10月で「50ccの原付」モデルが生産終了! メーカー各社が開発する「新基準原付」ってなんなの? 「出力を抑えていてもそのうち改造されたりするのでは?」SNSではさまざまな懸念の声
- 2025.10.16
- Peacock Blue K.K.
50cc原付バイクの生産が2025年10月をもって終了します。これにより、原付の代わりとなる存在として登場するのが「新基準原付」と呼ばれる新しいカテゴリーです。しかし、この新基準原付に対しては、SNSなどでさまざまな懸念の声も上がっています。
50cc原付の生産がついに終了 新基準原付へ交代
2025年10月をもって、50cc原付バイクの生産が終了します。
長年、通勤や買い物の足として親しまれてきた50cc原付が、この時点で市場から姿を消すことになります。
これにより、50ccの原付バイクは新車として手に入れることができなくなりますが、その後継として新たに登場するのが「新基準原付」です。
原付一種は、50cc以下のバイクに適用されるカテゴリーであり、初心者や高齢者を中心に利用されてきました。
しかし、排出ガス規制の強化に伴い、コストなどの問題により50cc原付の生産は困難になり、代替となる新しい規格が求められていました。そこで今年4月の道交法改正に伴い登場したのが、新基準原付です。
新基準原付とは、排気量が125cc以下でありながら、最高出力が4.0kW以下に制限された二輪車を指します。
これにより、従来、50ccを超える125cc以下のバイクは「原付二種」として分類され、運転には小型限定普通自動二輪免許が必要でしたが、法改正により、出力を抑えたモデルであれば、原付免許や普通自動車免許でも運転が可能となります。
新基準原付は、最高速度30km/hに制限され、二人乗りは禁止、交差点での二段階右折義務など、法律上は原付一種と同じ扱いです。
ナンバープレートも従来と同じ白色が交付されるため、基本的なルールや制限は従来の原付一種と変わりません。
この新基準原付の導入には、排出ガス規制の強化が関わっています。
2020年度から導入されたEURO5相当の基準に準拠するため、50cc原付の生産は技術コストがかかり過ぎて難しくなったため、新たな移動手段として新基準原付の規定が整備されました。
ただし、新基準原付はまだ市場に投入されていません。
ホンダが「スーパーカブ110ライトコンセプト」を2025年3月のモーターサイクルショーで発表したり、ヤマハも新基準原付の生産を発表したりしていますが、具体的なモデル像や発売時期は未定です。
「リミッター制限キットが間違いなく出る」SNSでは懐疑的な声も
新基準原付に対して、SNSでは懸念の声が多く上がっています。特に注目されているのは「改造されるのでは?」という問題です。
リミッター解除キットや改造パーツが登場する可能性があり、これにより公道を制限速度以上で走行するユーザーが出てくることが懸念されています。
そのため、SNS上では「すぐにリミッター解除キットが出る未来が見えるわ」「従来のエンジンのままで出力制限した形で販売したら、直ぐにリミッターカット的なモノが販売されてくるでしょうね」という意見も多く、改造の氾濫による安全性の低下が懸念されています。
「原付免許しかない人たちの事故が増えるのでは。そういった対策はどうするつもりなんだろう」といった声もあり、どのように規制を強化し、改造を防止するのかが重要な課題として浮き彫りになっています。
さらに、価格や使い勝手についても懸念の声が上がっています。
「排気量上げて値段も高くなってしまうと、買う方としては負担が増えるだけだな」「学生には手が届きにくくなる。原付離れが進むかも」という意見が投稿されていました。
他にも、「新基準原付は車体自体は125ccとほぼ同じで、従来の原付より車体が大きくなるわけだから、女性や高齢者には扱いにくくなるのでは」などと、重量の増加による扱いにくさを指摘する声もありました。
一方で、「新基準原付、色々言われているけど、排出ガス規制のこともあるし、企業もうまくやっている方だと思う」「実際に各メーカーがどんなモデルをどんな形でだしているのか興味はある」などと、比較的肯定的な意見や、今後を期待する声もあります。
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新基準原付は、50cc原付の後継として登場することが期待されていますが、改造のリスクや法的な規制をどのように管理するかが大きな課題となりそうです。
SNSでは、新基準原付への懸念の声とともに「原付がなくなったら、特定原付の電動キックボードに乗る人とかが増えると思う。規制強化を今一度しっかりしてほしい」などと、他のモビリティへの影響を指摘する声もありました。
今後、新基準原付の普及に伴い、リミッター解除や重量、価格などの課題がどのように進展するのか、注目が集まります。