“Jリーグ通”が本気で考えた! 2025年 J1順位予想11〜20位。かなり危険? 降格が予想されるのは…

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2025シーズンの明治安田J1リーグがついに開幕した。頂点に輝くクラブ、そしてJ2への降格を余儀なくされてしまうクラブは、果たしてどこになるのか。今回は、欧州からJリーグを観戦し続ける“Jリーグ通”のアレックス・シルヴェストリ氏に、移籍市場の動きをくまなく分析した上で、今季のJ1リーグ順位を予想してもらった。(文:アレックス・シルヴェストリ、翻訳:佐藤徳和)

著者プロフィール

トスカーナ州ペッシャの出身。『ピノッキオの冒険』の作者カルロ・コッローディが生を受けた村の近くで生まれ育ち、現在は同州のルッカに在住。Jリーグの黎明期から試合を観ている大の日本サッカー通で、サムライブルーとなでしこジャパンの試合も欠かさない。鹿島アントラーズとカマタマーレ讃岐、そしてユヴェントスのファン。好きな選手は鈴木優磨。キャプテン翼やSLAM DUNKなど、日本のアニメにも詳しい。好きな日本食はオニギリとタコヤキ。

11位予想:FC東京

【写真:Getty Images】

監督:松橋力蔵(1年目) 2024リーグ戦成績:7位(15勝9分14敗)

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 首都の青赤軍団は、新監督のもとで2025年のJリーグに挑むことになるが、新体制の船出の多くは簡単なものではない。松橋力蔵監督はアルビレックス新潟で指揮を執り、J1リーグ昇格を果たした後もチームを最上位カテゴリーに残留させるなど、まずまずの成果を上げてきた。

 しかし、FC東京では単なる残留以上の結果が求められる。昨シーズンにチームの主力の一人としてプレーしたMF荒木遼太郎が鹿島アントラーズへ復帰し、ストライカーのディエゴ・オリヴェイラが引退したことで、攻撃陣はやや戦力が落ちる可能性がある。一方で、守備陣は堅実さを見せるかもしれないが、選手層の厚さには不安が残るだろう。

 もし新加入の点取り屋、マルセロ・ヒアンが、古巣のサガン鳥栖で見せたような活躍を再現できれば、チームのさらなる飛躍も期待できるはずだ。J2降格争いの渦に巻き込まれることはなく、彼らにとっては中位辺りが落ち着くシーズンになると予想している。


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【写真:Getty Images】

 非凡なアタッカーであるマテウス・サヴィオと、才能あるサイドバックの関根大輝を失ったチームが、2024シーズンの順位、17位を上回ることはできるのか? 多くの人は難しいと考えるかもしれない。

 だが、私の見立てでは、柏レイソルは実際に順位を上げることができると見ている。柏レイソルが順調なシーズンを送れるとポジティブに見る理由は、主としてスペイン人新監督リカルド・ロドリゲスの就任だ。

 彼は浦和レッズを指揮した2021年に天皇杯優勝へと導き、さらにJ1リーグの年間最優秀監督にも選ばれた実績を持つ。また、FC東京から加入の原川力と浦和レッズから獲得した小泉佳穂の2人の即戦力MFの加入により、チーム力が大きく落ちることはないだろう。

 そして、個人的には、日本代表も経験したセンターフォワードの細谷真大が今シーズンついに覚醒の年を迎え、彼のゴールが、チームを安定した順位へ押し上げることができると信じている。


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【写真:Getty Images】

 アビスパ福岡にとって、今シーズンのJリーグは彼らの新たな時代の幕開けとなるが、その結果には常に不確実な要素がつきまとう。

 長谷部茂利監督のサイクルは幕を閉じた。彼の指導の下、アビスパ福岡は、2020年にJ2から昇格し、それ以降はJ1では安定した戦いを続け、大きな苦戦を強いられることなく残留を果たしてきた。さらに2023年にはYBCルヴァンカップを獲得し、クラブの歴史に名を刻んだ。

 これからは金明輝監督が新たなサイクルを築いていくことになるが、現時点ではチームの大きな成長の可能性は見えにくい。それでも、イラン人ストライカー、シャハブ・ザヘディのゴールはチームを降格圏から遠ざけるために欠かせない存在となるだろう。

 また、鹿島アントラーズから新加入した名古新太郎は、チームにクオリティーと経験をもたらすはずだ。

 そして何より、FC町田ゼルビアからの移籍で帰郷した福岡出身の藤本一輝が、地元クラブのためにどれだけゴールを決められるのか、とても楽しみでならない。


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【写真:Getty Images】

 若く才能ある田中聡の退団に加え、決して派手とは言えない移籍市場の動きを考えると、湘南ベルマーレにとって昨シーズンの順位、15位を上回るのは難しいように思えるかもしれない。

