里実さんパワハラ自殺事件…ディーアップ化粧品社長の名前は誰?D

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異例の調停決定内容

2025年9月9日、東京地方裁判所において、化粧品メーカー「ディー・アップ」(東京都港区)で起きたパワーハラスメントによる女性社員自殺事件について、画期的な調停決定が下された。会社側が責任を認め、1億5000万円の調停金支払い、そして社長辞任という異例の内容が盛り込まれた決定となった。

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この決定は、企業の最高責任者が自らの行為の責任を取って辞任するという、日本のパワハラ裁判史上でも稀に見る厳しい内容となっている。

被害者・里実さんのプロフィールと人物像

里実さんの人物像

亡くなった里実さん(本名は遺族の意向により非公表、当時25歳)は、明るい性格で化粧品への深い愛情を持つ女性だった。高校生の頃から化粧品に興味を持ち始め、大学時代の日記には「30歳には自分の化粧品会社をつくる」という夢を記していた。

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家族構成・教育背景

里実さんは両親と姉の4人家族で育った。詳細な出身校は公表されていないが、大学卒業後の2021年4月にディー・アップに新卒入社した。化粧品の開発にも関わりたいという強い願いから、複数の化粧品メーカーの面接を受けた末にディー・アップを選んだ。

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夢への情熱

母親によると、入社が決まった時の里実さんは「自分が思った会社に採用してもらえて本当に喜んでいました」と語っている。薬局に一緒に行った際には、会社の商品を手に取って「弊社の商品です。手に取って見てください。よいものだと分かっていただけると思います」と笑顔で話していたという。

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パワハラの詳細経緯と心理的影響

事件の発端(2021年12月)

里実さんは2021年4月の入社から8ヶ月後の12月、上司とのトラブルが生じた。同年12月23日、坂井満社長が里実さんを社長室に呼び出し、先輩社員の言い分を一方的に信じた状態で約50分間にわたって叱責を行った。

具体的なパワハラ発言内容

社長から浴びせられた言葉は以下の通りであった

  • 「おまえ、とぼけんな、そういう格好で。お前大人をなめるなよ」
  • 「会社をなめるな」
  • 「終わり。おまえ、一回帰っていいよ。自宅待機」
  • 「世の中でいう野良犬っていうんだよ」
  • 翌日にも「力のない犬ほどほえる」
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里実さんの心境と家族への影響

この日の帰宅後、里実さんは両親に対して「社長に野良犬って言われちゃった。ごめんね。私が野良犬だと、ママやパパも野良犬って言われたってことだよね」と話した。この発言から、里実さんが自分だけでなく家族まで侮辱されたと感じ、深く傷ついていたことがうかがえる。

姉にLINEで「精神的にしんどい」「とりあえずじっとしている」とメッセージを送ることもあり、姉は「つらい思いを話さない人なので、初めてでした。症状が重かったのだと思います」と証言している。

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里実さんの病状悪化と

うつ病発症と休職

2022年1月、里実さんはうつ病と診断され休職した。自宅で涙を流すことがたびたびあったが、家族に対しては明るく接していたという。

会社からの一方的な解雇通知

休職から約半年後の2022年7月、会社側は休職期間満了を理由に里実さんに一方的に解雇を通知。8月15日には「健康保険被保険者証を返納すること」「今後保険証を使用すれば不正使用とみなし、詐欺罪として警察に相談する場合がある」という書面まで送付された。

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自殺未遂と死亡

2022年8月24日、里実さんは自宅で自殺を図った。一命をとりとめたものの意識は戻らず、2023年10月に25歳の若さで亡くなった。

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坂井満前社長のプロフィールと経歴

経営者としての実績

坂井満氏は株式会社ディー・アップの社長として長年同社を率いてきた。同社は1992年創業で、2020年時点で売上高約60億円を目指すなど業績は好調だった。同氏は業界誌のインタビューで「創業からの歩みを振り返ると、満足している部分もあれば、不満な部分もある」と語っていた。

