中国の驚異的な戦闘機の生産ペース、J
英RUSIは2026年1月「J-20の年間生産数は120機で、中国空軍はJ-20を320機~350機を保有している」と報告していたが、TWZへの寄稿者で中国軍に精通しているアンドレアス・ルプレヒト氏は「2026年半ば時点で約500機のJ-20が引き渡されている」と語った。
参考:How Many J-20 Mighty Dragon Fighters Does China Actually Have?
成都飛機工業公司は2021年「多くの部隊が引き渡しを待っていた機体は困難な問題に直面していたが、幾つかの重要なテストをクリアしたため同社の航空機は過去最高の納入数を記録した」と発表、これを受けて中国メディアも「J-20はパズルの最終ピースだった国産エンジンの問題が解決したため大量生産の段階に突入した」と報じ、米上院軍事委員会も「中国は2025年までに第5世代戦闘機を米国より多く戦場に配備することが出来るようになる」と指摘。
出典:中国中央電視台のスクリーンショット
2022年11月の珠海航空ショーで判明したJ-20の製造ロットは「J-20の総生産数が最低でも208機に達している」と示唆し、中国の軍用機開発に精通しているリック・ジョー氏は2023年8月「J-20の年間生産数は限りなく100機に近づいている」「2024年には100機以上になるだろう」と予想、インド太平洋軍のジョン・アキリーノ海軍大将も2024年3月「J-20はフルレート生産に突入した」と上院軍事委員会の公聴会で証言、米海兵隊大学のダニエル・ライス氏も「中国は空軍向けにJ-20を年100機以上、J-16を年100機以上、J-10を年40機ほど生産している」と言及。
米空軍の中国航空宇宙研究所も2024年4月に発表した報告書の中で「中国は160機~200機のJ-20を保有している可能性がある」「人民解放軍空軍はJ-20を年48機~60機、最低でも2個航空旅団を同時に改編できる能力がある」「中国が第5世代機の数で米国に追いつくには3年半から4年半かかる計算だ」と指摘していたが、2025年9月に累計300機目を示す製造ロットの機体が登場し、リック・ジョー氏は「この製造ロットは本機が累計生産数300機目の機体だというだけで、中国空軍のJ-20保有数が300機という意味ではない」「中国空軍が300機以上のJ-20を保有しているのはほぼ確実だ」と述べていた。
15 years ago, on January 11, 2011, China’s first domestically developed stealth fighter, the J-20, made its maiden flight successfully, marking the end of an era in which China lacked domestically developed stealth fighter.#Chinamilitary #ChinaMilBugle #PLAAF pic.twitter.com/q5sHlcwfCL
— China Military Bugle (@ChinaMilBugle) January 11, 2026
英国王立防衛安全保障研究所(RUSI)も2026年1月に発表したレポートの中で「中国の航空戦力は過去5年間に驚異的な成長を遂げた」「中国は2020年時点で技術的に比較的未熟だった第5世代のJ-20を約50機、第4.5世代の先進的なJ-16を90機~100機を運用していた」「2020年時点の年間生産数もJ-20が約20機、J-16が約40機だった」「2025年後半になると改良され技術的に成熟したJ-20Aとこれをベースにした複座型のJ-20Sの年間生産数が120機に増加し、最低でも約13個航空旅団で320機~350機のJ-20/A/Sが運用されている」「J-16の年間生産数も約100機に近づき、2025年末までに450機が納入された可能性がある」と指摘。
中国はJ-20やJ-16の生産数や保有数を公式発表していないため、RUSIがレポートの中で提示した数字は「様々な情報源を加味した推定値」だが、本ブログがこれまで取り上げてきた数字や情報に似通っており、RUSIは「この調達率の増加傾向が今後も維持されれば2030年までに中国は約1,000機のJ-20/A/S、約900機のJ-16を運用できるようになる」「AESAレーダーやPL-15を備えるJ-10Cも2025年時点で300機以上、旧型のJ-10A/Bも約250機配備されている」「2025年後半時点でJ-35/Aの状況は低率初期生産段階だ」と指摘している。
RUSIが報告した中国の戦闘機保有数と生産率 2020年の保有数 2020年の生産率 2025年の保有数 2025年の生産率 J-10A/B/C 410機~420機 40機 550機 40機 J-16/D 90機~100機 40機 450機 80~100機 J-15/T/DH/DT 25機~30機 5~10機 80~100機 20~30機 J-20/A/S 40機~50機 20機 320機~350機 120機TWZ(以前はThe War Zone)への寄稿者で中国軍に精通しているアンドレアス・ルプレヒト氏は同誌の取材に「2026年半ば時点で約500機のJ-20が引き渡されていると確信している」と語り、TWZは「この仮説は中国空軍の14個航空旅団と複数の機種を運用する3つの飛行試験訓練基地にJ-20が配備されていることによって裏付けられている」「14個航空旅団のうち4個航空旅団は初期型のJ-20から能力向上型のJ-20Aに更新された」と指摘し、以下のように述べている。
