コーヒーでも紅茶でもない…精神科医が「脳を元気で若々しく保てる」と勧めるスーパーで買える飲み物(プレジデントオンライン)
16:17 配信
仕事で疲れを溜めないコツは何か。医師の保坂隆さんは「体の細胞や組織をサビさせて、老化、免疫低下、機能低下を招く活性酸素に対抗して細胞や組織、脳を守ってくれるおすすめの飲み物がある。発酵によるビタミンCの酸化もなく、タンニンも多く残っているから、食後やブレイクタイムにどんどん飲むといい」という――。 ※本稿は、保坂隆『精神科医が教える 心と体をゆっくり休ませる方法』(三笠書房)の一部を再編集したものです。■「プチおやつで脳を休める」は理にかなった方法 自分でも時間を忘れるほど集中して仕事をしたあとでは、ひどく疲れが出ることがあるもの。何時間も同じ姿勢で作業をしていれば、首も痛くなれば肩もこるでしょう。 しかしそれ以上に、頭がボーッとして体がだるく、気がつくと何度もため息をついたり、「はぁ、疲れた……」とひとり言を言った経験のある人は少なくないはずです。 ある程度の仕事が片づいて、たっぷり休憩をとれるときはいいのですが、そのまま次の仕事をしなければいけないときは困ります。そんな状態でいくら頑張ろうとしても、気持ちが空回りするだけでよい仕事はできません。 こんなときは、ぜひプチおやつの力を借りましょう。ケーキやお饅頭、煎餅といったおやつではなく、口に放り込めるくらいの小さなおやつです。 「仕事中におやつなんて!」と思われるかもしれませんが、働きすぎで疲れた脳に栄養を補給するのは大切です。次の仕事を効率的にこなすための、とても理にかなった方法なのです。 疲れた脳細胞にはグリコーゲンが必要なので、チョコレートといった甘いものがいいでしょう。甘いものに含まれているブドウ糖は、体内ですばやくグリコーゲンに変わる特性を持っているからです。 おやつといえば、子どものお楽しみかもしれません。なぜなら子どもは運動量が多く、おやつには3度の食事だけではとりきれない栄養の補給という大切な役目があるからです。もちろん大人だって座ったままでも、仕事をしている脳は大いに働いているので、栄養補給が必要なのです。 また、ちょっとした気分転換になるのもポイントです。おやつを口にしながら、深呼吸をしたり、軽くストレッチしたり、数十秒という短い時間でも、あわせて気持ちの切り替えをすると、より休息効果が高まるのでおすすめです。----------デスクにプチおやつを忍ばせておこう
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■チョコレートには脳をリラックスさせる成分 日々の仕事に息抜きはとても大事です。忙しいとき、根を詰めた作業が続くときこそ、脳を休めるためにも、しっかり息抜きをする必要があります。 休憩上手の人はこんなとき、抜かりがありません。息抜きの際、ただ手を休めるだけでなく、脳に効いて休息効果が上がるおやつを食べるのです。 では息抜きに食べる、脳にいいおやつは何でしょうか。脳は意外に大食漢で、その栄養源はグリコーゲン、つまり糖分です。極度の集中と思考で脳を酷使する将棋の対局などで、棋士がケーキやお饅頭といった甘いものをバクバク食べているのも理にかなっています。 甘いものにもいろいろありますが、とくにチョコレートがおすすめ。チョコレートには、糖分のほかに脂肪も含まれています。 脂肪はダイエットの大敵と敬遠されがちですが、この脂肪が疲れた脳には効果があるのです。 脂肪は、消化吸収に時間がかかるように働きます。すると、チョコレートの糖分によって血糖値はゆっくりと上がり、長い時間保たれます。 血糖値のゆっくりした上昇は体にもいいことで、長時間の血糖値の維持は、それだけ長い間、脳を活性化させてくれるということです。 また、チョコレートには脳をリラックスさせる成分が含まれているので、うれしいおやつといえます。■リズム運動でセロトニンを多く分泌 もうひとつおすすめしたいのは、ガムです。