「私の夫と結婚して」ホラー級の恐ろしさ!白石聖の“完璧”なヴィラン話題|シネマトゥデイ
小芝風花&佐藤健ダブル主演による Amazon Original ドラマ「私の夫と結婚して」の最終話が25日より配信スタートとなり、小芝演じるヒロインを苦しめたヒール役で圧倒的な存在感を放った白石聖に戦慄、絶賛の声が相次いでいる(※一部ネタバレあり)。
現在、Prime Videoの国内トップ10で1位を独走中の本作は、韓国で漫画化・ドラマ化もされたNAVERウェブ小説を日韓共同で新たにドラマ化。親友・麗奈と夫・友也に裏切られたうえに殺害された主人公・美紗が10年前にタイムリープし、親友と夫を破滅させようとリベンジを図るストーリー。お人好しで嫌と言えない性格から親友に支配されてきた美紗を小芝、美紗の一度目の人生ではまったく接点がなかったにもかかわらず二度目の人生で積極的にかかわってくる部長の鈴木亘を佐藤、美紗の一度目の人生でマザコンクズ夫の友也を横山裕、美紗の幼馴染で唯一の“親友”麗奈を白石が演じた。
ADVERTISEMENT~以下、最終話までのネタバレを含みます~
白石演じる麗奈は、美紗が自分より不幸でいることの優越感を人生の糧としているような人物。学生時代には美紗を陥れクラスで孤立するように仕組んだこともある。社会人になってからも契約社員として美紗と同じ勤務先に入社し、一度目の人生では美紗の企画を横取りして正社員となり、美紗の婚約者・友也を奪った挙げ句、死に至らしめた。美紗の二度目の人生では、妊娠したと嘘までついて友也と結婚にこぎつけるも、それが美紗の計画であったことを知ると怒り狂い、リベンジを誓った。
第8話以降、クズ夫を押し付けられ完全にキレた様子の麗奈が一体何をしでかすのか、美紗&亘と同様、視聴者も戦々恐々とする中、浮かび上がったのは麗奈の過酷な幼少期。自分と同じ哀れな人生を送る美紗に近づくことでもちこたえようとするものの、思惑が外れ、ますます孤独を募らせる姿には「胸が苦しくなった」「切ない」と同情の声も。懸命に生きようとしているにもかかわらず誰にも愛されることのない自身と、人に愛される美紗を比較することで負のループに陥り、クライマックスではもはや誰にも止められない“モンスター”と化し、視聴者を震え上がらせた。
ADVERTISEMENT特に、亘を追って富山に向かった美紗が、亘の妹・未来(黒崎レイナ)から知らせを受け、麗奈もまた富山を訪れていることを知る場面はまるでホラー。麗奈のSNSには富山で自撮りした写真が多数アップされており、その先には美紗の祖母との2ショットが……!
そして美紗と麗奈の雪中、観覧車での“対決”。雪中では麗奈が目を剥きながら美紗への積年の憎しみを爆発させ、首を絞める凶行に。観覧車では怯える美紗を前に昔話をしながら美紗への執着をつらつらと語り、甘い声とドスの効いた恫喝を繰り返す姿は完全に“壊れている”様子。一方、韓国版よりも麗奈と亘の対峙シーンが増加しており、麗奈が意外な協力者を得て邪魔者・亘を排除すべく罠を張り巡らせていく展開も見ごたえ十分。
ネットでは白石の熱演に「目力が怖かった」「悪役をあそこまで演じれるってすごい」「狂気を孕んだ麗奈の演技に完全に引き込まれた」「最終話は震え上がった」「悪女がハマりすぎ」「白石聖しか出来なかったんじゃないかな」「麗奈が理想のヴィランでした」「白石聖さんの演技力が凄まじかった」と圧倒される声でにぎわっている。
プロデューサーのソン・ジャヨンいわく、白石に対しアン・ギルホ監督から“役づくりのために顔の筋肉をうまく使えるようにしてほしい”というリクエストがあったとのこと。白石自身は「自分の殻を破るようなきっかけとなった作品」「覚悟を決めてお受けしないとと思った」とインタビュー動画内で話しており、演技面では特に「麗奈って嘘をつくのがすごく上手なので本来思っている感情とはまた別に人の見え方をどう見せるかみたいな2つの感情を持っていて、常に二重人格みたいなところ」に苦戦したと明かしている。
ADVERTISEMENT2026年放送の大河ドラマ「豊臣兄弟!」では、仲野太賀演じる主人公・小一郎(後の秀長)幼なじみ・直(なお)役に抜擢された白石。近年では「恐怖新聞」(2020・主演)、「カナカナ」(2022)、「とりあえずカンパイしませんか?」(2023)、「合理的にあり得ない~探偵・上水流涼子の解明~」(2023)、「幽☆遊☆白書」(2023)、「新空港占拠」(2024)、「しょせん他人事ですから~とある弁護士の本音の仕事~」(2024)などのドラマに出演。映画『PRINCE OF LEGEND』(2019)、『胸が鳴るのは君のせい』(2021)でヒロインを演じた。(石川友里恵)
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27日、東宝『ゴジラ』シリーズのX(旧Twitter)公式アカウントが、『ゴジラ-1.0』の山崎貴監督が手掛ける「『超大作怪獣映画(仮)』エキストラ募集のお知らせ」を投稿した。募集ページのアドレスも記載されており、山崎監督は自身のXで「始まった感(⌒▽⌒)」と投稿している。
【画像】日本をマイナスに叩き落とす…『ゴジラ-1.0』フォトギャラリー
ボランティアエキストラの募集ページでは、「東宝の最新映画『超大作怪獣映画(仮)』がついに始動!!」という報告と共に「山崎貴監督が日本を代表する超豪華キャスト陣と挑む『超大作怪獣映画(仮)』最新作にぜひご期待ください。本作では、一緒に作品づくりにご参加いただけるボランティアエキストラの皆様を大募集いたします!! オリジナル記念品(非売品)をご用意して皆様のご応募を心よりお待ちしております」と呼びかけている。
