緑色に輝くレモン彗星とスワン彗星、見つけ方と写真撮影のコツ(Forbes JAPAN)
■2つの彗星はどのくらい明るくなる? 彗星の明るさは予測が難しいことで知られるが、この2つは比較的期待ができそうだ。彗星観測データベース「COBS」によれば、レモン彗星(C/2025 A6)は現在5.8等級、スワン彗星(C/2025 R2)は6等級まで明るくなっている。 どちらも、かなり暗い空でなら肉眼でもぎりぎり見えるかもしれない明るさだ。とはいえ観測に挑むなら、双眼鏡(できれば10×50)か小型望遠鏡を用意したほうがいいだろう。急激な増光(アウトバースト)や減光が起こって明るさが急変する可能性もあるため、見られるうちに観測したい。 ■レモン彗星とスワン彗星を撮影しよう 彗星を撮影するには、マニュアル操作可能なミラーレス一眼カメラかデジタル一眼レフカメラ、またはカメラ性能の高いスマートフォンが必要になる。スマートフォンの場合、三脚などに固定して夜間モードやプロモードで長時間露光撮影をすれば、彗星を捉えられる可能性が高い。RAWモードがあるならそれを使用する。 デジタル一眼レフも三脚に固定し、50-105mmレンズを使うとよい。ISO感度は800~1600、絞り値(F値)はF2.8~F4、シャッター速度は2~5秒に設定。ピントは無限遠に合わせるか、ライブビュー設定の拡大率を手動で調整して明るい星や月に合わせる。郊外の暗い空で撮影するなら、ISO感度を少し高くし、露光時間を短くしてみよう。 彗星を肉眼で捉えられなかったとしても、双眼鏡を使えば、尾まで見えるはずだ。彗星の位置を特定するため、双眼鏡は必ず持参しよう。 ■木星がレモン彗星に与えた影響 2025年4月、レモン彗星(C/2025 A6)は木星から約3億4800万kmの距離を通過した。かなり遠くに感じるかもしれないが、巨大なガス惑星である木星の圧倒的な重力はレモン彗星を引き寄せ、その軌道を変えた。 宇宙情報サイトSpace.comによれば、木星は彗星の軌道エネルギーの一部を奪い、公転周期を200年近く短縮させたのだ。これまでレモン彗星は約1350年ごとに太陽系に帰ってきていたが、今後は約1150年周期で戻ってくることになる。 木星はしばしば「宇宙の門番」として機能し、付近を通過する彗星の軌道を変形させる。ときには、その重力圏に彗星を捕獲してしまったり、太陽系から完全に追い出してしまったりもする。
Jamie Carter