“東海環状道”全線開通めど立たず 噴き出す大量の水は1時間に約400トン トンネル掘れない日も 残り約1.5キロメートルの工事難航
東海三県をぐるっとつなぐ「東海環状道」。全線開通目前ですが、実はめどが立たない状態なんです。最後のトンネル工事で障害となっているのは、「豊かな水」。 【写真を見る】“東海環状道”全線開通めど立たず 噴き出す大量の水は1時間に約400トン トンネル掘れない日も 残り約1.5キロメートルの工事難航 早さと便利さを求めて延び続ける高速道路。東海地方最後の懸案が、豊田から岐阜・三重を通って新名神につながる東海環状道。巨大なリングが完成すれば、物流や観光、渋滞の回避など大きな利便性への期待も。実際、工場の進出なども進んでいます。 (近隣住民) 「開通したら名神(高速)とかアクセスが良くなるので、名古屋とか行きやすくなる」 ことし8月には、岐阜県の本巣〜大野神戸間が開通し、残るは岐阜と三重の県境にまたがる養老〜いなべ間となりました。 ■残り約1.5キロメートルの工事が難航 ところが、大量の水に阻まれ工事が進まず、開通にめどが立たない状態が続いているのです。NEXCO中日本が撮影した工事現場の様子。岩盤から水が噴き出し掘削作業が出来ません。 (中日本高速道路 名古屋支社 岐阜工事事務所・室充所長 11月18日) Q.どれくらい堀り進められている? 「北側から約1.6キロ、南側から約1.5キロ掘っていまして、全体4.7キロのうち3.1キロは掘り進められている。工事は約1.5キロ掘削が残っている。それを日々掘削している」 この場所は、養老の滝でも知られ地域に豊かな水をもたらす「養老山地」。そこを貫くトンネル工事です。全長の約7割は掘削できていますが、残り約1.5キロが難航しています。 (室所長) 「トンネルについては養老山地を掘っている。過去は養老山地を掘っている地下構造物が全くなく知見がない。水が出ていて時間を要している」 ■1時間に約400トン「ここまで出るのは想定外」 水が出てきたのは、2023年11月。もう2年水が出続け、掘削が予定通りに出来ていません。 (室所長) 「10月末で1時間あたり400トンの水が出ている。湧水が多い箇所では掘削してる所が何もしないうちに崩壊をする場面も」