インド政府、米国製自動車、医薬品などへの関税引き下げ検討-関係者
- 2月発表のバーボンや高級バイクに続き、対象を大幅に拡大へ
- 高水準関税のインド、相互関税の免除、米との貿易協定締結に期待
インド政府は、米国のトランプ米大統領が導入の方針を示している「相互関税」を回避するため、自動車や化学品など幅広い輸入品目の関税引き下げを検討している。事情に詳しい関係者が明かした。
関係者によると、インド政府は自動車、一部農産品、化学品、重要な医薬品、特定の医療機器や電子機器の関税引き下げについて議論している。計画は最終決定ではないとして、この関係者は匿名を希望した。
今回の計画は、数週間前にモディ政権が発表した、米国からインドへの輸出品目に対する関税引き下げよりもはるかに踏み込んだ内容となる。この時に対象となった高級オートバイやバーボンウイスキーなどは、トランプ氏にとっては政治的に重要な意味を持つものの、インドでは大量に売られているわけではない。
インド商工省は、より詳しい情報についての問い合わせに、すぐには応じなかった。
インドのモディ首相とトランプ氏は2月の会談の際、秋までの貿易協定締結を目指すとした。インド政府は、こうした関税引き下げの取り組みが、協定の合意に追い風となることを期待している。当局者は、トランプ氏が相互関税の導入を予定している4月までの協定締結は難しいものの、締結に向けた進展があれば、インドが関税の対象から除外される可能性はあると見込む。
インドは世界でも最高水準の関税を輸入品に課しており、トランプ氏がインド産品に同等の関税を課すとの公約を実行すれば、特に大きな打撃を受けることになる。
Source: UNCTAD TRAINS, Office of the United States Trade Representative
原題:India Weighs Tariff Cuts on Cars, Chemicals as Trump Duties Loom(抜粋)