ガムを噛むと、あごの筋肉が収縮し、それにともなって体全体の血流が活発になります。すると、脳へもさかんに新鮮な血液が送られ、活性化します。 もともと人間の体は、リズムのある運動で成り立っています。脈拍も呼吸もそうですし、歩いたり、走ったりするのもリズムをともなっています。噛むという行為も、一定のリズムをともなっています。 このような本能的な運動は、脳の本能的な深いところに作用すると考えられますが、リズム運動をすると、セロトニンという脳を活性化する物質が多く分泌されるのです。 そのうえ、よく噛むことで、パロチンという脳の老化を防ぐ物質も分泌されます。つまり、よく噛むと脳は活性化され、おまけに歳もとらない、というすばらしい効果が得られるわけですね。 また、ガムだけではなく、食事もよく噛むようにすれば、脳は生き生きと若さを保ってくれるでしょう。 息抜きの休息効果を高めるチョコレートとガム、お気に入りの銘柄を見つけて常備しておくことをおすすめします。----------おやつの力を借りて、集中力を上手に維持しよう
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■脳を元気で若々しく保つためには飲み物の種類 休息効果が高く、仕事しながらでも口にできるという意味でおすすめなのは「緑茶」です。 活性酸素がよく話題に上りますが、体の細胞や組織をサビさせて、老化、免疫低下、機能低下を招きます。美容の大敵でもあります。 しかし、この活性酸素、もともとは体に細菌や異物などが侵入してきたときは、これらと勇敢に戦い、撃退し排除してくれる役目をします。 ところが、地球環境が汚染され、添加物の摂取などで、活性酸素が大量に生まれるようになりました。おまけにストレスの多い生活を続ける現代人は、過剰に活性酸素をつくり出すようになったのです。 増えすぎた活性酸素は健康な細胞まで攻撃してダメージを与えるようになります。とくに、悪玉コレステロールと結びついて起こす動脈硬化は、心臓病や、重大な病気の原因とされています。 もちろん脳も、この活性酸素に害されていますが、活性酸素に対抗して細胞や組織、脳を守ってくれるのが、お茶に含まれる「茶カテキン」です。 お茶にも、日本茶、中国茶、紅茶などいろいろ種類がありますが、もともとみな同じツバキ科の常緑樹の葉や芽が原料です。お茶をつくる過程の乾燥や発酵のやり方で、その成分や風味が変わってくるのです。 茶カテキンとは、お茶の渋味のもとになるものです。緑茶は蒸してから乾燥させるだけで、発酵の過程がありません。そのため、緑茶には発酵によるビタミンCの酸化もなく、タンニンも多く残っています。 中でも、緑茶が一番茶カテキンを持っているのです。実際、乾燥した緑茶には、約12.15パーセントの茶カテキンが含まれているといわれています。 脳を元気で若々しく保つためには、食後やブレイクタイムなどに、どんどん緑茶を飲むようにしてはどうでしょうか。----------緑茶には、免疫力アップのうれしい効果も--------------------保坂 隆(ほさか・たかし)精神科医1952年山梨県生まれ。保坂サイコオンコロジー・クリニック院長、聖路加国際病院診療教育アドバイザー。慶應義塾大学医学部卒業後、同大学精神神経科入局。1990年より2年間、米国カリフォルニア大学へ留学。東海大学医学部教授(精神医学)、聖路加国際病院リエゾンセンター長・精神腫瘍科部長、聖路加国際大学臨床教授を経て、2017年より現職。また実際に仏門に入るなど仏教に造詣が深い。著書に『精神科医が教える50歳からの人生を楽しむ老後術』『精神科医が教える50歳からのお金がなくても平気な老後術』(大和書房)、『精神科医が教えるちょこっとずぼら老後のすすめ』(海竜社)など多数。
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最終更新:7/21(月) 16:36