また、募集要項には「出演者全員が時代設定にあった扮装をする必要があります」という記載と共に、「時代考証ならびにヘアメイク、衣裳などの扮装の都合上、応募フォームからの応募時に現在の髪型や髪色のわかるお写真をお送りいただくほか、身長・スリーサイズ・靴のサイズなどのサイズ情報をご提供頂きます。予めご了承ください」という告知や、メガネの着用に関する注意事項なども明記されており、“怪獣映画”の舞台となる時代を予想する声もXであがっている。(編集部・入倉功一)
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27日、映画『呪怨』(1999)の「呪!25周年 トシオくん生誕祭!『呪怨〈4K:Vシネマ版〉』舞台挨拶付先行上映」が新宿バルト9で開催され、初代・伽椰子役の藤貴子が登壇。藤は満員の客席を見渡し「こんなにたくさんの人に観ていただけて感激しています」と感無量な表情を浮かべていた。イベントには藤のほか、柳憂怜、大家由祐子、三輪ひとみ、三輪明日美、松山鷹志、吉行由実、藤井かほり、清水崇監督と懐かしいメンバーが勢ぞろいした。
【画像】三輪ひとみ&三輪明日美が姉妹で登壇!フォトギャラリー
本作は、1990年代後半にジャンル映画として特化したVシネマの一つとして、20世紀最後の年に誕生した『呪怨』シリーズの始まりとなる作品を、制作から25年を経て、初の劇場公開版として清水監督自ら監修し4Kリマスターに変換。
ADVERTISEMENT清水監督は「25年前、しかもVシネマだった作品が、こんな広いキャパの映画館で上映されるなんてありがたいです」と語ると、伽椰子役の藤も「こんなにたくさんの人に観ていただいて感激です」と表情を崩していた。
25年前に『呪怨』に出演したことで藤は「ホラーの吹替えのお仕事があると『面倒くさいから藤さんでいいんじゃない』とオファーされることがありました」と笑うと、清水監督が「ホラーのイメージがついてしまったのは、やりづらかったのでは? 申しわけない」と謝罪。藤は「全然」と否定すると「私のことを覚えてもらえた作品ですし、楽しかったです」と笑顔で答えていた。
また、劇中で伽椰子が階段を下りるシーンについて話が及ぶと、清水監督は「俳優さんとはいえ、階段を逆さになって下りるというのは恥ずかしいもの。まずは羞恥心を捨ててもらわなければいけないと思って、僕が演じてみたんです」と裏話を披露。藤は「監督がものすごく上手く演じるんです。しかもいろいろと指示が細かくて、再現するのが大変でした」と愚痴をこぼすと「血のりを使っている関係で、一発で撮らないといけないという制約があったんです。だからこそ集中力が保てました。でもかなり腕がきつくて、当時は『どうしてくれるんだ』と思っていたんでよ」と懐かしそうに語っていた。
ADVERTISEMENTそしてこの日は、映画『呪怨』に登場するキャラクター・敏雄、そして藤、清水監督の誕生日ということで、サプライズで“呪いの黒い花束”のプレゼントが。藤は「私の劇団の事務所も新宿で、『呪怨』が劇場で公開され、はじめて舞台あいさつを行ったのもテアトル新宿と、なにかと新宿には縁があるんです。そんな新宿で、しかもこんな大きな劇場でみんなと舞台あいさつができて良かったです」と感無量な表情を浮かべていた。(磯部正和)
『呪怨〈4K:Vシネマ版〉』『呪怨2〈4K:Vシネマ版〉』は8月8日より新宿バルト9ほかにて2作品同時劇場公開(2本立てではなく、それぞれの上映)
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横浜流星主演の大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」(毎週日曜NHK総合よる8時~ほか)で老中・田沼意次(渡辺謙)の嫡男・意知を演じた宮沢氷魚。若くして若年寄に昇進し蝦夷の上知(あげち)を実現すべく奔走し、恋仲となった花魁の誰袖(福原遥)の身請けも進み……と公私ともに充実した日々を送っていたが、27日放送の第28回では突然の悲劇に見舞われた。その時、意知は何を思っていたのか……? 宮沢がその解釈を明かすと共に、初の大河ドラマ出演となった本作での約1年間にわたる収録を振り返った(※ネタバレあり。第28回の詳細に触れています)。
大河ドラマ第64作となる本作は、貸本屋から身を興し、喜多川歌麿、山東京伝、葛飾北斎、曲亭馬琴、十返舎一九らを見出し江戸のメディア王として時代の寵児となった蔦屋重三郎(横浜流星)を主人公にしたストーリー。脚本を大河ドラマ「おんな城主 直虎」、NHKドラマ「大奥」シリーズなどの森下佳子、語りを綾瀬はるかが務める。天明の飢饉により米の値が高騰し、田沼の評判は落ちる一方。家のため国のためにと駆け回る意知だったが、13日放送・第27回では番士(※城の警備にあたった武士)の佐野政言(矢本悠馬)に刀を向けられる展開となり、続く第28回ではその際に負った傷によって志半ばに死去。佐野も切腹することとなった。
ADVERTISEMENT父・意知に見守られながら死にゆく意知。この時の胸中に、宮沢は思いを巡らせる。
