ラピダス小池淳義社長「2ナノ半導体の動作確認、マイルストーン越えた」
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最先端半導体の量産を目指すラピダスは18日、北海道千歳市で約200人を招いたカスタマーイベントを開いた。報道陣に回路線幅2ナノ(ナノは10億分の1)メートル半導体の試作品を公開し、小池淳義社長は動作を確認できたことを明らかにした。「大きなマイルストーンを越えた」と強調した小池氏との主なやりとりは以下の通り。
――このタイミングでカスタマーイベントを開く意義は。
「日本ではじめて2ナノのGAA(ゲート・オール・アラウンド、半導体構造)の動作が確認できた記念すべき日だ。これから顧客の設計が本格的に進む。はっきりした大きなマイルストーンを越えた」
――前段階の試作品として完成度はどの程度か。
「完成度の定義は難しい。GAAの断面やトランジスタ特性を見てもらった。これからも試作の段階を一つずつ示すことで顧客の理解が深まり、設計が始まっていく」
――試作品を早く公開できた背景は。
「装置や搬送システムなど新しい技術に挑戦する努力をしてきた。北海道知事や千歳市長、(工場を建設する)鹿島や装置メーカーの支援があった。従業員が本気で魂をこめて、ほとんど寝ないで試作品を流した」
――歩留まり(良品率)が(採算性に)重要だ。
「動作の確認がいちばん大きな目的だった。これから特性を改善して、特性の方向性や性能、歩留まりは量産にむけて展開していく。トランジスタの性能は顧客の満足する設計に十分たえられる」
――量産時の歩留まりの目標は。
「歩留まりはこれから重要になってくるが、そんな簡単な世界ではない。2027年の量産に向けて、目標である歩留まりに向けて一歩ずつ確実に高めていくための入念な計画と準備を進めている」
――量産のスケジュールや生産量の計画はどうか。
「(近隣に工場を構える)セイコーエプソンの場所を借りて後工程のパイロットの準備を始めている。27年の後半には前工程と後工程をあわせたものが少しずつできていく。生産量や生産数は企業秘密だ」
――従業員はどのように確保するのか。
「会社は14人でスタートし、現在、正社員が800人、派遣を含めて1000人を超える。毎月のように情熱のある人が30人以上入っている。量産時は約2000人の人数を用意する。人材に関しては非常に恵まれた環境にある」
――「GAFAM」と呼ばれる米テック大手のような大口顧客へのアプローチは。
「カスタマーイベントには海外からも顧客(候補)が多く来ている。成果を説明し、次の段階である設計の準備を始める流れになる」
――潜在的な顧客にはどうアピールする。
「大事なことは2ナノのGAAのトランジスタ特性をスピードをもって証明したことだ。顧客は非常に驚いており、とても期待を持っていると確信している」
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