【欧州サッカー】鈴木彩艶ら5大リーグで奮闘の日本人 福田正博があげる期待&心配な選手たち
福田正博 フットボール原論 ■欧州サッカーの新シーズンが始まり、各チームで日本人選手たちが奮闘している。各選手のシーズン序盤のプレーぶりを、福田正博氏に評価してもらった。 【画像】2026-27欧州サッカー注目クラブのフォーメーション 【注目されている鈴木彩艶】 イングランドのプレミアリーグ、スペインのラ・リーガ、ドイツのブンデスリーガなど、欧州サッカーの5大リーグが開幕し、日本人選手たちも躍動している。ただ、昨シーズン、北中米W杯を経て、多くの日本人選手がステップアップ移籍を果たすのではと予想されていたが、蓋を明けてみれば望んだような形で新チームに移籍を遂げたのは、鈴木彩艶くらいだったのではないか。 移籍は選手の力量だけで決まるものではなく、各クラブの同じポジションの選手などとの兼ね合いも強く影響する。そうした側面を改めて実感した。 鈴木はイタリア・セリエAのパルマからプレミアリーグのアストン・ヴィラに移籍した。昨シーズンの順位で比べればパルマはリーグ13位、アストン・ヴィラはリーグ4位で、今季はチャンピオンズリーグ(CL)に出場している。 移籍決定後のチーム合流が間もなかった開幕戦こそ出場しなかったが、第2節のアーセナル戦でプレミアリーグデビューしてからは、レギュラーでゴールマウスを守っている。CLにも第1節のクラブ・ブルッヘ戦でスタメン出場して、3-2の勝利に貢献した。 目を見張るのがロングフィードの精度の高さだ。鈴木からのパスがピンポイントで前線につながり、チャンスが生まれるシーンが何度もある。持ち味を新天地でしっかり発揮できているのは頼もしい限りだ。ただ、ファインセーブでゴールを防ぐシーンがあるものの、チームとして失点の多さは気になるところだ。チーム合流が開幕直前だった影響もあるのだろうが、試合を重ねながらDF陣との連係を高めて、ゴールを防ぐ場面でも鈴木らしさを見せてもらいたい。
【上田綺世は結果にこだわってほしい】 CL組では、上田綺世も移籍期間の終了間際にオランダ・エールディビジのフェイエノールトからフランス・リーグアンのリールへの移籍がまとまった。 昨季はエールディビジの得点王になり、今季はプレミアリーグへの移籍を視野に入れていたようだが思うように移籍がまとまらず、フェイエノールトで迎えた新シーズンで4戦3得点。移籍が決まったのは第4節で3試合連続得点を果たした2日後だった。エールディビジでしっかり結果を出したことで、最後に道が開けたのかもしれない。 リールでは合流初戦となったトゥールーズ戦に途中出場すると、値千金の決勝ゴールを決めた。攻撃的なポジション、特にストライカーにとって、ゴールという目に見える結果をすぐに出せたのは大きかった。リーグアンデビュー戦の5日後に行なわれたCLのベティス戦では先発起用され、CL初ゴールを決めた。続くリーグアンでもスタメンで起用されている。 ただ、結果がすべてだ。最初にゴールを決めてチャンスをモノにしたからといって、いつまでもスタメン起用が保証されるわけではない。得点を積み重ねていかなければ、すぐにポジションを失ってしまう厳しい世界だ。それだけに結果にこだわってプレーしてもらいたい。 それにしても上田は、大器晩成型なのだとつくづく思う。大学時代からそのポテンシャルが注目されていたが、鹿島アントラーズ時代や2022年のカタールW杯あたりまでは、上田が活躍しても「もっとやれるはずなのに」と彼への期待とのギャップばかりに目が行った。 だが、いまは期待のはるか上を行っている。まだまだ成長の余地を感じさせるだけに、リーグアンとCLでしっかりと結果を残してもらいたい。それができればさらなるステップアップへの扉は開くはずだ。