トランプ氏、アメリカン・イーグルの炎上広告を称賛-株価24%急騰
米カジュアル系アパレル大手、アメリカン・イーグル・アウトフィッターズの株価が4日、2000年以来の大幅高となった。同社の物議を醸している広告に対し、トランプ米大統領が支持を表明したことがきっかけだ。
俳優のシドニー・スウィーニーさんが出演しているアメリカン・イーグルの広告について、トランプ氏はソーシャルメディアに「今いちばん“アツい”広告だ」と投稿し称賛した。同社のジーンズは「飛ぶように売れている」とも述べた。これを受け、同社株はこの日、24%高で終了。先週末の時点では年初から36%下落していた。
トランプ氏はスウィーニーさんの名前のつづりを誤り、最初の投稿を削除した。
この広告キャンペーンが実際に消費者の購買意欲を刺激しているかどうかは、まだ明らかではない。消費者がジーンズや秋の必需品などを買いそろえる新学期シーズンに、アメリカン・イーグルがどのような業績を残すかが真の試金石になるとアナリストらは分析している。
アメリカン・イーグルは7月、「シドニー・スウィーニーは素晴らしいジーンズを持っている(Sydney Sweeney Has Great Jeans)」というキャッチコピーを掲げた広告キャンペーンを開始した。
キャンペーン動画の一つでは、「ジーンズ(jeans)」と同音の「遺伝子(genes)」という単語を使い、スウィーニーさんがジーンズのファスナーを上げながら「遺伝子は親から子に受け継がれ、髪の色や性格、さらには目の色のような特徴を決定づけることが多い」と語る。そして、「私のジーンズ(jeans)は青いの」と続け、青い目をカメラに向けてみせる。
白人で金髪の女性の遺伝子に焦点を当てているこの広告は、人種優生思想を想起させるとして、ネット上で論争を巻き起こした。ソーシャルメディア上には、広告を過度に深読みしているだけだと擁護する声もある。
アメリカン・イーグルの担当者は、コメントの要請に今のところ返答していない。
同社は先週、この広告について「テーマは常にジーンズであり、今後も自分らしく、自信を持ってアメリカン・イーグルのジーンズを着こなす全ての人をたたえていく」とのコメントを出した。
トランプ氏は自身の投稿で、スウィーニーさんが「共和党に登録している」と述べたが、スウィーニーさん自身は、政治的立場について公には語っていない。
原題:American Eagle Gains Meme Status With Biggest Jump Since 2000、American Eagle Jumps as Trump Touts Sydney Sweeney Jeans Ad (1)(抜粋)