ロシアは中国に「完全に依存」、引き剥がし狙う-ルビオ米国務長官
米国のルビオ国務長官は、ロシアと中国との間に不和の種をまくことなく両国の関係を希薄化させたいと述べ、ロシアの中国との緊密な関係を管理する米国の戦略を打ち出した。
ルビオ氏は保守系メディアのブライトバート・ニュースに対し、ロシアについて「中国との関係から引き剥がすことに完全に成功するかはわからない」としつつ、「中ロを対立させることが世界の安定に有益だとも思わない。両国とも核大国だからだ」と語った。
一部のアナリストはトランプ大統領のロシアに対する最近の歩み寄りを、ニクソン元大統領とは逆のやり方で中ロを分断させる試みだと捉えてきた。ニクソン氏は約53年前に歴史的な中国訪問を果たし、ソ連の世界的な影響力を突き崩すとともに中国を米国に引き寄せ、その後数十年にわたって国際的なパワーバランスをシフトさせた。
中国政府はウクライナでの戦争終結を巡り米国と協議したロシアを称賛したが、米ロの雪解けが中国にとって何を意味するかは明らかでない。中国の習近平国家主席とロシアのプーチン大統領は2022年のウクライナ全面侵攻開始直前に「制限のない」友好を宣言し、国際舞台での対米姿勢で団結している。
中国外務省の林剣報道官はルビオ氏の発言に反論し、中ロの関係はいかなる第三者によっても影響されないと主張した。
同報道官は27日、北京で開いた定例記者会見で「中ロの間に不和の種をまこうとする米国の試みは失敗に終わる」と述べ、「中国とロシアはいずれも長期的な発展の戦略と外交政策を持つ。国際情勢がどう変化しようとも、中ロ関係は独自のペースで前進していくだろう」と続けた。
「完全に依存」
ルビオ氏は、ロシアが中国の「恒久的なジュニアパートナー」となり、2つの核大国が米国に立ち向かってくるようになるのなら、中ロ関係の緊密化は米国にとって問題になると警告。米国主導の制裁で孤立するロシアはここ数年、中国市場へのアクセスによって経済を維持することができ、習氏はプーチン氏に外交的なシェルターを提供している。
「ロシアが対米関係の改善を望もうが望むまいが、同国は完全に中国に依存するようになってしまったためにそれができない状況に陥っているかもしれない。それは、われわれがロシアを切り離したからだ。米国にとってより良い結果は、関係を築くことで生まれる」とルビオ氏は論じた。
原題:Rubio Says US Can’t Let Russia Become China’s ‘Junior Partner’(抜粋)