追加利上げ、直近の短観織り込み「都度判断」=中川日銀審議委員
8月28日、日銀の中川順子審議委員は、センチメントや設備投資計画を確認するものとして日銀短観が「極めて重要」との認識を示した。写真は昨年3月、都内の日銀本店で撮影(2025年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)
[下関市(山口県) 28日 ロイター] - 中川順子日銀審議委員は28日の金融経済懇談会後の記者会見で、センチメントや設備投資計画を確認するものとして短観(全国企業短期経済観測調査)が「極めて重要」との認識を示した。追加の利上げ判断に向けては「直近の短観の結果を十分に織り込んだうえで、決定会合で都度、判断していきたい」と述べた。
短観について中川審議委員は「短観はきわめて大事な調査と認識している」と語った。「センチメントや設備投資の計画を確認することができる」との認識も示した。
利上げ判断に関しては「常に、毎回の決定会合においてその時までに出た、把握できる最大限の情報やハードデータをもとにして判断していく」と言及。「短観も発表が間に合えば、それも当然織り込んでいく」と述べた。
次回短観が発表される10月初旬までは判断を待つのかとの質問には「直近まで出ている最新の短観のデータをベースにして、そこに各支店から集めてくれるソフトデータを加味することによって、補った形で判断していくこともあり得る」とした。
年内の利上げ観測に伴う長期金利上昇に関しては「長期金利は、基本的には市場で自由な形で形成されるもの」と述べるにとどめた。金利動向を巡り、中川委員は「経済・物価に対する見方、海外金利の動向、場合によっては、海外の金融当局の発言やそれを巡る思惑で変動するものと認識している」とも語った。
追加利上げが後手に回るリスクはないか、との問いに対しては「いまの時点でそれほど高くはない」と応じた。
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