宇宙を目指す高校生たち──小石川ロケット班、世界大会へ挑戦!(堀潤)
堀潤ジャーナリスト
世界の宇宙開発が、今新たなステージへと突入している。アメリカではスペースXが、火星をも視野に入れた超大型ロケット「スターシップ」で圧倒的な技術力を見せつけている。年間最大25回の打ち上げ許可を得た。
そして、中国は独自の宇宙ステーション「天宮」への有人ドッキングに成功。日本でも今月末までの打ち上げは延期されたものの、国産ロケットH3の新方式「30形態」による実験が進んでいる。まさに、宇宙開発は国家を挙げた競争の時代へと突き進んでいる。
そうした中、東京都立小石川中等教育学校のロケット班が、“高校生”としてその最前線に立とうとしている。
中高生日本代表として世界大会へ
1年生で、東京都立小石川中等教育学校のモデルロケット班(通称:小石川ロケット班)を立ち上げた橋本龍之介さん(現:5年生)は、仲間と共に日本最大のモデルロケット大会「ロケット甲子園」で初出場・初優勝を果たし、日本代表として6月の世界大会(IRC=International Rocketry Challenge)出場を決めた。
開催地はフランス・パリ。アメリカ、イギリス、フランスと並び、日本も宇宙を目指す若き力を送り出す。
小石川ロケット班提供 モデルロケットの打ち上げの様子「モデルロケット」とは?
モデルロケットとは、火薬エンジンを用いて飛行する小型ロケットで、教育目的で世界中の学生たちに広く親しまれている。高度数百メートルに到達し、パラシュートなどで安全に降下・回収できる設計が義務づけられている。
小石川ロケット班が制作するロケットも、時速180km以上で上昇し、最大で上空250mに到達する高性能モデルだ。