米NY市マンハッタンの殺人件数、25年上半期に4割減-シカゴも減少
- マンハッタンの殺人件数46%減-シカゴも32%減と14年以来の低水準
- 今秋のNY市長選で犯罪問題が主要な争点にならない可能性
米ニューヨーク市マンハッタン区における殺人事件と銃撃事件の件数がいずれも2025年上半期に40%余り減少した。シカゴ市でも大幅に減少したという。
マンハッタン地区検察のアルビン・ブラッグ検事は15日、6月29日までの6カ月間で区内で発生した殺人事件は22件と前年同期比46%減少したと発表した。銃撃事件も43%減少したという。
シカゴ当局によると、同市でも25年上半期の殺人件数が188件と前年同期から32%減少し、14年以来の低水準となった。銃撃事件は715件で、前年同期比39%減となった。
殺人および銃撃件数の減少を受け、ニューヨーク市では今秋の市長選において、犯罪問題が4年前ほど主要な争点にならない可能性がある。かつて民主党に所属していたアダムス市長は現在、無所属での再選を目指しているが、21年の選挙戦では元警察官としての経歴を前面に出して当選を果たした。
一方、今年の民主党候補ゾーラン・マムダニ氏は、高水準の家賃など生活コストの負担軽減に焦点を当てている。
ブラッグ氏によると、銃撃事件は21年比で70%減と「歴史的な」大幅減を記録したという。
全米の犯罪動向を示す「リアルタイム犯罪指数」によると、凶悪犯罪は新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)前の水準まで低下している。ニューヨーク市では20年と21年に殺人率が一時的に上昇したものの、大都市の中では依然として最も低い水準にとどまっていた。
ニューヨーク市警(NYPD)が公開した最新データによると、25年1月1日-7月13日における殺人、性的暴行、強盗などの重大犯罪は前年同期比5.18%減少。銃撃事件は同23.1%減となっている。
原題:Manhattan, Chicago Murder Rates Drop in 2025, Officials Say (1)(抜粋)