EUからのチーズ・肉類、英国への持ち込み禁止! 空港の免税店で買ったものもダメ

■英政府は口蹄疫(こうていえき、FMD: foot and mouth disease)のまん延を防ぐため、EU圏からのチーズや肉製品の持ち込みを一時的に禁止する措置を導入した。英各メディアが報じた。この禁止措置はサンドイッチなどに挟まれたチーズや加工肉製品なども対象。すでに12日(土)から施行されており旅行者による持ち帰りができなくなっている。包装や梱包の有無、免税店での購入か否かにかかわらず、全てのチーズ・肉類製品が対象。

※生成AIによるイメージ画像です。

今回の措置はドイツ、ハンガリー、スロバキア、オーストリアにおける口蹄疫の感染拡大を受け、これらの国からの製品持ち帰りを禁止していた既存措置をEU全域に拡大したもの。口蹄疫は極めて感染力の強いウイルス性疾患で、動物の口腔内や蹄の下に水ぶくれを形成し、歩行困難や摂食障害を引き起こす。持ち込みが確認された製品は押収・廃棄される。「重大な違反」と判断された場合は最大5000ポンドの罰金が科される可能性がある。禁止対象となる主な製品は次のとおり。 ▶豚肉、牛肉、ラム、マトン、山羊肉、鹿肉。 ▶これらの肉を使用したソーセージなどの加工製品。

▶バター、チーズ、ヨーグルトを含む乳製品。ただし粉ミルクや医療上必要とされる特殊食・乳児用食品に限り1人あたり最大2キロまでの持ち込みが認められる。

なぜここまで厳しい措置が取られているのか。その理由は、2001年に英国で発生した口蹄疫の大流行にある。確認された症例は2000件程度だったにもかかわらず600万頭以上の羊や牛、豚が殺処分され、大損害が生じた。感染が確認された農場では全ての家畜を殺処分・焼却する措置が採られたため、損害規模が拡大した。感染が確認された湖水地方では観光客の出入りも禁じられたため、観光産業にも大打撃を与えた。By週刊ジャーニー (Japan Journals Ltd London)

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