さよなら名鉄百貨店、地元に愛され71年 「ありがとう」涙ぐむ客も

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松本敏博 高橋俊成

 名古屋駅前の名鉄百貨店本店(名古屋市中村区)は28日、開店から71年あまりの歴史に幕を下ろしました。買い物の楽しさだけでなく、店舗前の巨大マネキン「ナナちゃん」、世界で現存するのは同店に2台のみという手すりが垂直に落ちるエスカレーターといった名物でも知られ、愛されてきました。1954年の開店以来、地域とともに歩んだ日々のラストシーンを詳報します。

営業を終えた名鉄百貨店本店前の歩道では、感謝の気持ちを伝えるメッセージボードが掲げられていた=2026年2月28日午後7時16分、名古屋市中村区、溝脇正撮影

【動画】名鉄百貨店本店の最後の営業日 来店客に花を配る=名古屋市中村区、小林孝也撮影

 店の前であった閉店のセレモニー。多くの買い物客を前に、石川仁志社長は「長らくのご愛顧ありがとうございました。これを持ちまして店舗営業を終了します。またみなさんお会いしましょう」とあいさつし、並んだ従業員が頭を下げた。

営業を終え、シャッターが閉められる名鉄百貨店本店=2026年2月28日午後7時12分、名古屋市中村区、溝脇正撮影

 「ありがとう」「お疲れ様でした」。買い物客からの声とともに拍手がわき起こる。涙ぐむ人もいるなか、ゆっくりとシャッターが下りた。

名鉄百貨店の閉店イベントに集まった人たちで埋まった「ナナちゃん人形」がある通路=2026年2月28日午後5時28分、名古屋市中村区、溝脇正撮影

 閉店が迫る夕方、大きな買い物袋を手に行き交う人が目立ってきた。8~9階をつなぐ、手すりが垂直に落ちる「名物」エスカレーターの周辺では規制線も引かれる中、貴重な姿を写真に収めようと人垣ができた。

 地下の食料品売り場では「本日売り切れです」の声が飛んだ。

 3階のかばん売り場では、店員が「最後のご奉仕です。全部持っていってください! ありがとうございました」と声を張り上げていた。1万円以上する商品が3千円台に値引きされ、バッグやリュックがみるみる売れた。

 レジに並んだ名古屋市中川区の70代女性は「ちょっと気分を変えようと思って」と赤いリュックを手ににっこり。「長い間世話になった。さみしくなるねえ」と語った。

16:00

「ナナちゃん」キーホルダーに歓声 

ナナちゃんがデザインされた記念品のキーホルダー=2026年2月28日午後4時5分、名古屋市中村区、高橋俊成撮影

 午後4時ごろからは、1千円以上の買い物をした人を対象に、アクリルキーホルダーのプレゼントがあった。百貨店の外観や、ナナちゃん、手すりが垂直に落ちるエレベーターなど、百貨店を代表する光景がデザインされており、何が当たるかはお楽しみ。

 「ナナちゃん!」。お目当てのデザインを見事に引き当てた名古屋市熱田区の会社員女性(55)は思わず歓声を上げた。「昔から待ち合わせ場所はナナちゃん。ナナちゃんの洋服がめっちゃ好きなんです」。三重県尾鷲市の出身で、幼いころから、親族が住む愛知県に行く途中に百貨店に立ち寄ってきたという。

 子どもの頃はお菓子を買ってもらうのが楽しみだった。この日は洋服を購入。「名鉄に来れば全部買える。そんな場所だった。無くなると、めっちゃ不便になるなあ」と惜しんでいた。

15:00

紳士営業部長「お客様が力を」 

 名鉄百貨店の中でも、革靴や…

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