トランプ氏、「体制転換起こった」と主張 米国とイランが近く協議とパキスタン外相

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画像説明, 米大統領専用機に乗るトランプ大統領

中東で紛争が続くなか、アメリカのドナルド・トランプ大統領は29日、イランで体制転換がすでに起きたとの見解を示した。一方、パキスタンでは同日、紛争の早期終結に向け、同国とサウジアラビア、トルコ、エジプトの各国外相が方策を協議。終了後、パキスタン外相は「今後数日中に(イランとアメリカ)両国間の有意義な協議を主催し、仲介することを光栄に思う」と話した。ただ、アメリカは湾岸地域で兵力を増強しており、イランも徹底抗戦する姿勢を崩していない。

トランプ氏はこの日、大統領専用機で記者団に対し、イランで「体制転換はすでに起きた」と述べた。

トランプ氏は、「(イランの)体制の一つは壊滅、崩壊し、全員死んだ。次の体制もほぼ全滅している。3番目の体制は私たちが相手にしているが、これまで誰も相手にしたことのない人々によるもので、まったく異なる人々のグループだ。私に言わせれば、これは体制転換だ」と発言。

「体制転換はすでに起きたと私は考えている。これ以上のものはそうはない、またとない成果だ」と述べた。

トランプ氏はまた、イランとの間で「合意に達すると思う。かなり確信しているが、そうならない可能性もある」と発言。「イランのことだから何があるか分からない。交渉したかと思えば、結局は爆撃しないとならないこともある」と述べた。

こうしたなか、パキスタンの首都イスラマバードでは、同国とサウジアラビア、トルコ、エジプトの計4カ国の外相会合が開かれた。

初日終了後、パキスタンのイシャク・ダール外相は、4カ国が現在の戦争を早期かつ恒久的に終わらせる方法を話し合ったと述べた。

また、和平に向けた協議をパキスタンが仲介することについて、イランとアメリカの双方が「信頼を表明した」と話した。ただ、協議への参加をイランとアメリカが確約したのかは言及しなかった。

ダール外相はまた、中国の王毅外相と国連のアントニオ・グテーレス事務総長とも話をしたと説明。両者がともに、パキスタンによる和平への取り組みへの支持を表明したと述べた。

トランプ大統領は、英紙フィナンシャル・タイムズに対し、パキスタンの「使節」を介したイランの間接交渉が順調に進んでいると述べた。

近いうちに停戦合意に達するかについてはコメントを控えたが、何らかの合意が「比較的素早くまとまるかもしれない」と述べた。

動画説明, 米・イスラエルの攻勢激化、イランも攻撃続ける 沈静化の兆し見えず

アメリカはイランとの合意をにおわせる一方で、中東での兵力増強も進めている。

湾岸地域には新たに米兵3500人が到着した。米中央軍は、強襲揚陸艦トリポリによる作戦に関係する部隊の一部で、海軍兵と海兵隊員だと、ソーシャルメディア「X」で説明した。トリポリは長崎県の米海軍佐世保基地を母港としており、攻撃や輸送のための軍用機を搭載している。

米紙ワシントン・ポストは、米国防総省がイランでの数週間にわたる地上作戦の準備を進めていると報じている。米当局は、地上部隊を展開するのか明らかにしていない。

トランプ氏はフィナンシャル・タイムズに対し、「イランで石油を手に入れる」可能性があるとし、イランの主要な燃料拠点のカーグ島を占領するかもしれないと述べた。

アメリカが軍事行動の準備を進めているのを受け、イラン国会のモハンマド・バゲル・ガリバフ議長は、イラン軍が「米兵を待ち構えている」と警告した。イラン国営メディアが報じた。

ガリバフ議長は、イラン領に侵入しようとする米兵には「火の雨を降らせる」と強調。「敵は表向き、交渉の可能性を示しながら、その裏で地上攻撃を企てている」と批判した。

イラン軍の最高作戦指揮機関ハタム・アル・アンビヤ中央司令部の報道官は、湾岸地域のアメリカとイスラエルの「指揮官や政治家の自宅」をイラン軍が標的にすると警告した。

これは「報復措置」だと、報道官は主張。アメリカとイスラエルがイランが「さまざまな都市で、民間人の住宅を攻撃している」と非難した。

こうしたなか、イランはイスラエルなどへの攻撃を続けている。

イスラエル当局は、南部ネオット・ホヴァヴ工業地帯で大規模な火災が発生したことを受け、「有害物質事故」を宣言した。火災はその後、消防隊によって鎮圧された。

イスラエル国防軍は、この火災がミサイルの破片によって引き起こされた可能性があるとしている。

サウジアラビア国防省は、同国東部地域に向かっていた弾道ミサイル5発を検知し、迎撃したと発表した。被害などの詳細は不明。

イランの首都テヘランで激しい爆発が報告された直後、イスラエル国防軍(IDF)は、首都全域を標的に攻撃を実施していると発表した。

イランのエネルギー省によると、同国の「電力インフラ」が攻撃され、テヘラン州とアルボルズ州の一部で停電が発生した。ほとんどの地域ではその後、電力が復旧したとみられる。

イスラエルはレバノンへの攻撃も継続している。イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は、レバノン南部の「既存の安全地帯」の拡大を命じたと説明。同国のイスラム教シーア派組織ヒズボラによる「侵攻の脅威を完全に阻止」し、イスラエルとの国境付近で対戦車ミサイルが発射されないようにするのが目的だとした。

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