ChatGPTの新機能「Scheduled Tasks」。AIがエージェントへと進化する

Image: Matthew Nichols1 / Shutterstock.com

タスクを予約できるようになりました

ChatGPTが新機能「Scheduled Tasks」をベータ版として公開しました。

今回の機能の目玉は、あらかじめタスクを予約しておけることです。Aのタスクを何時にリマインドして〜であったり、このプロンプト(指示)を何時に実行してなどユーザーが先に指示をセットしておけば、その時間にAIが自動でタスクを実行してくれるようになりました。

ざっくりいうと、Apple(アップル)のSiriのようなアシスタントっぽくChatGPTが利用できるようになるイメージです。現時点で対象は、Plus、Team、Proサブスクリプションユーザー向けに提供されており、無料ユーザーには未対応となっています。

「Scheduled Tasks」の概要と使い方

現在ベータ版として提供されているScheduled Tasksは、以下のような機能を備えています。

リマインダーの設定:特定の時間に通知を受け取れるよう指示可能。

プロンプトのスケジュール実行:特定のテキストプロンプトに基づいて反応を生成。

定期タスク対応:繰り返しのタスクもサポート。

※現時点では、Plus、Team、Proサブスクリプションユーザー向けに提供されており、無料ユーザーには未対応です。

Scheduled Tasksの使用方法

1.モデル選択:モデルピッカーから「4o with scheduled tasks」を選択。

2.プロンプト入力:通常のプロンプトと同様に指示を入力。

3.タスクの提案:ChatGPTがタスクを提案する場合もあるが、ユーザーが承認しない限り実行されません。

タスクの変更は同じチャット内で行なえるほか、新設された「Tasksセクション」から現在設定されたタスクを管理が可能です。現時点では、タスク上限は10件までとなっています 指定したタスクの実行時刻になると、ChatGPTのモバイルまたはデスクトップアプリが通知を送信します。

Siriや他のアシスタントとどう差別化する?

Appleは、クラシックなデジタルアシスタントであるSiriを、大規模言語モデル(LLM)ベースのチャットボットに近づける作業に取り組んでいますが、信頼性や「幻覚」と呼ばれる誤生成の問題に直面しています。

Amazon(アマゾン)も同様に、Alexaに同様の技術を統合しようとしています。

一方OpenAIは、Scheduled Tasksを通じて、より基本的で信頼性の高いAI技術を導入し、大規模言語モデルがより多様なコンテキストで役立つようにしています。

日常生活やビジネスに与える影響

このアップデートで、いよいよOpenAIが「AIエージェント」の領域に踏み出したと捉えることができます。

これまでもギズモードでは、AIエージェントについて記事を公開してきました。 AIエージェントがAIの未来であることは各社で意見が一致していますが、その実現が難しいものであることも同時に語られています。

AI業界の点と点をつなぐ存在であり、AI界の未来を担う存在。それがAIエージェント。

(中略) 簡単にいうと、AIエージェントは自分でタスクをこなすAIモデルです。 フィクションの世界で例えるなら、『アイアンマン』のJ.A.R.V.I.S.であり、『インターステラー』のTARSであり、『2001年宇宙の旅』のHAL 9000。

近年すでに慣れた感のあるレスポンスを返すチャットbotの一歩先を行く存在であり、そこにはアクションが含まれます。

ここでいうアクションとは、現状はデジタル上のアクション。ユーザーのコンピューターの多種多様なAPIと連携して動くことができるようトレーニングされることで実現します。

AIの未来はここにある。「AIエージェント」って何ですか?より引用

多くのAIスタートアップや大手テクノロジー企業がこの分野に注力しているのは、企業向けサービスとして非常に収益性が高い可能性を秘めているためです。ただし、これが一貫してユーザーの意図通りに機能するかがポイントになりそうです。

例えばGoogleのピチャイCEOが語る靴の返品をしてくれるAIエージェントの場合、エージェントはメール受信箱から購入のレシートを探し出し、その注文ナンバーと返品先をメモ、返品フォームを記入し、返品に必要なあれこれのアクションをこなしていかねばなりません。

その過程では、たくさんの決断が必要になります。われわれ人間にとっては「決断」と意識することもないようなさまざまな無意識の決定。その1つ1つが(現在の)エージェントにとっては、力を発揮すべき大きな壁なのです。

AIの未来はここにある。「AIエージェント」って何ですか?より引用

日常生活や仕事の現場でも、習慣になっているタスクはChatGPTに依頼しておけば、こなしてくれるようになりそうです。

今はベータ版なので、ある程度その適用範囲に制限はありそうですが、例えばその時間時点での情報収集、この話題に関するニュースを集めて、表にまとめて、分類するなど、タイムリーな内容とChatGPTを組み合わせて出力してほしい切り口を伝えておくだけで、朝には使えるようにする…なんてことができそうです。画像生成と組み合わせたりと、アイデア次第で使い道がいろいろ開けそうな新機能です。

Source: arstechnica

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