「納得がいかなかった」 柏原明日架ら複数の選手が女子プロ協会に意見の申し立て
◇国内女子◇明治安田レディスゴルフトーナメント 2日目(18日)◇仙台クラシックGC (宮城)◇6642yd(パー72)◇晴れ(無観客)
開幕前日にクマが出没した会場で、1日遅れで大会を開催(無観客)したことを受け、柏原明日架をはじめとする複数の選手がスタート前に主催の日本女子プロゴルフ協会(JLPGA)に意見を申し立てた。ホールアウト後、柏原は「(前日までに)頂いた資料を見ても納得がいかなくて、安全性が本当に確認できているのかという話を聞きに行った」と話した。
プロアマ戦が組まれた16日(水)にコース内でクマが目撃されると翌日の競技を中止にすることを発表。富谷市職員4人、地元警察2人、猟友会3人による巡回も行われ、安全確保と対応策の検討が進められたという協議のもと、17日に無観客での開催が決まった。
選手らへの通達もメディアを通じて発信されたのと同じ時間帯に行われ、「記事で『無観客での開催が決定』だけを見てしまうと、私たち選手のことも考えてくれているのかな?って疑ってしまう。(今回は)私以外にも直接話を聞きに行った選手は数名いたけど、直接JLPGA側に言葉を伝えられない選手もいる。協会をはじめ(タイトルスポンサーの)明治安田さんも、大会スタッフの方々も安全性をどうしたら確保できるのかを考えて導いた答えのはずなのに、それが選手にうまく伝わっていないのはすごく悲しい話だなって。私たちも、話を聞いて『あ、本当に安全なんだ』って思えた」とコミュニケーションの必要性を訴えた。
この日はアウトの最終組となる午後12時49分にティオフして4バーディ、4ボギーの「72」でプレーした。ラウンド中はプレーに集中できたと言い、「話を聞いて良かったなっていう風に思うし、菅沼菜々ちゃんも話を聞かなかったら欠場していたかもって言っていて。『怖いな』って思う選手もいっぱいいたと思う。協会側からも今後のためにもヒアリングはやっていきたいっていう声はもらえた。いろんな人たちがいろんな所に疑問を抱く中で、それを一個一個解決していくのは無理だというのは分かっているし、中止にしたくない気持ちはみんな一緒なのでリアルな選手たちの声をくみ取ろうというアクションをしてほしい」と一選手としての声を上げた。
第1ラウンド終了後、大会側は「安全対策実施報告」を公表した。午前6時から7時と午後4時から5時にかけて猟友会スタッフ3人によるコース外周の見回りが行われたほか、コース外周付近に計8台のラジオを設置。コース内では約50人の巡回監視員を配置し、全スタッフがトランシーバーで連絡ができる体制を整えた。
また、2番2打目地点で発見された動物の糞も回収し、大会は「ゴルフ場スタッフおよび猟友会に確認をして大きさ、形状からタヌキ、ハクビシン、アナグマいずれかの糞で間違いないとの見解を得た」と発表。クマの出没情報は「ございませんでした」と報告した。あす19日以降も同様の安全対策を講じて第2ラウンドを実施する。(宮城県富谷市/石井操)
・鳥獣被害対策実施隊(猟友会)がコース外周を見回る 3名体制で午前6時から7時、午後4時から5時にかけて実施
・コース外周で爆竹を鳴らす 午前5時にゴルフ場スタッフが各所で実施、全組ホールアウト後にもゴルフ場スタッフが順次実施
・コース外周付近にラジオを設置して競技開催中も音を鳴らす アウト、インそれぞれ4台の計8台を設置
・コース全周を囲う獣侵入防止フェンス沿いに獣が嫌う匂いを散布 ゴルフ場スタッフが17日から順次実施
・コース内に監視員を設置 約50人の巡回監視員を設置
・万が一、クマが出没した場合に備えて速やかに大会本部、選手、関係各所に連絡が取れる体制 コース内に配置した全スタッフにトランシーバーで連絡が取れる体制を構築
・万が一クマが出現した場合に備えた緊急避難車両 避難車両4台、カート36台を全ホールのグリーンサイドに配置