スーパーアースとスーパーヴィーナス。系外惑星「ケプラー 69c」から読み取るその違い【今日の宇宙画像】
【SAPOD】今日の「宇宙画像」です。soraeが過去に紹介した特徴的な画像や、各国の宇宙機関が公開した魅力的な画像、宇宙天文ファンや専門家からお寄せいただいた画像を紹介しています。(文末に元記事へのリンクがあります)
(引用元:NASA)
地球より大きな岩石惑星は一般に「スーパーアース」と呼ばれますが、金星のように高温で厚い大気をまとう 「スーパーヴィーナス」 という区分も提案されています。
今回は、はくちょう座の方向およそ2700光年先に位置している太陽系外惑星「ケプラー 69c」の想像図をご紹介します。
- Image Credit: NASA/Ames/JPL-Caltech
- NASA - PIA17003: Super-Venus (Artist Concept)
ケプラー 69cは、2013年の発見当時、恒星ケプラー 69のハビタブルゾーン(居住可能領域)内にあるスーパーアース候補として大きな注目を集めました。しかし恒星の性質が後に再解析され、強い温室効果で表面温度が大きく上昇している可能性から「スーパーヴィーナス(※)」に区分されました。
※…スーパーヴィーナスは、天文学における正式な国際分類ではありません。
スーパーアースとスーパーヴィーナスはどちらも質量・半径が地球を上回る岩石惑星で、誕生直後には厚い大気と液体の水を保持していた点が共通しています。進化の過程で、海洋と大気が安定したものがスーパーアースとなり、恒星からの強い放射で温室効果が暴走したものは灼熱のスーパーヴィーナスへと分岐します。
これは、質量や組成が近い「双子惑星」と言われる地球と金星が、最終的にまったく異なる環境へ進化したのと同じ構図です。
編集/sorae編集部