ベネズエラに対する米国の圧力、「石油が核心」とコロンビア大統領 CNN EXCLUSIVE
コロンビアのペトロ大統領がCNNの単独インタビューに応じた/CNN
コロンビア・ボゴタ(CNN) カリブ海と太平洋における米軍の活動が活発化する中、コロンビアのペトロ大統領は、トランプ米政権によるベネズエラへの圧力について、麻薬密輸対策というよりも同国の石油へのアクセス確保が主な目的だと主張した。
ペトロ氏はCNNとの単独インタビューで、「(石油が)問題の核心だ」と述べ、ベネズエラの石油埋蔵量は世界最大級と目されていると指摘した。
その上で、これは石油をめぐる交渉であり、それこそがトランプ大統領の論理だとの認識を示した。
「彼(トランプ氏)はベネズエラの民主化など考えていないし、ましてや麻薬密輸など頭にない」とペトロ氏は続け、ベネズエラは主要な麻薬生産国とはみなされておらず、世界の麻薬取引の比較的わずかな部分しか同国を経由していないと付け加えた。
トランプ氏のホワイトハウス復帰以来、ペトロ氏とトランプ氏は対立を続けている。この1年間、ペトロ氏はトランプ政権の移民政策、イスラエルへの支援、そして中南米地域における軍事活動を厳しく批判してきた。
25日、ペトロ氏は米国が近隣諸国に自国の意志を押し付けようとしていると非難し、その行動を帝国主義になぞらえた。「米国を帝国とみなすわけにはいかない。あくまでも他の国々の中の一つだ」(ペトロ氏)
CNNはホワイトハウスと米国務省にコメントを求めている。
10月、米財務省はペトロ氏に制裁を科し、同氏が「世界的な違法薬物取引に関与した」と主張した。ペトロ氏はこの主張を否定している。
制裁の数日前には、トランプ氏が米国からコロンビアへのすべての支払いと補助金を停止すると発表。ペトロ氏がコロンビアにおける麻薬生産を「阻止する努力を全くしていない」と批判した。
ペトロ氏は麻薬取引撲滅に向けた自身の取り組みを擁護。CNNに対し、自らの政権が過去最も多くのコカインを押収したと語った。
トランプ氏がこの点を認めない理由を問われると、ペトロ氏は「彼は私を破壊工作員やテロリストのような人間だと考えている。私が『M19』のメンバーだったからだ」と答えた。M19は1970年代から80年代にかけて活動したコロンビアのゲリラ組織。
ペトロ氏はまたCNNに対し、米国が自分をベネズエラのマドゥロ大統領と比較しているとの認識を示した。
この前日、米国はマドゥロ氏が率いるとされる麻薬密売組織「カルテル・デ・ロス・ソレス」を外国テロ組織に指定した。ベネズエラはこの主張を否定しており、専門家らは「カルテル・デ・ロス・ソレス」は組織犯罪集団というよりも、腐敗した政府高官を指す言葉だと指摘している。
ペトロ氏はマドゥロ氏について、民主主義には問題があると考えているとしつつ、麻薬密輸とのつながりに関してはそれほど確信が持てないと述べた。
コロンビアのニュース番組「ノティシアス・カラコル」は週末、同国の当局者と、現在は解散した反政府勢力FARCの反体制派との疑惑の関係を報じた。報道によると、軍と情報機関の高官がFARCに機密情報を提供し、武器を秘密裏に入手する方法や軍の監視を回避する方法について助言していたという。
ペトロ氏は疑惑を否定しているが、25日のCNNとのインタビューでは当局者と麻薬密売人との関係は自身の大統領就任前から何年も存在していたことを認めた。