香港、国安法で初のビデオゲーム禁止-中国政府の転覆扇動意図と主張
香港当局が国家安全維持法(国安法)に基づき初めてビデオゲームを禁止した。当局は脅威と見なす行為への対応を強化し、インターネットサービスプロバイダー(ISP)に協力を求めている。
香港警察は10日、台湾製のモバイルゲーム「逆統戦:烽」について、武装革命や中国政府の転覆を扇動しているとし、ダウンロードしないよう警告した。香港政府の声明によれば、当局はこのゲームに関連する電子メッセージの無効化措置を講じたという。
中国は2020年に香港に国安法を導入。香港政府もまた昨年、「国家安全条例」を施行した。これらの法規制がゲーム禁止に用いられたのは初めて。
このゲームは4月にリリースされたが、香港では11日午前時点でアップルとグーグルのアプリストアからは入手できなくなっている。アップルおよびグーグルの親会社アルファベットは、コメント要請にすぐに応じなかった。
ゲームの開発元は5月、ユーザー名にヘイトスピーチ的な表現が使用されていたことを理由に「グーグルプレイ」からゲームが削除されたと明らかにしていた。
今回の取り締まりは、香港当局による国家安全強化措置の一環。政府は「グローバルな地政学的」リスクが大きくなっているとし、中国当局の活動を支援する新たな措置を導入したと5月に発表したが、詳細には触れていなかった。
このゲームの公式ウェブサイトによると、ゲームアプリのプレーヤーは香港やチベット、台湾などの勢力に加わり、共産体制と戦うか、あるいはアプリで「強圧的で無謀かつ無能」と描写されている共産勢力を指揮することもできるという。
香港政府の発表では、このゲームを共有すれば国家分裂や政権転覆を扇動した罪に問われる可能性があり、ダウンロード自体も扇動的意図を有する刊行物の所持と見なされ得るという。「このアプリをダウンロードした場合、直ちにアンインストールすべきで、法律に反する行為を試みてはならない」と声明で警告している。
ゲームの開発元はコメント要請に返答しなかった。
原題:Hong Kong Bans Video Game in Further National Security Push (1) (抜粋)