「言うべき相手を考えて」小泉防衛相、防衛費増を批判する共産・山添氏に中国を名指し反論
小泉進次郎防衛相は15日の参院予算委員会で、防衛費増額を批判する共産党の山添拓氏に対し、「言うべき相手を考えてほしい」と反論した。中国を名指しして日本を上回る軍事費、防衛費の増強をしていると指摘した。
防衛費について山添氏は、「政府が憲法違反としてきた集団的自衛権のもとで、日米一体の戦争体制づくりが進められてきた。ヘグセス米国防長官は日本に軍事費の増額を求めてきた。日米の共同軍事演習も強化している。米軍と無関係の軍拡ではない」と主張した。
山添氏「増大した軍事費は世界平和につながらない」
高市早苗首相は「わが国は、わが国自身で守らなければいけない。これが基本だ」と述べ、日本が主体的に防衛力を高める姿勢を説明した。
関連して山添氏は、首相による台湾有事を巡る国会答弁を問題視した。「日本は台湾の法的地位を認定する立場にないというのが、政府が繰り返し表明してきた立場だ。2008年の日中共同声明は、日中は互いに脅威とならないと合意している。台湾問題で日本が軍事的に介入することは、日中間の合意の立場に反する」と述べ、首相の認識を尋ねた。
首相は「台湾を巡る問題が、対話により平和的に解決することを期待するというのが、わが国の一貫した立場だ」と答えた。
さらに山添氏は日中関係に関し、「今起きている対立と緊張は、首相の答弁がきっかけだ。あらためて撤回すべきだ」と訴えた。
また、国連が今年9月に発表した、世界の軍事支出と持続可能な未来に関する報告書をもとに、政府を追及した。報告書は、2024年の世界全体の軍事費が過去最高の2兆7千ドルとなる一方で持続可能な開発目標に達するための資金が不足していると指摘し、軍事費の増大が必ずしも平和と安定の増進につながらず、持続可能な開発目標の進捗を阻害しているとの見方を示している。
山添氏は「増大した軍事費は必ずしも世界の平和と安定の強化につながらないという指摘をどう受け止めるか」と述べた。
小泉氏「不正確な議論」
小泉氏は「是非、言うべき相手を考えていただきたい」と述べた。「例えば中国は、20年間で約7倍、軍事費、防衛費を増加させているし、この3年間で見ても、わが国の防衛費の伸びをはるかに上回る軍事費、防衛費を増強させている」と続けた。
さらに、「わが国の抑止力や対処力が向上しない中で、『日本を侵攻すれば取れる』とか、そういった誤解をさせてはならない。そのための防衛力の整備は、日本の抑止力を向上させることになると考えているので、丁寧に説明をして理解を得られるようにしていきたい」と強調した。
これに対し山添氏は「日本の軍備の拡張というのは限界がある。憲法9条の下での制約がある。周りがどうだからといって、いくらでもやっていいということにはならない」と反発した。
小泉氏は、山添氏とのこれまでの議論を踏まえ「よく日本のことを『ミサイル列島』(と表現する)など、他国の軍事費の増強を置いておいて、日本だけが一方的に増強させているかのような前提に立った議論(をするの)は不正確なので、まず前提の認識を合わせたうえで、議論したい」と求めた。
山添氏は「憲法9条について何らの言及もない。こんな危ういことはない。果てしない軍拡競争だ。国連の指摘を重く受け止め、大軍拡ありきを転換するよう強く求める」と述べ、質問を終えた。