「佐野に深手を負わされ、起き上がることもできないぐらい体が弱っている中、そばにいる意次に語りかけるのですが、一番最初に誰袖の心配をしているんですよね。意知って常に誰かのため、父上のため、民のために生き、自分を優先することがなかったので、それが最後の最後まで見えたという印象がすごく強くて。だから自分よりもまずは誰袖のことを心配して“身請けした女郎がおりまして。何卒その者の世話を……”と。やり遂げたかったことがまだたくさんあって悔いは残っているけど残りは父上に任せたっていう流れになっているんですけど、短い時間の中で意知の人生そのものを、脚本の森下(佳子)さんが見事に描いてくださっているなと」
父・意次(渡辺謙)に見守られる中、瀕死の意知また、本シーンには、演出・深川貴志のあるこだわりがあったとも。
ADVERTISEMENT「深川さんに1つ大きなこだわりがあって、意知が最後、拳を意次の胸にすっと当てる描写があるのですが、それは意知が多くを語らずとも、自分がやり残したことを父上に任せたっていう意志を表すものです。言葉がなくても意知の思いというか、意次に受け継がれていくものというのは、そこでしっかりと描けたと思います」
政言が意知に斬りかかった原因の一つは、かつて意次が池に投げ捨てた佐野の系図。責任を感じた意知は“佐野を取り立ててほしい”と意次に乞うていたが、意次は耳を貸さず、そのつけは息子が支払うことになった。意知が事切れたのち、意次は「俺じゃないんだ」と自身を責めるが、宮沢はそんな渡辺の言葉を聞きながら「苦しかった」と振り返る。
「その結末を迎えてしまったきっかけの一つには、意次の系図を捨ててしまったこともありますし、その後も意知が何回も意次に佐野を引き立ててもらえないかとお願いしていて。多分、意次がその一件をもう少し丁寧に理解して扱っていたら、もしかしたらこんな結末にならなかったかもしれない。意次自身も、多分わかっていると思います。佐野を恨む気持ちはあるかもしれないですけど、それよりも自分の過去の過ちが、多分一瞬で溢れ出たんじゃないかなと思います」
ADVERTISEMENT 佐野政言(矢本悠馬)に斬りかかられ、必死に抵抗する意知意知が亡くなる際に特に印象に残っているのが「佐野を責めないところ」だと言う宮沢だが、なぜ意知は佐野を責めなかったのか。
「台本を読んでいると、佐野の気持ちもすごくわかるし、同情できる部分もあるんです。最終的に2人は全然違う結末を迎えますが、佐野の父親や家に対する思いは、意知も同じなんですよね。多分、2人が持っている根本的なものってすごく似ていて。自分の親に対する愛情とか覚悟ってところとか、全部繋がっている。だから意知としても佐野を理解できるし、何とか佐野の待遇をもう少し良くしたいと思ったのではないか。意次も基本的には家臣だったり、自分の周りに置いてる人物のことを大事にしているんですけど、おそらく自分の中でやらなければならない課題、ミッションが多くありすぎて、佐野に目を向けることができなかった、後回しにしてしまった。それが取り返しのつかないことに繋がってしまったんじゃないかと思います」
ADVERTISEMENT 意次の右腕として活躍した意知6月に放送されたNHKの情報番組「あさイチ」に宮沢が出演した際、「べらぼう」において特に熱く語っていたのが意次役の渡辺謙の存在だった。2人は2020年・2021年に上演された舞台「ピサロ」でも共演。宮沢にとって渡辺は大恩人であり、本作でも「学ぶことがたくさんあった」としみじみ語る。
「謙さんは本当に優しい方。ドライ(※カメラなしのテスト)と本番の間までの時間などに、謙さんとお話をしている中で“このセリフはこう言った方がいい”“こう強調した方がいい”とか。謙さんが僕の芝居を見て感じたものを共有してくださいますし、チームをより良くしていこうと尽力してくださいました。それに、これまで培ってきたノウハウ、スキルというのはいわば商売道具じゃないですか。それを誰かと共有するというのは、自分の大きな財産を分け与えることになる。でも、謙さんは惜しみなく共有してくださいました。ですから収録期間中に行き詰まったとき、どうしたらいいかわからなくて悩んだときには、一番にご相談させていただきました」
ADVERTISEMENT大河ドラマ初出演にして、約1年もの長期間にわたる収録を終えた今、「役者としてだけじゃなくて、いち人間としてすごく充実した1年間だった」と振り返る。
「もともと、大河ドラマに出させていただくことが自分の中でも1つの目標でもありました。朝ドラ(「ちむどんどん」)の収録中、隣のスタジオで大河ドラマの収録が行われていて、自分もあの世界に入ってみたいという憧れがあったので、それが叶ったことが最初はもう嬉しくて。でも実際に収録が始まるとそれに伴う責任も強く感じるようになって。特に20回以降は、意知を中心に物語が進んでいくので、不安もたくさんあって毎日不安でした。それを1個1個乗り越えていく日々が1年間続いて。大きな学びとしては不安だからこそ、それを取り除くためにもっともっと頑張らなければならないということ。同時に、自分のハードルを少しずつ上げていくこと。ハードルを越えたら、今度は同じ高さを跳ぶのではなく、ちょっとずつ上げていくことで、気がついたらすごく高いハードルも飛び越えられるということ。この経験はおそらくこの先の仕事にも繋がると思いますし、仕事以外でも自分の人生の中でいろんな困難、苦戦することがあると思うんですけど、この1年間の経験があるから自分ならできる、これくらいなら越えられるぞっていう風に自信を与えてくれた作品です」
そうよどみなく語る表情はすがすがしく、「やり切った」ならではの充実感が感じられた。今年は「べらぼう」と同時期に収録していたというNHKドラマ「しあわせは食べて寝て待て」も好評を博し、今後は岸井ゆきのとダブル主演を務める映画『佐藤さんと佐藤さん』が秋に公開される。(編集部・石井百合子)
