無料の音声編集ソフト「Audacity」のバージョン4.0.0がリリース

ソフトウェア

無料かつLinux・macOS・Windowsなどの複数のOSで使えるオープンソースの音声編集ソフトウェア「Audacity」のメジャーアップデートとなる「バージョン4.0.0(Audacity 4)」がリリースされました。Audacity 4では、アプリケーションインターフェースがQtで再構築され、新しいクリップ編集モデルをはじめとする多くの利便性向上機能が導入されています。

Release Audacity-4.0.0 · audacity/audacity · GitHub

https://github.com/audacity/audacity/releases/tag/Audacity-4.0.0

Introducing Audacity 4: New tools & a new look - YouTube

Audacity 4の変更点は以下の通り。

◆クリップ編集機能の刷新

Audacity 4では音声編集の基本単位となるクリップの扱いが大きく変更され、クリップのヘッダーをクリックして選択するか、Shiftキーを押しながらクリックして複数のクリップを選択することで、クリップを直接選択できるようになりました。移動、トリミング、タイムストレッチは、選択したすべてのクリップに適用されます。また、複数のクリップをグループ化する機能も追加されています。

各クリップはより自由に配置できるようになっており、モノラルトラックとステレオトラック間で移動できるほか、クリップを別のクリップの上に移動させると重なった部分が置き換えられるようになっています。クリップのペースト機能はより多くのケースを自動的に処理できるようになっており、必要に応じてトラックを作成したり、互換性のあるチャンネルレイアウトを調整したり、オペレーティングシステムのクリップボードからオーディオファイルをペーストしたりできます。

分割専用のツールも追加され、Sキーを押すか押し続けた状態で波形またはクリップヘッダーをクリックすると分割できます。また、「分割」「分割カット」「分割削除」「無音部分で分割」「新しいトラックに分割」といった操作もコマンドとして利用できます。

◆インターフェースとツール

Audacity 4では、インターフェースがQtをベースに再構築され、ネイティブな高DPIレンダリングに対応しています。ツールバーやパネルは、移動・ドッキング・フローティング表示・表示・非表示が可能になり、UIレイアウトは「ワークスペース」として保存できます。既存のワークスペースとして、「モダン」「クラシック」「ミュージック」の3種類が用意されています。

そのほか、ライト・ダーク・ハイコントラストのテーマに加え、アクセントカラーやトラックカラー、複数のクリップスタイルも利用可能です。さらに、新しいホーム画面では、最近取り組んだプロジェクトがプレビューサムネイル付きで表示されるようになっています。 また、「Select」「Envelope」「Draw」「Multi-tool」という従来の4つのモードは廃止され、機能に応じて操作方法が切り替わる方式になりました。Sync-Lock(同期ロック)機能も廃止され、削除・カット・ペースト操作時に、タイミングを維持するために空白を残すか、後の素材を移動させるかを選択できる明示的なオプションが追加されました。

◆再生と録音

再生ヘッドは画面を移動している間も表示されたままになり、ドラッグすることで新しい位置に移動できます。また、再生を停止せずに別の位置へシークすることも可能になりました。 録音はタイムライン上のどこからでも開始でき、その位置に新しいクリップが作成されます。そのほか、パンチ&ロール・リードイン録音・レイテンシー補正・ソフトウェアスループレイ・トラックごとの入力モニタリングといった機能が、新しいインターフェースに合わせて再構築されています。公式のWindows版ではASIOによる再生・録音にも対応しています。

◆トラック・メーター・エフェクト トラックヘッダーに、リアルタイム再生および録音メーターが表示されるようになりました。プリセットの扱いは、内蔵エフェクト、破壊エフェクト、リアルタイムエフェクトで統一されています。 また、組み込みのエフェクト、ジェネレーター、アナライザーは、Qtインターフェース向けに再構築されています。プラグインのインターフェースが利用できない場合、Audacityは生成されたコントロールを表示できます。そのほか、スペクトログラムはより分かりやすいガイドとメモリを備え、レンダリング速度も向上するなど、デザインが刷新されました。

◆プロジェクト、インポート&エクスポート Audacity 4は、プロジェクトの保存形式も変更されて新たに「.aup4」というプロジェクト形式を使用します。Audacity 3で使われていた「.aup3」形式のプロジェクトはAudacity 4で開くことで、元のファイルを変更せずに「.aup4」に変換できます。ただし、変換されたプロジェクトは元の「.aup3」形式に保存し直すことはできません。また、さらに古い「.aup」形式のプロジェクトをインポートすることもできます。 新しい「.aup4」のプロジェクトファイルには、プレビュー用のサムネイルとAudacity 4で追加されたクリップ・外観に関するデータも保存されます。

◆Audacity 3との互換性

Audacity 3の「タイムトラック」「ノート/MIDIトラック」「ミキサー」「マクロマネージャとスクリプトパイプ」「VAMPおよびLADSPAプラグインのホスティング」「速度指定再生」の機能はAudacity 4で未実装となっており、「今後のリリースで追加する予定」とされています。そのほか、エクスポート機能やレンダリング機能、アナライザー、エフェクトなどの一部機能も未実装のものがあります。 そのほか、Audacity 4のアップデートにともなってAudacityのロゴも刷新されています。Audacityを展開するMuseで製品担当副社長を務めるマーティン・キーリー氏は、Audacity 4では機能だけではなくブランドイメージも刷新するにあたって、大きな変更はされてこなかったAudacityロゴについて「このロゴは象徴的なものですが、ほとんどの人が時代遅れだと考えるでしょう」と指摘していました。

無料の音声編集アプリ「Audacity」のロゴが刷新されると発表され嘆きの声が多数 - GIGAZINE

実際のAudacity 4発表時のロゴは以下のような感じ。

Audacity 4はGitHubからダウンロードできます。

Release Audacity-4.0.0 · audacity/audacity · GitHub

https://github.com/audacity/audacity/releases/tag/Audacity-4.0.0

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