ぐんまちゃん「排外主義」と批判された投稿を削除。「誤解を招く表現となってしまった」

群馬県のマスコットキャラクター「ぐんまちゃん」が、7月13日の公式Xアカウントへの投稿を削除し、謝罪した。

削除理由について「誤解を招く表現となってしまった」と説明している。

ぐんまちゃん公式アカウントは13日17時、ぐんまちゃんとオレンジ色のジャケットを着たスタッフ2人が、カメラに背を向けて左手を挙げる画像を投稿。「この県(くに)を愛して何が悪い!!」とコメントした。

この投稿に対し「日本人ファースト」を掲げ、外国人の流入や権利の制限を強く訴える参政党を連想させるという指摘が相次いだ。「参政党への支持を意味しているのか」のほか、「排外主義に加担するのか」などのコメントが投稿された。

また公式アカウントは普段はぐんまちゃんだけが写っていることが多いものの、13日の投稿ではオレンジ色のジャケットを着たスタッフも一緒だったため、「ぐんまちゃんカラーとはいえ、なぜ(参政党と同じ)オレンジを身につけるスタッフが一緒に写っているのか」という声も寄せられた。

多くのコメントや批判を受けた後、投稿は削除された。

ぐんまちゃん公式情報は14日、13日の投稿について「選挙期間中であるにもかかわらず、一部の方に特定の政党を支持しているかのような誤解を招く表現となってしまいました。配慮が足りず、誠に申し訳ございません」と謝罪した。

また「政治的な意図を持って発信したものでは一切ございません」と説明。「スタッフの登場につきましても、演出の一部であり、スタッフ着用のオレンジ色のパーカーは、10年以上前からぐんまちゃんキャラバン隊の制服として使用しており、今回の投稿のために新たに用意したものではありません。今後は、より一層の配慮をもって発信に努めてまいります」と述べた。

ぐんまちゃんは、群馬県知事戦略部のエンターテインメント・コンテンツ課が運営している。

群馬県では多くの外国人が暮らしている。厚労省の2024年の「外国人雇用状況の届出状況まとめ」では、群馬県の外国人労働者数は約5万7000人で全国で11番目だった。

群馬県は2021年度に「多文化共生・共創社会の実現」を掲げ、「群馬県多文化共創カンパニー認証制度」を創設。

同制度について「外国人材に群馬県を『働く場』として選んでもらうことを目指しています。そのために外国人材を雇用し、彼らを『仲間』として迎え入れ、ともに活力を創り出している事業者を認証しています」と説明している。

多くの外国人がともに暮らす群馬県で、公式キャラクターが排外主義と受け止められかねない投稿をしたことについて、SNSには「外国人がいなければやっていけない県なのに、これにOKを出すなんて」という声もあった。

7月20日投開票の参議院選挙では、外国人を規制する排外主義的な主張をする候補者の増加が目立っている。

人権団体「アムネスティ・インターナショナル日本」の事務局長の田嶋俊博さんは7月4日、「権威主義と右傾化のつながりが進んできているのではないか」と懸念を表明した。

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