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横浜流星主演の大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」(毎週日曜NHK総合よる8時~ほか)で老中・田沼意次の嫡男・意知を演じた宮沢氷魚。意次のいわば右腕として仕事一筋だった彼が、思いがけず恋仲となった花魁・誰袖(福原遥)とのロマンスも反響を呼んだが、27日放送・第28回では意知に突然の悲劇が降りかかり、誰袖は涙に暮れることとなった。宮沢が、あらためて意知の誰袖への思いや、約6年ぶりの福原遥との共演を振り返った(※ネタバレあり。第28回の詳細に触れています)。
貸本屋から身を興し、喜多川歌麿、山東京伝、葛飾北斎、曲亭馬琴、十返舎一九らを見出し江戸のメディア王として時代の寵児となった蔦屋重三郎(横浜流星)を主人公にした本作。宮沢演じる意知は、若くして若年寄に昇進。父・意次(渡辺謙)の右腕として時に厳しく意見することもあり、とりわけ蝦夷の上知(あげち)計画では積極的にかかわり、情報収集のために「花雲助(はなのくもすけ)」の偽名で訪れた吉原で誰袖と知り合い、距離を縮めていった。
ADVERTISEMENT プリンス感ハンパない!意知と誰袖が初めて出会ったのは、6月1日放送・第21回。意次の腹心で、蝦夷通の土山宗次郎(柳俊太郎※「柳」は木へんに夘))らの花見に参加した際、駿河屋での宴席には土山の相方である誰袖が招かれ、誰袖は意知の姿に目を留めるや否やひと目ぼれ。誰袖は少女時代から蔦重命だっただけに突然の心変わりには驚きの声が上がった。本シーンを、宮沢はこう振り返る。
「正直、僕も早いなと思いました(笑)。でも、それが誰袖の可愛いところというか。少女のころから蔦重に“早く身請けして”と言い寄っていましたが、おそらく彼女には吉原から出て幸せになりたいとか、いろんな大きな夢があって。吉原という小さな世界で幼少期からずっと自分の中でいろんなことを夢見たり想像したりっていう時間が人一倍あったと思うんです。それを手に入れるためには何が必要かと考えて、それが初めは蔦重だった。一方で、“この人だったら自分の思っているものを与えてくれるんじゃないか”と不思議と可能性を感じられたのが意知だったと思うので、そうした期待から一気に心が変わったのではないないかと。僕はそういうふうに整理していました。でも、気になる人が目の前に現れたらその人にぞっこんになるのって意外と一瞬だったりしますよね。“もっとこの人のことを知りたい”とか“この人のそばにいたい”っていう感情は男女関係なくあると思うんですけど、誰袖と意知もそういうことなのかなって思います」
ADVERTISEMENT当初はビジネスとして始まった意知と誰袖の関係。誰袖は、吉原に客としてやってきた松前廣年(ひょうろく)から琥珀の抜荷(密貿易)の証拠をつかみ、蝦夷の上知に協力することと引き換えに、意知に身請けを持ち掛けた。初めは誰袖の一方通行に見えたが、意知が誰袖を女性として見るようになったのはいつからだったのか?
「誰袖はすごく勘がいいし、鋭いので、きっと意知は“この人だったら自分では気づかない新たな方法を見つけ出してくれるんじゃないか”と期待したところもあったと思うんです。一方で、誰袖のことをよく知らないので“本当に計画に交えていいものか”“信用していいのか、疑うべきなのか”とも。加えて、自分の計画はもう誰袖にバレているので、拒むことでバラされる危険性もあるし……と、気持ちがごちゃごちゃした時間っていうのがしばらくあって。でも、演じていて明確に“今好きになった”っていう瞬間はないんですよね。僕の感覚としては気が付いたらもう虜になっていたという感覚です。誰袖には中毒性があると思うんですよ。だから自然と誰袖の元に行きたくなるというか。後半になると特に用があるわけでもないのに一緒にいたりとか、そばにいるだけで落ち着く存在になっていく。これという瞬間はなく、じわじわという感じでしたが、初めて肌が触れ合う瞬間などは、気持ちが加速する感覚はありました」
ADVERTISEMENT前半では父・意次や側近・三浦庄司(原田泰造)らと江戸城にいるシーンが中心だったのが、誰袖と出会った第21回以降はたびたび吉原を訪れるようになり、意知のさまざまな表情を見られるようになるが、宮沢は「意知は誰袖といる時、一番自然体でいられる一方で、いろんな感情があった」と語る。
「基本的に江戸城や自分の屋敷にいる時っていうのは、何かの報告であったりとか、父に助言したり、自分の中で1つ鎧をまとっているような感じがあるんですけど、誰袖といる時は一番自然体で、自分の身分を忘れてしまうぐらい楽しい時間を過ごしているんです。一方で、田沼が蝦夷の上知をするための証をなんとか手に入れたいところで、初めて父に大きな仕事を任されたことで、それをなんとかやり遂げたい使命感と、関われているちょっとしたワクワク感もある。自分が手柄をあげられたらもっと認められて、もっといろんなことに関わっていけるっていう大きなチャンスなので、誰袖と一緒にその大きなミッションに挑めるっていうのは楽しい反面、いろんな感情があります」
誰袖と花見の約束をしていた意知だが……やがて意知は表向きは土山に身請けされる形として、誰袖との将来を見据えるまでになるが、第27・28回では番士の佐野政言(矢本悠馬)が突如、意知に斬りかかり、意知は絶命。二人の花見の約束は果たされないままとなる。意知は最期、意次に誰袖の行く末を託していたが、誰袖に対して何を思っていたのか?
