酷暑日“気温40度”は辛くても…“お風呂40度”は快適のナゾ 専門家語る「皮膚センサー」と「熱伝導率」のメカニズム

「40度のお風呂は気持ちいいのに、気温40度は暑すぎる…」――夏になると、誰もが一度は思うこのギモン。実はこれ、ちゃんと科学的な理由があるといいます。今回はそのメカニズムを、名古屋大学大学院医学系研究科 総合医学専攻 統合生理学 中村和弘教授に聞きました。 【写真を見る】酷暑日“気温40度”は辛くても…“お風呂40度”は快適のナゾ 専門家語る「皮膚センサー」と「熱伝導率」のメカニズム ■空気と水では「熱の伝わりやすさ」がそもそも違う まず、大前提として知っておきたいのが「熱の伝わりやすさ」の違いです。 名古屋大学大学院医学系研究科 総合医学専攻 統合生理学 中村和弘教授 「空気と水とでは熱の伝導率が違います。空気が40度であっても皮膚はすぐには温まっていかず、ゆっくりと皮膚の温度が上がっていきます。一方で、お風呂の40度というのは、水なので熱の伝導率が高いわけです。そうすると皮膚の温度はすぐに40度になります」 熱伝導率、つまり「熱の伝えやすさ」。水は、空気より熱伝導率がずっと高いのです。だから、お湯にザブンと入れば肌の表面は一瞬で40度になり、気温40度の空気の中にいても、肌はゆっくり、じわじわとしか温まりません。 この違い、実は身近なところでも体験できるといいます。 ■木製のスプーンと銀のスプーン 同じ部屋にあるけれど… 例えば、同じ部屋にある木のスプーンと銀のスプーン。触ってみると、銀の方がずっと冷たく感じますが、これも同じ理屈で、金属は熱を伝えやすいから、触った瞬間に手の熱をサッと奪っていく。だから「冷たい!」と感じる。一方で、木は熱を伝えにくいから、熱の移動がゆっくりで、それほど冷たく感じません。どちらも同じ室温なのに、不思議なことが起こるのは、そういう日常のメカニズムが関係しているのです。 また、こちらも想像しやすいかもしれません。 100度のサウナでは、空気の熱伝導率が低いため、すぐにはヤケドしませんが、100度近いお湯に触れれば、一瞬で大ヤケドを負ってしまいます。これは、空気と水では「熱の伝わりやすさ」が劇的に異なることを物語っています。

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