新米高騰から凶作危機まで 全て小泉農水相に押しつけ「大罪」はちょっと気の毒 花田紀凱 花田紀凱の週刊誌ウォッチング(1042)

記者会見に臨む小泉進次郎農林水産相=8日午前、農水省(竹之内秀介撮影)

『週刊文春』(9月4日号)、真っ白い表紙に「和田誠さん、48年間ありがとうございました。来週から表紙が変わります」。

とうとう終わってしまうのか。

48年前、田中健五さん(後の文芸春秋社長)が編集長に就任、それまで立木義浩さんが撮っていた表紙が和田誠さんのイラストに代わった。

当時、ぼくは一番下っ端のデスク。「エアメール」と題された和田さんのあの表紙原画が出来上がってきた時の驚きと感動は今も忘れない。

素晴らしい表紙だった。

田中編集長が打ち出した「クレディビリティ(信頼性)ある週刊誌」に、まさにぴったりの表紙だった。

あれから48年か。往事茫々(ぼうぼう)。

今号で東海林さだおさんの連載マンガ「タンマ君」が終わってしまうのも残念。

『週刊新潮』(9月4日号)、トップは「新米高騰、凶作危機で露呈した『小泉進次郎農相』の大罪」。

新米が出回り始めて供給量が増える時期だというのに―。

①コメの値段は2週連続で高値を更新。高知県産の『よさ恋美人』の新米が店頭価格5キロで7800円。コシヒカリの新米でも5キロ4800円など昨年より1・5倍から2倍。

②なのに8月末までに売り切る約束だった備蓄米は全体の3割、10万トンが出荷できていない。

③しかも猛暑と水不足で凶作が予想される。

このすべてを小泉農水相に押しつけて「大罪」というのはちょっと気の毒。

問題は石破茂首相の去就だ。

なぜか内閣支持率が急上昇。本人、全く辞める気はなさそうだが―。

『文春』「石破首相! コメ、人事どうするの?『今は外交以外、何も考えられない』」によると。

<「参院選総括(9月2日)後に森山氏(幹事長)が辞任を表明すれば、選対委員長の木原誠二氏や政調会長の小野寺五典氏、総務会長の鈴木俊一氏らも続く可能性がある。その場合、石破首相は党四役すら選出できず、石破体制は行き詰る」(政治部デスク)>

ぜひ、そう願いたいものだ。

『ニューズウィーク日本版』(9・2)大特集「健康長寿の筋トレ入門」は永久保存版。 (月刊『Hanada』編集長)

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