ADVERTISEMENT「意知は1度約束したことは必ず果たす人間で、身請けもそうですし、1度この人を大事にすると覚悟を決めた以上は嘘偽りなく、本当にその人のことを大事にして困らないようサポートもしっかりとする人なので。心の底から誰袖にどんどん惹かれていったし、蝦夷の上知においても、誰袖が大きな力になっていたので、そういう意味での感謝の思いもあった。松前家と繋がる大きなリスクを彼女に背負わせてしまっていることに対する罪悪感もあって。いろんな感情がごちゃごちゃになったからこそ、さらに大事に思える人物でもあったので、死に際も誰袖のこれからの人生はどうなっていくのかと心配だったと思いますし、悲しむ姿も想像したんじゃないかなと思います」
父・意次(渡辺謙)に看取られ死にゆく意知誰袖とのシーンにおいて、特に思い出深いシーンとしては第25回で意知が誰袖に歌を贈る場面を挙げた。
「意知が“下手ですまぬが”と歌を渡すのですが、その時、誰袖から見たことのない表情が出てきて。普段からすごく可愛らしい表情をしますけど、またちょっと違った表情が見えて、意知としては嬉しいけど、ちょっと恥ずかしくもあって。なので、あのシーンではあまり誰袖とお互い目を合わせられないというか、意知の方が目をそらしているんですけど、そういった若い二人のキュンキュンした恋愛のシーンになっていて。そこでの会話もすごく好きで。“そなたと添わぬのは間者働きをさせることがよりつらくなるからだ。好いた女に何をさせておるのだと私は、己を責めるよりほかなくなる。いっそ蝦夷などやめればと思うようになるかもしれぬ。しかし、蝦夷は蝦夷でやり遂げねばならぬ私なりの思いがある。私の弱さを許してくれるとありがたい”と。ちゃんと約束を果たすっていう覚悟でもあるんですけど、自分の弱さ、未熟さを誰袖には打ち明けられるんだなと。多分、意次にも三浦にも蔦重にも相談できないこと、見せられないものを誰袖には自然と見せられていたという印象があります」
ADVERTISEMENT 第25回より誰袖に歌を贈る意知誰袖を好演した福原とは、『映画 賭ケグルイ』(2019)以来、6年ぶり。宮沢は「とにかく明るくて、一緒にいるだけで自然とこっちもちょっとワクワクしてくるような方」と評する。
「『賭ケグルイ』の時は福原さん演じるキャラクターとタッグを組んでいて最終的に裏切られる関係でしたが(笑)、今回は恋仲になる関係で。花魁には所作がたくさんあって歩くにも立っているだけでもいろいろと工夫が必要で、なおかつ福原さんはセリフも多い。その中で、所作の先生の指導が入って、福原さんはそれに対して本当に的確に、瞬時に応えられていてとても器用な方だなと。それに、誰袖がいる日は朝から晩までずっと誰袖のシーンが多かったりするんです。なので相当負担はあると思うんですけど、福原さんがいると現場が明るくなるんですよね」と収録を振り返っていた。(編集部・石井百合子)
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横浜流星主演の大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」(毎週日曜NHK総合よる8時~ほか)で、田沼意知(宮沢氷魚)を斬りつけ、自らもまた壮絶な最期を遂げた佐野政言(さの・まさこと)を演じた矢本悠馬。その死は“世直し大明神”として、後世に大きな波紋を広げた。佐野という複雑で悲劇的な人物を好演した矢本が、当初抱いた“ヒール”のイメージが覆されたことへの戸惑いや、役の狂気と純粋さの狭間で精神を消耗した日々、そしてすべてを終えた瞬間に訪れたという達成感について語った(※ネタバレあり。第28回の詳細に触れています)。
ひっくり返った役のイメージ
物語の転換点でメインキャストの一人、田沼意知を殺める大役。矢本が最初に佐野政言と向き合った時、心には期待と重責への緊張が宿っていた。「衣装合わせの時、演出の方々から“不気味でヒール的な存在に”と言われました。意知を殺めることは知っていたので、今後の展開へのワクワク感と、重大な責務への緊張感が第一印象でした」
ADVERTISEMENT当初の演出プランも、その“ヒール”像を強調するものだった。しかし、脚本の森下佳子から届いた新たな台本が、方向性を大きく変えた。「父が認知症を患う背景や、宴席でうまく振る舞えない引っ込み思案な一面といったディテールが急に出てきて、僕の中のイメージが完全にひっくり返りました」
この予期せぬ“キャラ変”は、矢本にとって大きな挑戦だった。描かれていない空白の期間に、青年がなぜ心を閉ざし追い詰められたのか。その過程を自身の解釈で埋めていく。
「成功者への嫉妬より、自分の生活の厳しさや、うまく自己表現できない性格のジレンマという側面の比重を上げました。ただのヴィランではなく、悲しい背景から殺さざるを得ない状況に追い込まれていく男なのだと」
1話の中で敬意が殺意へと変わるスピード感
役の核が大きく変わったことで、矢本は政言を突き動かす原動力を「システムへの怒り」に見出した。恵まれた家柄に生まれながら時代の変化に取り残され、絶対的な父からのプレッシャーと介護の現実に苛まれる。その絶望感が芝居の軸となった。
「もともとの生まれは良いのに、自分で営業してのし上がる時代に変わってしまった。かつて格下だった田沼家が上にいて、父からはプレッシャーをかけられ、その父の世話もしなければならない。システムの中で板挟みにあう絶望感があったのだろうと。描かれていませんが、そこを軸に周囲のセリフや環境を受け取りました」
