Snapdragon X2 Plusが来た!Eliteとは異なる小型ダイで登場。性能も明らかに
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Qualcommは1月5日(現地時間)、「Snapdragon X2 Plus」を発表した。昨年9月に登場したSnapdragon X2シリーズのミドルレンジ版となる。
Snapdragon X2 Plusには、CPUが10コアのX2P-64-100と、6コアのX2P-42-100の2種類のSKUが用意されており、すでに発表済みのSnapdragon X2 Elite Extreme/X2 Eliteの2SKUと合わせて4つが揃ったことになる。
Qualcommが2023年に発表した「Snapdragon Xシリーズ」には、最上位のSnapdragon X Elite、ミドルレンジのSnapdragon X Plus、ローエンドのSnapdragon Xという3つのサブブランドが用意されており、価格帯を分けることでより幅広い市場のノートPCに対応できるようになっていた。
昨年9月のSnapdragon Summit 2025で発表された「Snapdragon X2シリーズ」では、Snapdragon X2 Elite Extreme、Snapdragon X2 Eliteという最上位の「Elite」は発表されていたが、今回になってミドルレンジのX2 Plusが出てきたかたちとなる。
上位モデルとの大きな違いはCPUコアの構成とGPUだ。10コアとなるX2P-64-100は、プライムコアが6コア、パフォーマンスコアが4コアとなっており、X2 Eliteの「X2E-80-100」の12コア(6プライムコア、6パフォーマンスコア)と差別化されている。X2P-42-100はプライムコアが6コアになっており、パフォーマンスコアは搭載されていない。
GPU(Adreno X2)は、X2 Elite Extreme/X2 EliteがX2-90/85となっているのに対して、X2 PlusではX2-45だ。Adreno X2ではスライスと呼ばれるGPUの演算器などが1つのブロックにまとめられており、そのスライス単位で増減できるようなアーキテクチャになっている。
Qualcommによれば、今回のX2 PlusのX2-45ではスライスが2スライスになっており、X2-90/85の3スライスと比較して、演算器などがざっくり3分の2になっていることが違いとなる。
10コアのSnapdragon X2 Plus(X2P-64-100)は、従来世代となるSnapdragon X Plus(X1P-64-100)と比較して、CPUのシングルスレッド性能が35%、マルチスレッド性能が17%、GPU性能が29%、NPU性能が78%向上しており、電力効率は43%向上しているという。
6コアのSnapdragon X2 Plus(X2P-42-100)は、Snapdragon X Plus(比較対象のSKUは不明)と比較してシングルスレッドが35%、マルチスレッドが10%、GPU性能は29%、NPUは78%性能が向上していると説明されている。
Qualcommによれば、Snapdragon X2 Plusを搭載したノートPCは、2026年の前半中にOEMメーカーなどから出荷が開始される見通しであるという。
今回のCESでは、Snapdragon X2シリーズを搭載したデバイスが多数発表される予定になっているが、そのパートナーとして選ばれたのがHPだ。
HPはQualcommの発表に合わせて、Snapdragon X2 Eliteを搭載した「HP OmniBook Ultra 14」を発表している。特徴的なのはNPUの性能が85TOPSに高められた特別なSKUが採用されていることだ。
HPによれば、85TOPSのSnapdragon X2 Eliteは、18コアのX2E-90-100、12コアのX2E-84-100で、いずれもNPUが85TOPSになっている。HPが発表したスペックとQualcommが発表した標準スペックの違いを表にすると以下のようになる。
HPは以前にもRyzen AI 300シリーズを採用するときに、NPUの性能を55TOPSに引き上げたHP向けの特別SKUを提供してもらった例がある。また、Qualcomm自身も、Surfaceに採用されたMicrosoftブランドのSQ1/SQ2で、クロック周波数を高めたバージョンをMicrosoftに提供した例がある。今回の両者の提携はそうした過去の延長線上にある取り組みと言えるだろう。
前述の通り、Snapdragon X2 Plusは、2つのSKUから構成されており、10コア(6プライムコア、4パフォーマンスコア)のX2P-64-100、6コア(プライムコアのみ)のX2P-42-100がある。
そして今回、10コア版のX2P-64-100を搭載したQualcommのリファレンスデザイン機を利用したベンチマーク結果が公開された。
Cinebench 2024のシングルスレッドはSnapdragon X2 Elite ExtremeのX2E-96-100が161~162であるのに対して、Snapdragon X2 PlusのX2P-64-100は134となっており、このあたりはクロック周波数の差と考えられる。
マルチスレッドのほうはX2E-96-100が1842~1956で、X2P-64-100は半分程度の993-1015になっている。このあたりはコア数の違いだと理解できる。
GPUテストの3DMarkの結果も同様で、Solar Bayも、3DMarkのSteel Nomad LightもSnapdragon X2 Eliteに比べて、Snapdragon X2 Plusはおおむね3分の2程度になっており、こちらはシンプルにスライス数が減ったためだと考えられる。
なお、Microsoft Officeを利用したProcyon/Office Productivityではあまり性能は落ちていない。こちらはどちらかと言うと、シングルスレッド時の性能とメモリレイテンシが効いているテストであるため、Cinebenchのシングルスレッドの結果と同じような結果になっていると考えられる。
なお、QualcommはSnapdragon X2 Plusのダイが、Snapdragon X2 Eliteのダイとは別のダイかどうかについて「ノーコメント」と述べたが、ベンチマークを公開した場ではSnapdragon X2 Plusのリアルなダイを公開している。同所にはSnapdragon X2 Elite Extremeのパッケージも用意されており、直接大きさを比較可能だった。
それを見る限り、Snapdragon X2 Elite Extreme(X2E-96-100)に搭載されているダイ(パッケージの違いはあるがほかのSnapdragon X2 EliteのSKUでも同じダイだと考えられる)は、Snapdragon X2 Plus(X2P-64-100)のダイに比べて大きかった。このため、Snapdragon X2 Plusのダイは、ミドルレンジ用に開発されたより小型のダイだと考えて良いだろう。