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辞任とコメント

2025年9月10日付で社長を辞任した坂井氏だが、具体的な謝罪コメントは個人としては公表されていない。会社として「亡くなられた元従業員とご遺族に対して衷心よりおわび申し上げます」という謝罪を発表している。

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遺族のコメントと想い

姉の心境

記者会見で里実さんの姉は次のように語った: 「生きている間に社長に謝ってほしかったです。里実は頑張り屋さんで、好きなことに一生懸命でした。頑張っている人を潰すようなことはやめてほしいし、温かく見守る社会になってほしいです」

「妹は将来、化粧品の会社を起業しようと夢に向かって一生懸命頑張っていました。本来、謝罪を受けるべき妹は亡くなっていますが、良い結果になったと伝えたいと思います」

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両親の願い

父親は「会社をいくら憎んでも里実が帰ってくるわけではありません。将来の新入社員のためにも二度とこういうことがないようにしてもらえたらと切に願っています」と述べた。 

母親は「里実は悪くなかったよ、正しかったよ、間違っていなかったよという結果だと思います」「安全で職場環境の良い会社が増えるよう心から願っております」とコメントを寄せた。

裁判の流れ(時系列)

2021年4月:里実さん、ディー・アップに新卒入社

2021年12月23日:坂井社長による約50分間のパワハラ面談

2022年1月:里実さん、うつ病と診断され休職

2022年7月:会社側、休職期間満了を理由に解雇通知

2022年8月24日:里実さん、自殺を図る

2023年6月15日:遺族側、労働基準監督署に労災申請

2023年7月14日:遺族側、東京地裁に損害賠償請求訴訟を提起

2023年10月1日:里実さん死亡

2024年5月24日:三田労働基準監督署、パワハラによる労災認定

2025年5月:会社側から和解提案、民事調停に移行

2025年9月9日:東京地裁、調停決定を出す

2025年9月10日:坂井満社長辞任

2025年9月11日:遺族側記者会見

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パワハラ・自殺関連の裁判事例

電通過労自殺事件(高橋まつりさん)

概要: 2015年12月、電通の新入社員高橋まつりさん(当時24歳)が長時間労働とパワハラにより自殺

経緯:

  • 2016年9月:労災認定
  • 社会全体でのワークスタイル改革議論の契機となった
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ワタミ過労死事件(森美菜さん)

概要: 2008年6月、ワタミ社員森美菜さん(当時26歳)が過労により自殺

裁判の流れ:

  • 2013年12月:遺族が提訴
  • 2015年12月8日:東京地裁で和解成立
  • 和解金:約1億3365万円
  • 創業者の渡辺美樹氏も法的責任を認め謝罪

トヨタ自動車パワハラ自殺事件

概要: 2017年、トヨタ自動車の男性社員(当時28歳)がパワハラにより自殺

経緯:

  • 2019年:豊田労働基準監督署が労災認定
  • 2021年6月7日:トヨタ側が責任を認め遺族と和解
  • 豊田章男社長が直接謝罪
  • 人事評価制度の見直しを実施
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企業の再発防止策と社会的意義

ディー・アップの取り組み

会社は以下の再発防止策を発表:

  • ハラスメント防止規定の見直し
  • 管理職・全社員向け研修の実施
  • 社外相談・通報窓口の開設
  • 社内体制・職場環境の見直しと改善
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今回の事件の社会的意義

本事件は以下の点で重要な意味を持つ

社長辞任という異例の結末: パワハラの責任を取って最高責任者が辞任するという、企業統治の観点から画期的な事例

高額な調停金: 1億5000万円という金額は、パワハラ事件としては高水準であり、企業への抑制効果が期待される

労災認定の迅速化: 申請から約1年で認定されるなど、労災認定手続きの改善が見られる

社会への警鐘: パワハラが人命に関わる深刻な問題であることを改めて社会に示した

この事件は、日本の職場環境改善とパワハラ防止に向けて、重要な一歩となることが期待される。企業経営者には、従業員の人格を尊重し、安全な職場環境を提供する責任があることを改めて示した事例として、長く記憶されることになるだろう。

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