中国発 「迂回輸出」の最前線 トランプ氏でも手に負えない アジアに巣くう新サプライチェーン
ドナルド・トランプ氏が米大統領として登場してから間もなく丸9年になる。この間、米中対立は先鋭化し、「世界の工場」であるアジアのサプライチェーンは激しく揺さぶられ続けた。多くの企業が戦略変更を余儀なくされ、中国は「迂回輸出」で米市場とつながるなど、なお混乱の最中にある。1人の男の登場はアジアに何をもたらしたのか。知られざる最前線を追った。
中国との国境の町、ベトナム北部・モンカイ市。「第2バックルアン国境橋ゲート」と呼ばれる中国との間に架かる国境橋には、まだ朝の7時だというのに、ベトナムの大型トラックが次々と長蛇の列をなす。
中国との国境ゲート付近で列を作る大型トラック(2025年7月、ベトナム・モンカイ市)
あふれかえった大量のトラック。荷台に積まれたコンテナに目をやると、中国語の文字が目立つ。