絆さらに強く…改称の日台友好議連は「台湾有事起こさせぬ」 対中刺激の報道「お門違い」

記者団の取材に応じる日本台湾友好議員連盟の古屋圭司会長=6月11日午後、東京都千代田区(奥原慎平撮影)

設立から53年を迎えた台湾との関係強化を目指す日華議員懇談会(日華懇)は11日、東京都内のホテルで総会を開き、名称を「日本台湾友好議員連盟(日台友好議連)」に変更すると発表した。名称変更は発足以来初めて。議連の古屋圭司会長(自民党)は「ようやく本来あるべき姿に変えることができた」と意義を強調した。台湾の要人も駆け付け、日台の〝絆〟を確認する場となった。

議連所属は321人過去最多

ビデオメッセージを寄せた台湾の頼清徳総統=6月11日

「台湾有事を絶対に起こしてはならない」

台湾の頼清徳総統はビデオメッセージを寄せ、昨年度の総会で示された基本方針を挙げ、「ゆるぎない支持に深く感動し、心より感謝している。台日友好がさらなる発展を遂げますように」と訴えた。

議連は日本が台湾と断交を余儀なくされた翌年の1973年に自民党の有志議員で発足した。その後、超党派に改組され、現在の所属議員は321人に達した。この1年で約30人増加し、過去最多を更新したという。

この日の総会では、日本の学校教科書が台湾を「中国の領土」と受け取られかねない形で表記している問題についても、是正を図る方針などを台湾側に伝達した。

台北駐日経済文化代表処の李逸洋代表(右)=6月11日午後、東京都千代田区(奥原慎平撮影)

「歴史的一歩」

台北駐日経済文化代表処の李逸洋代表(大使に相当)は日華懇の名称変更について「歴史的な一歩だ。長年の友情を基盤に日台関係がさらに深化し、発展していくことを象徴する」と歓迎した。

〝サプライズゲスト〟として台湾総統府報道官の郭雅慧氏も登場した。

郭氏は、日台友好議連について「単なる名称変更ではなく、台湾の民主主義、台湾の人々、そして台湾の主体性を認め、高く評価することでもある」と述べ、謝意を示した。「台湾は永遠に、日本にとって最も親しい家族であり続け、理念を共有する民主主義国とともに、世界の自由、民主、平和、繁栄を守り続けていく」と訴えた。

日本にとって台湾は「家」

「台湾にとって一番の友人である皆さま、いつでも台湾という『家』に帰ってきてください」と呼びかけた。

日本台湾友好議員連盟の所属議員=6月11日午後、東京都千代田区

旧・日華懇はこれまでも具体的な形で日台交流を後押ししてきた。

新型コロナウイルスの感染拡大期には、日本から台湾へのワクチン提供を支援したほか、2021年に中国による台湾産パイナップルの輸入停止措置を受けて台湾農家への支援を展開。台湾の世界保健機関(WHO)や国際民間航空機関(ICAO)などへのオブザーバー参加についても、繰り返し支持を表明してきた。

また、法務省は2025年5月から戸籍の「国籍・地域」欄に「台湾」と記載できるよう制度を改正し、従来の「中国台湾」表記を改めた。

「強い絆で結ばれる」

一方、今回の議連の名称変更を巡っては、調整段階で「中国が反発する可能性」を指摘し、疑問視する論調の報道もみられた。

古屋圭司・議連会長は総会後、記者団に「まったくお門違いだ。ごく自然な流れだ」と反論。2017年に対台湾窓口機関「交流協会」が「日本台湾交流協会」に名称を変更した経緯を挙げ、「政府は10年近く前に名称を変えている。それも批判するのか。ちょっと論評に値しない」と戸惑いを見せた。

一方で、日台が育んだ友好関係については、こう自信をのぞかせた。

「民主主義や基本的人権の尊重といった共通の価値観を持つパートナー同士だ。強い絆で結ばれている。台湾の皆さんの日本への好感度は高く、日本の人たちの台湾に対する好感度も高い」

(奥原慎平)

日華懇の取り組みに李逸洋代表が謝意全文

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