認知症リスクを高める「食品」が明らかに。43年にわたって、アメリカの研究チームが調査。リスク低減に役立つ食べ物も(Harper’s BAZAAR(ハーパーズ バザー))

全米の高齢者の約10%が認知症に罹っている。まだ原因を正確に特定できていない一方で、研究からは、食生活など原因の可能性のある要因が徐々に明らかになりつつある。新たな研究から、赤肉の加工食品を食べると認知症を発症するリスクが高まる可能性があることが発表された。 【写真】今日から食べたい!「記憶力・認知力」を高める、身近な食品ベスト9 神経学に関する医学雑誌『Neurology』に掲載された研究では、ホットドッグやソーセージ、サラミ、ボローニャソーセージ、ベーコンなど赤肉の加工食品を日常的に食べることと、認知症の発症リスクには関係があることがわかった。そこで、研究からわかったことと、神経学者が認知症とこれらの食品は関係していると考える理由をまとめてみた。

研究者は、研究開始時点で認知症を発症していない133771人を調べた2つの主要な研究データを分析。参加者は43年にわたって、2〜4年ごとに食習慣についての質問に答えた。 参加者がどのくらい赤肉の加工食品を食べたかに重点を置き、その人の摂取習慣を低(1日あたり0.1人前以下)、中(1日あたり0.1〜0.24)、高(1日あたり0.25以上)に分類した。赤肉加工食品の標準的な1人前は3オンス(約85グラム)。 研究期間中に11173人が認知症と診断された。研究者は赤肉加工食品を最も多く食べた人は、“低”グループの人と比べて、認知症を発症する可能性が13%高いことを発見。 また、“高”グループの人は、“低”グループの人より認知機能が弱く、脳の老化が速いことも発見した。 「赤肉、特に加工食品を多く食べると、認知症を発症するリスクがより高く、認知機能がより悪口なるという関係があった。認知機能の健康を促進するために、赤肉摂取を減らすことが食生活ガイドラインに含まれる可能性がある」と研究者は結論づけている。

研究者は、赤肉加工食品を多く食べるとなぜ認知症リスクが高まるのかという理由については研究していない。関係があることを発見しただけだ。とは言え、この結果は「驚きではない」と、Miller Children’s & Women’s Hospital Long Beach and MemorialCare Long Beach Medical Centerの神経学者、ジャスミン・ダオ医学博士は言う。 ダオ博士は、直接的にも間接的にも関係があると指摘する。赤肉加工食品は心臓病や糖尿病発症リスクがより高まることに関係している。そしてこれらの病気は認知症リスクがより高くなることに関係しているからだ。 加工肉には通常、脂肪分や塩分がかなり多く含まれ、これらは脳や体全体の健康に悪影響を及ぼすとダオ博士。飽和脂肪酸を多く含む食生活は脳の炎症や認知能力の劣化とも関係している。 が、食生活と認知症の関係については「まだ研究中」の段階だとダオ博士は強調する。それでも、何を食べるかが脳の健康に影響を与えるのは確かで、「健康的な食事は認知処理能力の向上と関係があります」とのこと。


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加工していない赤肉を食べることと、認知症発症リスクが高まる、という関係性は、加工食品ほどは強くない。この研究では、未加工の赤肉を1日に1人前以上食べていた人は、0.5人前以下だった人と比べて、主観的認知機能低下を発症するリスクが16%高いことを発見している(主観的認知機能低下は通常、認知症の初期症状)。しかし、未加工の赤肉と認知症の関係については研究しなかった。 全体として、認知症リスクに赤肉が与える影響についての研究のほとんどは、未加工の肉ではなく、加工肉に重点を置いて行われているので、現時点で重要な結論は下し難い。 また、具体的にどのくらいの量ならOKという断定は現段階では難しい。最新の研究では、赤肉加工食品を食べる量が少ないほど、脳の健康には良いことがわかっている。また、赤肉加工食品を食べる量をできる限り減らし、豆類や鶏肉、魚、果物、野菜、ナッツを重点的に食べるのが脳の健康にはベストだと研究では提案している。

from Prevention.com

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