌を歌いこなす歌手はいないから」(60代・女性)
「井上陽水の名曲を、爆発的な歌唱力で昇華させた、素晴らしい一曲です」(60代・男性)
「伸びやかな歌声は、この歌の良さを引き出す最高のスパイスだと思います」(50代・女性)
「井上陽水さんの曲を歌いこなせる歌唱力と、明菜ちゃんの魅力が詰まっていると思う。ラフな感じで歌う姿が可愛くて、カッコよく見えました」(50代・女性)
この曲を歌いこなせる中森明菜は、ただのアイドルではなくアーティストだと感じさせる名曲だ。
「アイドルではなくアーティストだと思えました。視線、ダンス、男性的な一面もあるのに美しさもある、とにかく聞いて見て楽しめる一曲です」(50代・女性)
「それまでバラードとツッパリ(ロック)を繰り返してきた明菜に、天才井上陽水が書き下ろした名曲。少女から大人、アイドルからアーティストへの転換になって行く序曲のような作品です。出来れば後半加工してあるシングル盤より、アルバム『ビター&スウィート』版がお勧めですね」(60代・男性)
明菜の歌の中でも「カッコいい」という言葉が当てはまる曲でもある。それは、いま聞いてもサビていない。
「明菜さんの曲の中で一番。今の時代でもかっこいいと思っている」(50代・男性)
第6位 サザン・ウインド
「サザン・ウインド」(ファン私物 撮影/中村隆太郎)第6位は「サザン・ウインド」。明菜の“夏”の代表曲で、「夏になるといつも歌います! 玉置浩二さん作曲とは思えない軽やかなアップテンポで、一度聴いたら口ずさみたくなる曲。若い方にお勧めするならこの曲です」(40代・女性)というように夏になると、“思い出す”“口ずさむ”などの声が多かった。
「今でも口ずさめる曲ばかりですが、最近なぜか頭にこの曲が流れてます」(50代・女性)
「明菜さんを代表する夏歌であり、歌詞、リズムなどすべて完璧」(10代・男性)
「夏を感じさせるイントロが最高! 涼しげで爽やかな風が吹き抜けてきそう」(50代・女性)
「もともと楽曲や衣装も異国情緒漂うものが明菜ちゃんのイメージなのですが、『サザン・ウィンド』もイントロから夏!海外の海!をイメージさせたインパクトある楽曲になっています。振りもわかりやすいので、少し大人になってきた明菜ちゃんにぴったり。『北ウィング』とはまた違った良さがある、とにかく一推し曲です」(50代・女性)
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ファンの心に夏の思い出とともに心に残る名曲だ。
「1984年の夏に広島の大学生だった自分は大学の部活で、オートバイでの1週間の信州ツーリング旅行をしました。その時に静岡の海辺を走りながら、当時流行ってた明菜ちゃんの『サザン・ウインド』をヘルメットの中でずっと口ずさんでいました(笑)。“白いヨットの美少年”のところを、海を見ながらリフレインして歌ってましたね。忘れられない若い頃の思い出です」(60代・男性)
ファン自身の思い出とともに歌が脳内にリフレインするような名曲を持っていること自体、明菜が稀有の歌姫と称される証しだろう。同じ還暦の女性からはこんな声が。
「リズム感が好き! カラオケで、絶対に歌いたい歌! 同じ歳で、一足先に還暦を迎えましたけど、いつまでも明菜の歌を歌いたいと思います」(60代・女性)
10~6位に入らなかった、デビュー曲「スローモーション」やレコード大賞受賞曲などは、TOP5に入っているのだろうか?
(AERA編集部)
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