ADVERTISEMENT物語は意知への感謝から殺意へと、わずか1話のうちに感情が反転するクライマックスへとなだれ込む。この感情の急加速こそ、矢本が「精神的にきつかった」と語る最大の難所だった。「1話の中で敬意が恨みに変わり、殺さなければならないというスピード感は、演じていて大変でした。視聴者に唐突に感じられたくなかったので、27回の一つ一つのシーンで自分を追い込みました。普段なら1受け取るものを、セリフや環境から100倍、200倍に増幅させる作業は、精神的にきつく、初めての体験でした」と振り返る。
信じていた相手への単純な怒りではない。矢本は政言の内面を「壊れてしまった」状態だと分析する。「意知を信用している描写もありましたし、僕自身も恨みや怒りより、追い込まれて壊れ、気づいたら刀を手にしていた……という感覚でした」
清々しさと怒りの果てに得た達成感
運命の日、田沼意知に斬りかかる瞬間、矢本の心にあったのは意外にも「清々しさ」だったという。「限界に近い精神状態で生きてきて、“もう終わった方が楽だ”と。“どうせ死ぬなら、最後にでかいことをしよう”というマインドでした。何もしないまま消えるより、歴史に名を残せれば、この人生も報われるのではないか……という気持ちだったのかなと思っていました」
しかし、ひとたび刃を向ければ感情は一変する。それは相手への怒りというより、やるせない自分自身への激情だった。監督とは“綺麗な殺陣にしたくない”と打ち合わせ、テストは重ねず本番の生々しさを追求。「覚えがあろう」という象徴的なセリフも、感情が最高潮に達した瞬間に叩きつけた。
ADVERTISEMENT「人を殺せるタイプではない人物として演じてきたので、自らを奮い立たせて鬼になった感覚です。刀を振るう時は、殺める行為への怒りが湧きましたが、それは自分自身に対する怒りのようでした。やるせない、というか……」
そしてすべてを終え、自らも死罪となる切腹のシーンでは、苦悩から解放された男の姿があった。「もう完全に晴れやかな気持ちでした。父が恨んだ田沼に一矢報いることができ、これで辛い人生を送らなくて済む。最後は空を見上げ“いい空だな”という気持ちで死にました」
収録を「全然楽しくなかったです(笑)」と冗談めかしつつ、「今回は精神的に追い込まれました」と極限状態を明かした矢本。一方で「今までの作品で一番プランニングをしないで現場に入りました」と、相手との芝居から生まれる発見も多かったという。
8年ぶりの大河で感じた成長と変化
「おんな城主 直虎」(2017)以来、8年ぶりに大河の撮影現場に帰ってきた矢本。脚本は奇しくも同じ森下佳子だ。「膨大なキャストの中で、どのキャラクターも立っているのが森下さんのすごいところ。シリアスな根底に明るいノリとリズムがある。『直虎』でもそうでしたが、どのキャラクターも視聴者に覚えてもらえる。それは森下さんのマジックだと思います」と練りに練られた脚本に感嘆する。
『直虎』では剣の達人(中野直之役)、今回は気弱な武士。真逆の役柄を託された意図を「『直虎』では最強、『べらぼう』では最弱(笑)。そのギャップを僕にやらせてみたかったのかもしれません。役柄の幅に可能性を見てくれているのは、すごくありがたいです」と矢本は分析する。
ADVERTISEMENTこの8年で、矢本自身も変化を感じていた。「『直虎』の時はがむしゃらで、自分の役を演じるのに精一杯でした。でも今回は少し周囲を見渡す余裕が生まれました。能動的な役だった前回と違い、今回は相手の芝居を受ける立場だったので、視野を広く持てたのかもしれません」
矢本に対する周囲の変化も感じているという。田沼意次役の渡辺謙からは“作品すごく見ているよ”と声を掛けられ、“共演したかったんだよ”と嬉しい言葉をもらった。
「やり終えた時、珍しく達成感があったんです」と語った矢本。“ヒール”から“悲劇の男”へ。役のイメージが覆る戸惑いを乗り越え、精神を削り、作り上げた佐野政言像。「『べらぼう』史上一番熱い回になってくれればという思いで演じました。メインキャストがいなくなる寂しさを凌駕するくらい、最後の殺陣は2人でしっかりやれたと思うので、自信をもって見てほしいと言えます」と力強くアピールした。(取材・文:磯部正和)
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横浜流星主演の大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」(毎週日曜NHK総合よる8時~ほか)の27日放送・第28回では田沼意知(宮沢氷魚)の身の上に起きた突然の悲劇ののち、昨年の大河ドラマ「光る君へ」に続いて呪詛のシーンが展開し、視聴者をざわつかせた(※ネタバレあり。第28回の詳細に触れています)。
2週間ぶりに放送される喜びと、ついに訪れる意知のXデーへの「地獄の始まり」「忘れてた…」といった悲鳴に沸いていた第28回第28回「佐野世直大明神」。田沼意次(渡辺謙)の嫡男・意知が番士の佐野政言(矢本悠馬)に斬られ、絶命。田沼の家臣・土山(柳俊太郎)が代用するかたちで意知に身請けが決まっていた花魁・誰袖(福原遥)は突然の悲劇を受け入れられず、さらには斬られた意知が石を投げられ、斬った佐野がヒーローとして祭り上げられる理不尽さに半狂乱に。蔦重(横浜流星)に仇討ちを乞う。
ADVERTISEMENT意知と花見する日を指折り数えていた誰袖。身を削るようにして手にした幸せはあっけなく消えてしまった。意知を亡くしてから笑顔が消え、生ける屍となった誰袖をみなが心配する中、お目付け役の志げ(山村紅葉)が血相を変えて蔦重のもとへ。誰袖が身請けされた土山の屋敷に向かうと、誰袖はぶつぶつと何かを唱えながら一心不乱にわら人形を打ち付けている。志げいわく、意知を斬った佐野、親兄弟を呪っているようで、志げの「人を呪わば穴二つ」の忠告も聞かず、仇を討ち意知のもとへ逝くと言ってきかない。
