恐竜絶滅させた小惑星の衝突地点、驚くほど急速に生物回復 九州大など国際研究
その結果は、熱水系から小惑星由来のオスミウムが放出されなくなるのに伴い、クレーター跡地に生息する海洋生物の種類が変化したことを示していた。 熱水系からオスミウムが放出されている間、プランクトンの優占種は栄養素が豊富な環境に生息する種だった。オスミウムの濃度が衝突前の水準に戻ると、プランクトンは低栄養素環境に適応した種に変化した。 生態系はもはや、熱水系から上部に位置する海に放出される栄養素によって支えられている状態ではないことを、今回の調査結果は示している。熱水系は、衝突で形成された海盆の中に時間とともに積み重なった堆積物によって地下深く埋もれてしまった可能性が高い。 論文の共同執筆者で、ベルギー・ブリュッセル自由大学研究教授のスティーブン・ゴデリスは「衝突クレーター形成事象は、主として破壊的である一方で、場合によっては顕著な熱水活動を引き起こす可能性もあることを、今回の研究は明らかにしている」として「チクシュルーブのケースでは、このプロセスが海洋生態系の急速な回復に決定的な役割を果たした」と結論づけている。 今回の論文「Prolonged 187Os/188Os excursion implies hydrothermal influence after the Chicxulub impact in the Gulf of Mexico」は学術誌Nature Communicationsに掲載された。 追加資料とインタビューは米テキサス大学オースティン校から提供された。
David Bressan
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