オープンAIの営利企業転換は「違法」、マスク氏が提訴-阻止求める
- オープンAIの支配的地位の強化への歯止めが必要-マスク氏
- マスク氏の主張は「根拠のない苦情の繰り返し」-オープンAI広報
実業家のイーロン・マスク氏は、対話型人工知能(AI)「ChatGPT(チャットGPT)」を開発した米オープンAIによる営利目的企業への転換は「違法」とし、連邦地裁に対し阻止するよう求めた。オープンAIの支配的地位の強化に歯止めをかけることが、自身のAI企業xAIおよび国民を守るために緊急的に必要だと主張した。
マスク氏は約9年前にサム・アルトマン氏とともにオープンAIを非営利組織として設立。社会の利益のために生成AIを開発するとの理念を明確に掲げていた。
ただマスク氏は、オープンAIが2019年以降にマイクロソフトから出資を受けたことで、オープンAIがマスク氏との約束を破り、非営利組織としての設立目的を放棄したとの従来の主張を改めて展開した。
さらに今回は、裁判所が迅速に介入しなければ、アルトマン氏の「巨大企業」による競合企業の淘汰(とうた)を阻止することが手遅れになるとの見方を示した。
オープンAIの広報担当者は、マスク氏の主張は「またもや根拠のない苦情の繰り返しだ」と述べた。
ブルームバーグ・ニュースは先月、オープンAIが企業構造の変更手続きを巡りカリフォルニア州司法当局と初期段階の協議中と報じていた。
マスク氏の弁護士は「オープンAIは営利目的でマイクロソフトの傘下になった際に、反トラスト法(独占禁止法)の下で慈善団体として認められていたかもしれない、いかなる裁量も放棄することを選んだ」とし、オープンAIは他の企業と同じルールに従う必要があると指摘。「いかなる時もマイクロソフトとアルトマン氏の金銭的利益にかなう企業形態を縫い合わせたフランケンシュタインとして、市場を闊歩(かっぽ)することはできない」と述べた。
原題:Musk Urges Court to Block OpenAI ‘Illegal’ For-Profit Conversion(抜粋)