在住日本人「いつ何が起こるか分からない恐怖」 トランプ政権…不法移民摘発「1日3000人」がノルマ?

アメリカにある韓国企業の工場で不法就労の疑いを掛けられ当局に一時拘束された日本人や韓国人など330人が12日、韓国に到着しました。外国人に対する厳しい取り締まりにアメリカ在住の日本人からも不安の声が上がっています。

12日、韓国・仁川空港に降り立ったチャーター機。

帰国した韓国人男性は「こんな状況では、誰もアメリカに留まり働きたくない」と訴えました。

問題が起きたのは今月4日、アメリカ・ジョージア州。櫻茜理記者(NNNエラベル)「韓国企業の工場が立ち並ぶエリアです。この奥に摘発が行われた建設中の工場があります。完成すれば多くの雇用が生まれる場所となっています」この建設中の工場で、資格外のビザで不法に働いていた疑いがあるとして、日本人男性3人を含む475人が拘束されたのです。トランプ大統領は「彼らは不法移民だ。移民当局はただ職務を遂行していたに過ぎない」として、大量摘発を正当化。しかし、拘束された日本人3人は短期間の出張のためにビザを取得していたといいます。違反がなかったとみられる多くの人も巻き込まれる事態。日本人留学生「ニュースを見てから、出かけるのが怖くなった。繁華街とか、にぎやかなところのほうが取り締まりが厳しいのかな」

また、アメリカで働いている日本人からは「真面目に働いていても、いつ何が起こるか分からない恐怖がある」と不安の声も聞かれました。

不法移民など外国人の取り締まりに力を入れるトランプ政権。1日あたり3000人の摘発をノルマにしているといいます。7月には、移民捜査当局が職員募集サイトを新設。そこには「アメリカはあなたを必要としている」という文字がありました。

「アメリカは犯罪者や捕食者に侵略されており、彼らを追い出すには、あなたたちの力が必要だ」などと強調。最大5万ドル(約740万円)の契約金や6万ドル(約890万円)の学生ローン返済などの特典を用意し、採用を強化しています。

外国人の取り締まりが強化される中起こった今回の事態。工場の近くに住む人「工場建設はアメリカ人の雇用を作る良い機会で韓国の人たちが仕事を取ったとは思わない。工場が続いてほしい」

摘発された韓国企業の工場は建設計画が数ヶ月遅れる見通しで、李在明大統領は、「対米投資に相当な影響を及ぼす可能性がある」と述べています。企業活動にも影響が出る中、アメリカで暮らす多くの外国人に不安が広がっています。

関連記事: