トランプ米大統領、インテルCEOの辞任要求 「利益相反」あると主張
トランプ米大統領は7日、半導体大手インテルのリップブー・タン新最高経営責任者(CEO)が直ちに辞任することを求めた。台湾・台北で5月撮影(2025年 ロイター/Ann Wang)
[7日 ロイター] - トランプ米大統領は7日、半導体大手インテル(INTC.O), opens new tabのリップブー・タン新最高経営責任者(CEO)が直ちに辞任することを求めた。中国企業とのつながりから「重大な利益相反がある」と主張した。
トランプ氏は自身の交流サイト(SNS)に「この問題に他の解決策はない」と投稿。インテルの株価は時間外取引で一時、約4%下落した。
今年3月にCEOに就任したタン氏は、人員削減と計画中の製造工場の建設中止によるコスト削減を目指し、大規模な戦略の見直しを進めている。経営陣の交代はインテルにとって一段の圧力になる可能性がある。
ロイターは6日、米共和党のトム・コットン上院議員がインテル会長宛てに書簡を送り、タン氏の中国企業とのつながりや、CEOなどを務めたことのあるケイデンス・デザイン(CDNS.O), opens new tabによる輸出規制違反問題への関与について説明を求めたと報じた。
インテルの広報担当者は6日の声明で、「インテルとタン氏は米国の国家安全保障と国防エコシステムにおける役割に深くコミットしている」とし、書簡で指摘された事項に対応すると述べた。
ロイターは4月、タン氏が設立または運営するベンチャーファンドを通じて多数の中国企業に投資し、一部は中国軍と関連していると伝えた。
インテルは米国内の半導体製造強化の柱の一つで、昨年は「CHIPS・科学法」に基づき連邦政府の補助金や融資約200億ドルを確保した。
アナリストの間では、トランプ大統領が企業の経営陣に関する決定を下すべきかどうかを巡り見解が分かれる。
ラデンバーグ・サルマン・アセット・マネジメントのフィル・ブランカトCEOは「非常に残念な前例となるだろう。米大統領が企業の経営者について指図するのは望ましくない。しかし、トランプ氏の意見には確かに価値と重みがある」と述べた。同社はインテル株を保有していない。
インテルの株主であるアプタス・キャピタル・アドバイザーズの株式ポートフォリオマネージャー責任者、デビッド・ワグナー氏は「トランプ大統領が米国にビジネスを呼び戻そうと真剣に取り組んでいることを示す新たなシグナル」という見方を示した。
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