そんな変わり果てた誰袖の姿に、SNSでは「今すぐやめなさい!」「人を呪わば穴二つ」「メンタルがボロボロ…」「なんと痛ましい姿に」「早まるなっ」「誰袖が壊れてる 涙」「かわいかった誰袖が…」と忠告や心中を慮る声が続々。そして「2年連続呪詛!」「昨年たくさん見た」「呪詛と言えば伊周」「明子さまかな」と昨年の「光る君へ」を思い浮かべる人も多く見られた。
「光る君へ」では藤原道長(柄本佑)のもう一人の妻である源明子(瀧内公美)が道長の父・兼家(段田安則)を呪詛し、これが効いたのか兼家は間もなく死去。また道長の甥・伊周(三浦翔平)は道長やその家族を呪詛したところ、通じることなく病に倒れた。「光る君へ」では呪詛が長きにわたって描かれ、出演者の間では「きょう呪詛デーね」といったフランクな会話がなされていたとも。なお、「鎌倉殿の13人」(2022)でも呪詛のシーンがあり、源頼朝の異母弟である阿野全成(新納慎也)が木彫りの人形を作って源頼家(金子大地)を呪詛し、この一件を引き金に悲劇に見舞われた。
最期まで誰袖の身を案じていた意知。次週の「べらぼう」では蔦重が彼なりの仇討ちに挑む展開となるが、それは真の仇に届くのか。果たして誰袖は無事でいられるのか、注目される。(石川友里恵)
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松本潤が主演を務める日曜劇場「19番目のカルテ」(TBS系、日曜よる9時~)の8月3日に放送される第3話に、声優・俳優として活躍する津田健次郎が患者役でゲスト出演することが明らかになった。下咽頭がんが見つかる人気アナウンサーを演じる。
【画像】なんて患者だ!思わぬゲストも登場?「19番目のカルテ」第3話フォトギャラリー
「19番目のカルテ」は、医療分野における19番目の新領域「総合診療科」を舞台にしたヒューマン医療エンターテインメント。松本演じる魚虎総合病院の総合診療医・徳重晃が「問診」を通して病気を診るだけでなく、患者の心や生活背景などから「最善」を見つけ出し、生き方そのものにも手を差し伸べる。原作は富士屋カツヒトの連載漫画。脚本は「コウノドリ」シリーズの坪田文が担当する。
ADVERTISEMENT実は津田は第1話から劇中番組のナレーションを務めており、第3話で満を持してのゲスト出演。自身と同じく「声」が仕事道具のアナウンサー・堀田義和(ほった・よしかず)を演じる。
堀田は地上波テレビで情報番組を担当しており、CMや公共施設のアナウンスなどでも引っ張りだこの人気アナウンサー。喉の違和感をきっかけに魚虎総合病院を訪れ、下咽頭がんが発覚する。
堀田の治療方法をめぐり、総合診療医の徳重と外科医・東郷康二郎(新田真剣佑)の意見は対立。優先すべきは病気の治療か、それとも「声」を守ろうとする患者の思いか。簡単に答えの出せない状況の中、患者とその家族、そして医師らそれぞれの思いが交錯する。その声で多くの人を魅了してきた津田だからこそ生まれる説得力のある芝居にも注目だ。
「19番目のカルテ」第3話あらすじ
キー局の人気アナウンサーの堀田義和(津田健次郎)が、喉に違和感を覚えて魚虎総合病院にやってくる。 検査の結果、声帯の近くに腫瘍があることが発覚。堀田は、耳鼻咽喉科の平手(本多力)と外科医の康二郎(新田真剣佑)から、下咽頭がんを告知される。康二郎は「最短かつ最も有効な手段」として手術を薦めるが、堀田は大切な仕事道具である「声」の変質を恐れて手術を拒否。セカンドオピニオンとして総合診療科の受診を希望する。 徳重(松本潤)は「声を失えば、自分は死んだのと同じ」と言う堀田と向き合うが、完治を第一に考える康二郎とは意見が対立してーー。
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横浜流星主演の大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」(毎週日曜NHK総合よる8時~ほか)の27日放送・第28回では田沼意知(宮沢氷魚)の身の上に起きた突然の悲劇を受け、蔦重(横浜流星)、意知の恋人だった誰袖花魁(福原遥)、父・意次(渡辺謙)らがそれぞれ仇討ちに臨む展開に。なかでも、意次が事件の“黒幕”とみられる人物に一瞬の殺意を見せるシーンが注目を浴びた(※ネタバレあり。第28回の詳細に触れています)。
待ちに待った2週間ぶりの放送であったものの、前回のラストは番士の佐野政言(矢本悠馬)が意知に刀を抜いた瞬間で幕を閉じ、ついに訪れた“その日”にネットでは悲しみの声であふれた。佐野に斬られた意知は即死ではなかったものの、父・意次が見守るなか絶命。一方、愛する人を失い笑顔が消えた誰袖のため、蔦重は自分なりの仇討ちの方法を模索する。
ADVERTISEMENTお互いに仕組まれたことと知らずに散っていった意知と佐野。事件の黒幕と見られているのが反田沼の一橋治済(生田斗真)。次期将軍として将来を期待されていた徳川家基(奥智哉)、老中首座の松平武元(石坂浩二)、そして平賀源内(安田顕)の暗殺への関与も疑われていたが、この時には意次は犯人を突き止めようとしなかった。
意知の訃報を受けた際には「死んでしもうたか」「まこと、人の恨みをかうとは恐ろしい事じゃ。主殿少し天狗になっておったのかもしれんのう」とのんきに言い放った治済。意知の死に対して田沼意致(宮尾俊太郎)に「主殿は放っておいても老い先そう長くはない。嫡男をなきものとすることこそ田沼の勢いを真にそぐことになる」「そう考えたのかもしれぬなあ、佐野は」と“自白”ともとれる言葉をはきながらカステラをむしゃむしゃ食す姿には「お前だよ、お前!」「怖い…」とSNSで怒りの声が寄せられていたが、後の場面では余裕をかましている治済に、意次が一矢報いることに。
