専門家「イランは戦争長期化に備えている」 長期戦を嫌う米国が攻撃中止に追い込まれる可能性は #エキスパートトピ

イランの首都テヘランで上がる黒煙(2026.3.7)(写真:ロイター/アフロ)

英ロンドン・スクール・オブ・エコノミクスのファワズ・ゲルゲス教授は「イランは長期の戦争に備えている…今後時間を稼いで持久戦に持ち込もうとするだろう」と指摘する。

物量や兵力では米国が圧倒していて、その意味では長期化するほどイランはジリ貧になる。さらにイランでは、かつてない大攻撃で現体制が動揺する可能性もある。

ただし、長期化すれば米国も政治的にジリ貧になりやすい。

トランプ大統領は「4〜5週間、あるいはもっと」と述べているが、開戦直後から支持率の低い戦争が長期化すれば、米国は攻撃中止に追い込まれる公算が高い。

ココがポイント

(前略)I think they are preparing for a long war," he added(後略)出典:dw.com 2026/3/5(木)

ブレント原油価格はこの日、9%を超えて上昇し、1バレル当たり93ドルを突破。2023年秋以降で最も高い水準となった。出典:BBCニュース 2026/3/7(土)

MAGAを自称するマージョリー・グリーン元議員は、トランプを「嘘つき」「アメリカ・ラスト」と酷評している。出典:六辻彰二 2026/3/2(月)

Iranian government airs footage of pro-regime demonstrations

エキスパートの補足・見解

多くの世論調査によると米国市民の約6割が戦争反対で、トランプの本来の支持基盤、「米国第一」のMAGAも例外ではない。

これを後押しするのが原油価格高騰だ。開戦からの1週間で国際的な原油価格は40%近く上昇し、週末には1バレル90ドルを超えた。

厭戦ムードが高まれば、戦争支持の共和党議員が11月の中間選挙で苦戦を強いられるだろう。トランプは以前から中間選挙で共和党が敗北すれば自身が弾劾されかねないと警戒している。

これに対してイランでは体制批判のデモが封じられたままで、最高指導者ハメネイの死亡を受けた政府主催の追悼集会に数千人が集まるなど、現状では現体制の統制がまだ生きている。

ただし、たとえ生き延びても現体制の今後には不確実性が残る。

さらにイランには兵器の「在庫切れ」の可能性がある。イランは3月1日だけで約2000機のドローンを投入した。

もっとも、その多くはイスラエルより周辺諸国の米国施設に向けてのもので、カタールなどが調停に乗り出したこともあり、国外への空爆は減少した。

開戦前、イスラエル情報機関はイランのドローン生産能力を月産5000機とみていた。イランがどの程度生産設備を防衛するかは、一つの分水嶺になり得る。

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