米国株式市場=S&P小幅続伸、貿易・経済指標を注視

米国株式市場はS&P総合500種が小幅に続伸して取引を終えた。2021年1月撮影(2025年 ロイター/Mike Segar)

[14日 ロイター] - 米国株式市場はS&P総合500種(.SPX), opens new tabが小幅に続伸して取引を終えた。今週は週明けから米中貿易戦争休止やインフレ鈍化を示すデータを受けて堅調に推移したが、この日は今後の経済指標を見極めようと、プラス圏とマイナス圏を行き来する展開となった。
貿易を巡る動きにも引き続き関心が集まっている。トランプ米大統領は13日、湾岸諸国歴訪の最初の訪問国サウジアラビアで事実上の最高権力者ムハンマド皇太子と会談し、サウジによる米国への6000億ドルの投資確約を取り付けたほか、約1420億ドル規模の武器売却でも合意した。 もっと見る
また、半導体大手エヌビディア(NVDA.O), opens new tabやアドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)(AMD.O), opens new tabなどは13日、サウジ政府系ファンドが所有するAI(人工知能)スタートアップ企業との業務提携を発表した。 もっと見る

インガルス&スナイダーのシニアポートフォリオストラテジスト、ティム・グリスキー氏は「トランプ大統領を含む世界の指導者が貿易についてどのような発言をするか不透明感が漂っている」とし、これまでの関税政策は一時停止されているものの、最終合意には至っていないと指摘。「最近の発表は良好で、それが大幅な(株価)上昇につながったが、不確実性はまだ残っている」と述べた。

米連邦準備理事会(FRB)のジェファーソン副議長は14日、最近のインフレ指標はFRBが掲げる2%目標に向けて継続的に進展しているとの認識を示した。同時に、米政権の関税措置が物価を押し上げる可能性があり、見通しは不透明との見方も示した。 もっと見る
シカゴ地区連銀のグールズビー総裁は、予想を下回った4月の消費者物価指数(CPI)データは必ずしも米関税引き上げの影響を反映していないとし、FRBが 物価と経済の方向性を見極めるためにはさらなるデータが必要だと述べた。 もっと見る

市場では15日に予定されるパウエルFRB議長の発言に注目が集まる。

大型株や成長株が買われ、エヌビディアは4%超上昇。60億ドルの自社株買い計画を承認したAMDも4.7%高となった。

ボーイング(BA.N), opens new tabは0.6%高。カタール航空が同社から航空機を購入する契約に署名したことを好感した。 もっと見る
衣料品大手アメリカン・イーグル・アウトフィッターズ(AEO.N), opens new tabは6.4%安。関税による経済の不透明感を理由に、通期業績見通しを撤回した。

ニューヨーク証券取引所では値下がり銘柄数が値上がり銘柄数を1.97対1の比率で上回った。ナスダックでも1.74対1で値下がり銘柄が多かった。

米取引所の合算出来高は197億3000万株。直近20営業日の平均は167億7000万株。

LSEGデータに基づく暫定値です。前日比が一致しない場合があります ※米国株式市場

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