台湾有事想定、沖縄・与那国の避難住民受け入れ計画案を佐賀県が公表…福岡空港経由で1700人
台湾有事などを想定した沖縄県与那国町からの避難住民の受け入れ計画を巡り、佐賀県は20日、受け入れに関する初期計画案を公表した。福岡空港(福岡市)からバスで佐賀、鳥栖両市へ住民約1700人を輸送し、両市内のホテルで約1か月間受け入れる。(森永健太)
佐賀県庁計画案では、佐賀市が同町の 祖納(そない) 、比川の2地区計約980人、鳥栖市が同町の 久部良(くぶら) 地区の約720人を想定。住民たちは与那国空港(与那国町)から福岡空港に到着後、各市内に設けた「避難先連絡所」に移動。本人確認や保健師による問診などを行う。避難先連絡所は、SAGAアリーナ(佐賀市)や鳥栖市民体育館を候補に挙げている。
住民が避難するのは部屋数が比較的多いホテルで、全室空室の状態で受け入れ、各地区のコミュニティー維持に配慮し、同じ地区の住民を同一、もしくは近隣のホテルに割り振る。避難中は、県が手配した弁当やホテルの食事のほか、衣類などの日用品も提供する。
県危機管理防災課によると、住民らの負担軽減などを考慮し、佐賀空港(佐賀市)を利用した住民の輸送や、食事や日用品を直接支給するだけでなく、県内の飲食店などを利用できるよう、国側に提案しているという。
計画案は、国との最終調整を経て3月末までに取りまとめられる予定で、県は今後、要配慮者への対応といった検討内容の熟度を上げ、2026年度までに基本要領を作成する。同課の中路明伸課長は「与那国町が望む部分を取り入れながら、実効性ある計画にしたい」と話している。