トヨタが支援する「空飛ぶタクシー」、ヘリのライドシェア会社買収へ

Siddharth Philip、Edward Ludlow

  • ジョビー・アビエーション、ブレード・エアを1億2500万ドルで買収
  • 来年の商業運航開始に向けた準備を加速、インフラと顧客層取り込み
Photographer: Jeenah Moon/Bloomberg

「空飛ぶタクシー」として注目される電動垂直離着陸機(eVTOL)を開発する米ジョビー・アビエーションは、ヘリコプターのライドシェア事業を手がけるブレード・エア・モビリティを最大1億2500万ドル(約184億円)相当の現金もしくは株式で買収する計画だと発表した。eVTOL市場の本格稼働へと駒を進める。

  ジョビーの発表文によれば、買収はブレードの旅客事業全てが対象で、欧米での事業やブレードのブランドも含まれる。数週間以内に取引が完了する見込みだという。

  ブレードはニューヨーク市から近郊の空港やリゾート地を結ぶヘリコプター便を、座席単位で販売している。同社は2021年に特別買収目的会社(SPAC)との合併を通じて株式を上場したが、年次ベースで黒字を計上したことはない。同社の株価は今年に入ってから10%下落しており、時価総額は3億900万ドルとなっている。

  トヨタ自動車が支援するジョビーは、2026年序盤の商業運航開始を目指し、来年には5機を認証プロセスの最終的な段階に進める計画だ。同社の株式時価総額は136億ドル。先月にはカリフォルニア州マリーナ工場の生産能力を倍増し、年間24機の生産を目指す計画を明らかにした。

  ジョビーによると、ブレードは都市部を中心に12のターミナル網を持ち、2024年に5万人以上の旅客を輸送した実績がある。ジョビーは来年、初の旅客輸送サービスをドバイで開始する計画。ブレード買収によって、既存のインフラと顧客ベースを取り込み、商業化の取り組みを加速できるとしている。

原題:Joby to Buy Helicopter Ride-Share Company Blade for $125 Million(抜粋)

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