意次と顔を合わせた治済は、「ああ~主殿!なんと痛ましい姿に」と“お悔やみ”の言葉をかけるが、意次は笑いながら「然様にございますか?」「それがし、亡き右近将監様のような貫禄が出てきたものかとなかなか気に入っているのでございますが」と抗弁。治済が「強がらずともよい。掌中の珠のような子息を失い、さぞ…」と言いかけると、意次はさえぎって「何も失うてはございませぬ」とピシャリ。「もう二度と毒にも刃にも倒せぬ者となったのでございます。志という名のもとに」「志は無敵にございます。己が体を失うても生き続ける。今は私の中に。私が体を失うても誰かの中で生き続ける」と言い、去るそぶりを見せるとおもむろに治済に近づき「それがしには“やらなければならぬこと”が山のようにございますゆえ」とささやいた。
ADVERTISEMENT「もう二度と毒にも刃にも」には治済が裏で糸を引いた事件を彷彿させるもので、意次の宣戦布告ともとれる言葉の数々に「カッコイイよ田沼様!」「意次様お強い」「一橋への宣戦布告」「知っているよと圧」「ゾクッとした」「一瞬の殺気よ」と心を動かされる視聴者が続出した。
一方で、治済の手足となって暗躍していると思われるのが、平賀源内の悲劇に関与が疑われる男(矢野聖人)。前回では佐野が意知に殺意を抱くよう仕向けていたが、第28回では意知の葬列の際、大工のいで立ちで現れると生活苦にあえぐ人々をたきつけ、意知の棺桶や意次に石を投げた。また、ある時は浪人のいで立ちで佐野が埋葬された寺に「佐野世直し大明神墓所」ののぼりを立てることで人々に田沼を悪、佐野を善と刷り込み。巧妙な罠を仕掛ける様に「うわ、出たこの男」「またアイツや…」「また出た!」「お前!」「暗躍しすぎ」「死者に鞭打つとは」と戦慄の声が上がっていたが、ついに蔦重が男の存在を認識し「裏で糸を引いている者がいる」と推測。
男はかつて丈右衛門と名乗り、今も「丈右衛門だった男」とクレジットされている。(石川友里恵)
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松本潤主演の日曜劇場「19番目のカルテ」(TBS系・毎週日曜よる9時~)の第2話が27日に放送され、第1話の仲里依紗に続き、患者役でゲスト出演した若手俳優・杉田雷麟(すぎた らいる)の演技に、X(旧Twitter)では「泣かされる」「感情移入してしまう」などの声があがった。(ネタバレ注意。以下、第2話の内容を含みます)
【画像】思わぬ患者役も登場「19番目のカルテ」第3話フォトギャラリー
「19番目のカルテ」は、日本の医療における19番目の新領域・総合診療科を扱うヒューマン医療エンターテインメント。街の地域医療の中核を担う魚虎(うおとら)総合病院にやって来た総合診療医・徳重晃(松本)が、複雑な症状を抱えた患者と「問診」を通じて向き合い、生き方そのものにも手を差し伸べる。原作は富士屋カツヒトの連載漫画。脚本は「コウノドリ」シリーズの坪田文が担当する。
ADVERTISEMENT第2話では、魚虎総合病院に、心臓に先天性の病気を抱えている少年・岡崎咲(黒川晏慈)が救急搬送されてくる。付き添ったのは、兄の拓(杉田雷麟)。咲が生まれてから14年間にわたり主治医を務めて来た小児科医の有松しおり(木村佳乃)は必死で治療にあたるが、心停止からの救命には至らなかった。
その後、カンファレンスで有松の報告を聞いていた徳重は、なぜか兄の拓を気にかけている様子。咲の容態急変時の様子を気にしたり、拓や咲の父・浩司(東根作寿英)について調べたりと、医師たちから訝しがられるような行動をする徳重に、有松は自分の落ち度を探られているのかと感じ、不快感をあらわにする。
しかし徳重は、まだ若い拓が仕事か学校に行っているはずの時間に付き添っていたこと、病院で頑張って周囲に笑顔を見せる姿に違和感を覚えていた。その後、徳重は街中で熱中症で倒れた拓を介抱して病院へ。話を聞こうとするなかで、拓がなぜか足に力が入らなくなってしまったことが発覚する。
そして、徳重の問診を受けることになった拓は、自分を「悪いお兄ちゃん」といい「咲が死んだとき、心の底からほっとしたんだ……ごめんなさい」と胸の内を告白。「聞かせて。君の話を」という徳重の問いかけに、弟の誕生を心から喜んだ一方、両親が仕事や金策で手一杯となり弟を毎日ケアをしていたこと、学校をやめたこと、母親が出て行き戻らなかったことを明かす。続く回想シーンで、拓は、咲を置き去りして走り出すと、母親に訴えるように「何で逃げたんだ! 俺に全部押し付けて! 俺は、俺だって……」と慟哭する。
ADVERTISEMENT苦しくて逃げたかったこと、それでも弟の事が大切だったこと、だからこそ、弟の死に「ほっとした」自分が許せない胸の内を打ち明ける拓の姿に、Xで視聴者は「自分の気持ちに謝らなくていいんだよ」「誰にもあっても責められない感情だよ」「今日はヤングケアラーのお話なのね……涙止まらない」「このお兄ちゃん可哀想すぎる」「ボロ泣き」「つらいな。泣けてくる」などの声が。感情を揺さぶる演技を見せた拓役の杉田に「患者役の熱演に引き込まれるな」「拓くん役の俳優さん、演技上手すぎるでしょ」など絶賛の声があがった。
藤井隆がサプライズ出演(C)TBSスパークル/TBSその後、足が動かない原因は、心の葛藤が麻痺などの神経症状を突然引き起こす「機能性神経症状症」と診断され、徳重たちの手助けで立ち上がることができるようになった拓。そして、拓を助けるために、徳重が信頼するソーシャルワーカー・刈谷晋一役として、藤井隆が登場。サラプライズ出演に、Xでは「藤井隆だ!」「ワーカーが藤井隆さんって素敵」「ソーシャルワーカー藤井隆って的役すぎる」などの声があがった。(編集部・入倉功一)
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