 しかし、2021年から湘南ベルマーレの指揮を執る山口智監督の極めて優れた仕事が、最終的に実を結ぶと信じている。

 2024年、湘南ベルマーレは序盤に苦戦を強いられたものの、その後は重要な勝利を積み重ね、最終的には危なげのない残留を果たした。特に、リーグ戦の最終順位で3位となった鹿島アントラーズ、5位のFC町田ゼルビアといった上位チームを相手に勝ち取った白星は大きな意味を持っていた。

 今シーズンも同じような展開になると予想されるが、もし私の考える通りにシーズン序盤を順調に乗り切ることができれば、2024年よりも少なくとも一つ順位を上げることができるだろう。


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【写真:Getty Images】

 清水エスパルスは、昇格組の3チームの中で最も実力があると見ている。J1初挑戦となる秋葉忠宏監督は、2024年に清水エスパルスを、2試合を残してJ1昇格を確定させ、J2優勝へ導いた時のような戦い方と結果を再現できるのだろうか? 個人的には可能だと思う。秋葉監督の採用する4-2-3-1のシステムは、最上位リーグでも十分に機能し、成果を生むシステムとなるだろう。

 多くの人が、4シーズンに渡ってゴールマウスを守った守護神、権田修一がいなくなったことを不安視しているが、私としては、元鹿島アントラーズで非常に優れたGKの沖悠哉が、その穴を埋めてくれると考えている。さらに、チームには経験豊富な36歳、乾貴士もおり、若手や新戦力が力を発揮するための重要な存在となるだろう。

 そして、スパルタク・ヴァルナから新加入のブルガリア人FW、アフメド・アフメドフの存在も過小評価されるべきではない。清水エスパルスが、J1残留を果たすために、多くのゴールが重要なものとなるだろう。


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【写真:Getty Images】

 悲観的な見解となってしまうが、この1年がセレッソ大阪にとって素晴らしいシーズンになるとは思えない。J1に残留すること自体は疑いの余地はないが、全体的に目立たないシーズンとなり、浮き沈みを繰り返す中で低迷する時間の方が長くなると予想している。(セレッソ大阪のサポーターの皆さん、どうか私の予想が外れることを願っています!)

 新監督としてチームを率いるオーストラリア人のアーサー・パパスにとって、この使命は決して簡単なものではない。2019年に横浜F・マリノスでアンジェ・ポステコグルー監督のコーチを務めた経験があるとはいえ(2020年にヘッドコーチに昇格)、外国人監督にとってJリーグでインパクトを与えることは常に容易ではない。

 その上、昨シーズンのJ1で38試合に出場し、21ゴールを挙げた、レオ・セアラが鹿島アントラーズに移籍。パパス新監督は、昨季の得点源を失って、チームを指揮しなければならない。さらに、守備陣に大きな強化は見られず、新たに獲得した攻撃陣の選手たちの活躍は全くの未知数だ。

 上手く行く可能性もあるが、大きなリスクを伴っているのも事実である。仮に全てが好転したとしても、C大阪が10位以上に入るのは難しいと見ている。

 しかし、私たちの誰もがよく知っているように、Jリーグは予測不可能なサプライズに満ちたリーグである。


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【写真:Getty Images】

 ファジアーノ岡山は、今シーズンのJ1で劇的であり、極めて熾烈な残留争いを繰り広げることになるだろうと予測する。

 当然ながら、J2とJ1は全く異なる2つのカテゴリーであるが、木山隆之監督は、2022年にJ2で3位でシーズンを終え、J1昇格まであともう少しのところまで迫りながら、プレーオフ1回戦で敗れた経験を持つ。ファジアーノ岡山をクラブ史上初めてJ1の舞台へ導いた今、この2025年のシーズンにおいて、失望を招くわけにはいかない。

 昨シーズンに東京ヴェルディが結果を収めたような非常に高いレベルのシーズンを送ることは難しいかもしれないが、それでも岡山はJ1残留を目指して、最後の最後まで戦い抜くはずだ。今冬の移籍市場では、FC東京からU-20日本代表MF佐藤龍之介をレンタルで、横浜F・マリノスからはアンダー世代の日本代表を経験している左サイドバックの加藤聖を完全移籍で獲得。非常に興味深い補強だ。

 そして、残留を果たすためには、昨シーズンのチームを牽引し、チーム最多の13得点をマークした岩渕弘人のゴールも不可欠となる。27歳の彼にとってもJ1でのデビューシーズンとなる。

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