米紙「米国はイラン戦争でTHAADの半分を使用」「韓国と日本の安保上の不安要素に」

 米国はイランとの戦闘でイスラエル防衛のためTHAAD(高高度防衛ミサイル)の在庫の半分以上を使い、これが韓国や日本などアジアの同盟国にとって安全保障上の不安要素になるとの見方が報じられた。

【写真】星州基地の衛星写真に写ったTHAADレーダーとランチャー

 米ワシントン・ポスト紙(WP)は21日(現地時間)、安全保障政策を担当する複数の当局者の話として「米国はイスラエルに対するイランの弾道ミサイル攻撃を防ぐためTHAADを200発以上使った」と報じた。

 同紙によると、200発は米軍が保有するTHAAD在庫の約半分に相当するという。さらに米軍は東地中海に展開する艦艇からも迎撃ミサイルのスタンダード3(SM3)やスタンダード6(SM6)を100発以上発射した。

 米国のシンクタンク、スティムソン・センターのケリー・グリエコ上級研究員は「この戦争で米軍はミサイル防衛任務のほとんどを担当し、現在残っているTHAADはおよそ200発ほどだ」「製造のペースが需要に追い付いていない」との見方を示した。

 グリエコ氏は「米軍の迎撃ミサイル不足は北朝鮮や中国の脅威への抑止を米国に依存する韓国や日本に不安を抱かせている」とも指摘した。

 実際に在韓米軍のブランソン司令官は4月21日、米議会上院軍事委員会の公聴会で「韓国に配備されているTHAADの一部を中東に移動させており、追加の移動に向けた準備も進めている」と明らかにした。

 一方のイスラエル軍は比較的低価格の自国製防衛システム「アロー」と「ダビデ・スリング」を保有するが、どちらも使用したのは100発にも満たないという。

 上記の当局者らによると、米国とイスラエルは戦争前にミサイル防衛の分担で合意し、これに基づき米国はTHAADを使ってイスラエルを攻撃するイランの弾道ミサイルの多くを防ぐ形になった。

 さらに当局者らは停戦が終わり戦闘が再開された場合、これら防衛システムのアンバランス問題がさらに深刻化することを懸念している。

 WPはトランプ大統領がイランとの戦闘拡大に慎重な理由の一つとして「米本土や同盟国を守るミサイル防衛システムの弱体化を懸念している可能性がある」との見方を示した。

 トランプ大統領は最近になってイランに対する戦闘終結と軍事攻撃再開の双方の可能性に繰り返し言及している。

 また5月19日に行われたトランプ大統領とイスラエルのネタニヤフ首相との電話会談では、イランへの対応を巡り外交面での解決か軍事作戦の継続かで激しいやりとりがあったとWPは伝えている。

 米シンクタンクのケイトー研究所で国防・外交政策の責任者を務めるジャスティン・ローガン氏は「今回の戦闘で明確になった米国とイスラエルとの関係は、トランプ大統領のアメリカ・ファースト政策と矛盾する側面がある」と評価した。

キム・ジャミン記者

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