米コロンビア大の学生逮捕、親パレスチナデモに関与
[ニューヨーク 9日 ロイター] - 米国土安全保障省・移民税関捜査局は8日、ニューヨークのコロンビア大学で親パレスチナ派の抗議活動に関与したとして大学院生1人を逮捕した。学生団体が9日明らかにした。
逮捕されたのはコロンビア大学国際公共政策大学院の院生で、米国永住権(グリーンカード)を持つマフムード・カリル氏。複数の報道によると、同氏の妻は米国市民で、現在、妊娠8カ月という。
トランプ大統領は、親パレスチナ派の抗議活動を反ユダヤ的と非難、抗議活動に関与した一部の外国人学生を強制送還することを公約に掲げている。カリル氏はこうした取り組みで最初に逮捕された学生の1人とみられる。
米国の大学ではイスラエルがパレスチナ自治区ガザを攻撃したことを受けて、親パレスチナ・反イスラエルの抗議活動が続いている。
カリル氏は抗議活動は反戦運動であり、ユダヤ人も参加していると主張。大学構内を占拠したグループには加わらず、親パレスチナ派の学生を代表して大学側との交渉に当たっていた。
オンラインに掲載された経歴書によると、カリル氏はシリアのパレスチナ難民キャンプで育ち、ベイルートの英国大使館に勤務していた。
ルビオ国務長官はソーシャルメディアで「米国にいる(イスラム組織)ハマス支持者のビザ(査証)やグリーンカードを取り消し、強制送還する」とコメントした。詳細には触れなかった。
国土安全保障省はソーシャルメディアへの投稿で、カリル氏が「ハマスと連携した活動を主導した」ため逮捕したと述べたが、詳細は明らかにしなかった。
米国の法律では、ハマスなど米政府がテロ組織に指定した団体に対する「物質的支援や資源」の提供を禁止しているが、テロ組織と「連携した活動」については定義も禁止もしていない。
国務省と国土安全保障省は、カリル氏がハマスに物質的な支援を行ったり、他の犯罪に関与したとは主張していない。
ニューヨーク自由人権協会は、カリル氏の拘束について、違法な報復であり、言論の自由に対する攻撃だと表明。「トランプによる親パレスチナ言論弾圧の恐るべきエスカレーションであり、移民法の強引な乱用だ」と述べた。
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