高級イセエビが千葉で大漁 外国人密漁者が暗躍…29匹乱獲も 海保パトロール
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「イセエビ」といえば名前の通り三重県でとれるイメージが強い人も多いと思いますが、今、千葉県沖で大漁が続いています。高値で取引されるため、密漁する外国人グループの存在も明らかになっています。
■千葉の漁獲高 三重を上回り全国トップ
肉厚でぷりっぷりの食感の刺し身に、香ばしいにおいがたまらない塩焼き。だしまでおいしいみそ汁も。
イセエビの刺し身を食べてみると、すごくコリコリとした食感があって歯応え抜群。味も口に入れたら甘さが広がって、イセエビのおいしさを感じられます。
一番人気の伊勢海老定食は6600円。土日には50食売れることもあります。
「甘いですね。甘い」
イセエビの豊漁が続く房総半島の千葉県いすみ市では、町を挙げてイセエビで観光客を誘致しています。
千葉県は去年、三重県を上回りイセエビの漁獲高で全国トップになりました。国内の20%以上にも上る年間238トンを水揚げしています。
千葉県によると、勝浦などでとれるイセエビは「外房イセエビ」としてブランド化され、取引価格も急上昇しています。
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■「毎週のようにいる」大漁に目をつけた密漁者勝浦海上保安署の管内では、イセエビの密漁が相次いでいます。
20日時点で、今年に入って検挙されたのは9人。合わせて127匹のイセエビが密漁されています。これは例年よりも多い水準だということです。
千葉県ではイセエビに漁業権が設定されているため、密漁は漁業法違反となり、100万円以下の罰金が科せられます。
午後6時、海上保安官6人が車に乗り込み、イセエビが多くいる岩場を見て回ります。海辺の細い道を抜けたポイントに向かいました。
密漁者が近くにいる可能性があるため、車のライトを消して近づきます。
カメラでは確認できませんが、そこには乗用車が止まっていました。街灯が1つもない真っ暗闇のなか、密漁者を探します。
海岸を見渡せる高台に移動すると、茂みに身を隠すようにして双眼鏡をのぞき込みます。
そこには、岩場で怪しい動きを繰り返す男性がいました。
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■密漁の決定的瞬間 袋の中に大量イセエビ男性の動きを望遠レンズが付いた双眼鏡で監視します。
岩場では、男性のヘッドライトがついたり消えたり。監視を続けること10分。男性に動きがありました。
ヘッドライトで釣り上げたものを照らし、注意深く確認します。すると、釣ったものを袋の中に入れました。密漁の決定的瞬間です。
その後も釣り上げたイセエビを素早く袋に入れていきます。午後9時、密漁の瞬間を見届けた保安官が男性のもとに駆け寄ります。
男性が持っていた袋を開けるとそこには、大量のイセエビが入っていました。全部で6匹。体長12センチから20センチのイセエビで、総重量はおよそ1.2キロでした。
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■漁業法違反…密漁外国人を海上保安官が追及男性は千葉県木更津市に住む60代のベトナム人でした。
海上保安官は密漁を問いただします。
30年以上前に来日し、日本語での日常会話には支障がない男性。密漁禁止を「知らなかった」と繰り返しますが、男性は外国語で「密漁禁止」と書かれている横を3メートルほど登った先で密漁をしていました。
看板にはイラストに加え、日本語、英語、中国語で密漁禁止を呼びかける文言があります。
男性は漁業法違反などの疑いで任意の取り調べを受けていて、「食べるためにイセエビを取った」という趣旨の話をしているということです。
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■54匹密漁外国人グループ 1人で29匹乱獲も別の日、勝浦海上保安署が検挙したのは、ベトナム人男性3人でした。
合わせて54匹、およそ13キロのイセエビを密漁。中には、1人で29匹、およそ6.5キロのイセエビを取った男性もいました。道の駅などの店で購入すれば、7万円はくだりません。
(「グッド!モーニング」2025年3月21日放送分より)
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