“興味深いことに、米当局者の間ではJ-20の能力を米軍と比較して過小評価する傾向が見られる。太平洋空軍のケネス・ウィルズバック司令官は2022年「J-20は夜も眠れなくなるようなものではない」「もちろん、我々は彼らを注意深く監視しており、彼らがどのように部隊配備して運用していくかを見極めている」「米空軍がJ-20を評価する機会は限られているが、まずまずの機体のようだ」と述べた。他の米空軍幹部は急速に拡大する中国空軍への懸念を強調しており、その軍備拡張においてJ-20は主要な役割を果たしている”
Happy Birthday:
Photo shows Y-20B transport aircraft, YY-20 tanker and J-20 stealth fighter jets engaging in combat training to celebrate the 105th founding anniversary of the Communist Party of China.#CommunistPartyofChina #CPC#PLA #AirForce #Pilots #Y20B #YY20 #J20… pic.twitter.com/TLvIxAWjwR
— China Military Bugle (@ChinaMilBugle) July 1, 2026
“第412試験航空団のダグ・ウィッカート司令官は昨年のブリーフィングで「我々は史上最も小規模かつ老朽化した状態にあるが、人民解放軍は史上最大規模かつ最も近代化されている。これはリスクであり不確実性だ」「中国は2027年までに日付変更線より西に配備される米軍の戦力に対し、近代的な戦闘機の数で約12対1、第5世代戦闘機に限れば5対3の優位性を確立するだろう」と予測している”
“中国がJ-20を何機調達するつもりなのかは不明だが、同機の継続的な開発に加えて空軍向けのJ-35計画に依存する部分も大きい。J-35は一部の任務においてより安価なJ-20の代替機となる可能性を秘めている。さらにその先には、少なくとも2種類の第6世代有人戦闘機案、将来の戦力構成に組み込む必要のある様々な協調戦闘機(CCA)や無人戦闘航空機(UCAV)が存在する”
Beautiful bird pic.twitter.com/JxawplNxKC
— 彩云香江 (@louischeung_hk) September 9, 2025
“J-20は確実に様々な課題に直面してきたが、軽視されてきたプロトタイプから中国空軍の中核を担う機体へと成長を遂げた。エンジン、アビオニクス、兵装、そして派生型といった側面での継続的な進化も重要だが、最も重要な進展は中国がJ-20を驚異的なスピードで生産できるようになったことかもしれない。軍事的な観点から言えば量はそれ自体が質であり、もし現在の生産予測が概ね正確であるならば、J-20計画はステルス性能や飛行性能と同じぐらい製造能力そのものが戦略的な意味を持つ段階に入ったと言えるだろう”
RUSIが報告した2025年のJ-20保有数=320機~350機、2025年の生産率=120機を加味すれば「2026年半ば時点で約500機のJ-20が引き渡されている」という話は妥当な評価で、第4.5世代戦闘機のJ-16/Dも同様に「2026年半ば時点で530機~550機が引き渡されている」となり、J-10に関しては全てのバージョンを合わせると限りなく600機保有に近づいていることになる。
Trained and Ready:
Footage shows multi-type fighter jets attached to the Chinese PLA Air Force, including J-16, J-10, Su-30, getting ready for training exercise.#J16 #J10 #Su30#FighterJet #ElephantWalk#PLA #PLAAF #AirForce#ChinaMilitary #ChinaMilBugle pic.twitter.com/DmXU7wM58M
— China Military Bugle (@ChinaMilBugle) June 13, 2026
F-35の年間生産率は最大156機でJ-20を上回っているものの、米軍が2027年に購入するF-35は85機に過ぎないため第5世代機の調達率で圧倒的に負けており、米空軍が調達していないF-16Vの生産率も年10機以下(年48機が最終目標)、F-15EXの生産率も年24機に留まるため、米空軍と中国空軍の第5世代と第4.5世代の戦力差はどんどん開いていく上、台湾海峡に全ての戦力を投入することは不可能だ。
米国は日付変更線より西に配備される戦力のみで中国に対称的な立場を維持するのが困難になっており、非対称な戦いに転換しなければ量という質で圧倒されるかもしれない。
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