西郷真央は夢のマスターズ観戦をガマン「行っている場合ではなかった」

◇米国女子◇JMイーグルLA選手権 事前(16日)◇エルカバレロCC (カリフォルニア州)◇6679yd(パー72)

西郷真央は女子プロきっての“PGAツアー・フリーク”でもある。「最近、アイアンのスイングを参考にしているのは(ツアー6勝の)マックス・ホマですね」。2日前に終了した「マスターズ」をチェックしないはずがない。いち選手として尊敬する松山英樹を応援しつつ、ロリー・マキロイ(北アイルランド)の大会初優勝は画面越しでもしびれるしかなかった。

ジャスティン・ローズ(イングランド)とのプレーオフに突入する直前、マキロイは正規の18番で2打目をグリーン右のバンカーに落としてボギーにした。“左よりは絶対に右”がセオリーのセカンドショットとはいえ、残りは130ydほど。「フェアウェイのあの距離からバンカーに入れてしまう。よほどのプレッシャーなんだと思いました」と西郷はうなる。「それでも、プレーオフ1ホール目でバーディを獲るのはスゴイ。いつ見てもおもしろいと思いました」と、うなずいた。

2001年生まれの23歳にとって、マキロイは「PGAツアーを見始めたころ、最初に『うわあ』と思った選手。一時期、あのスイングを頑張ってできないかな…なんて思ったくらい」という存在。動きを研究し、「(マネするのは)筋力的、骨格的に絶対ムリだ…と思ってやめました」という過去もあったらしい…。

マスターズウィークは例年、世界中のほとんどのツアーがオープンウィークに設定。米女子ツアーのメンバーはオーガスタナショナルGCで観戦できる“特典”がある。ツアー2年目の西郷はことしも現地観戦を見送った。「本当は行きたかったんです。でもちょっと…、行っている場合ではなかった」

2週前の「Tモバイル マッチプレー」。日本勢でただ一人グループリーグを突破、9位で今季2回目のトップ10を記録しても、「気持ちよく振れず、耐える場面ばかり。パッティングにフォーカスした試合をしたいんですけど、それ以外の不安要素があった。やりたいスイングはできているのに、(出る)球がイメージと一致しない」と課題ばかりが頭に浮かんだ。

まずはギアに着目し、1Wのシャフトをチェック。長らく使用しているUSTマミヤ「The ATTAS V2」のフレックス表記は「S」でも、メーカーに要望を伝えてマイナーチェンジを繰り返すうちに「Xくらいに硬くなっていた」という。

「それを本来のSに近づけた。いったんスタンダードに戻したい」と、振り切れる要素を増やして、今度は自分のメジャーシーズンの到来に準備。「来年は…行きたいなと思います」。このツアーにいる限り、憧れのオーガスタは逃げない。(カリフォルニア州ロサンゼルス/桂川洋一)

関連記事: