はしかの流行拡大、全米で続く-感染者712人と17%増加

Damian Garde

  • 24州に感染拡大、感染者の97%がワクチン未接種ないし接種状況不明
  • テキサス州で今年確認された症例数は541件、全米の大多数を占める

はしかの流行拡大が米国で続いている。今年確認された感染者数は10日までの1週間で17%増加し、712人に達した。感染の中心となっているテキサス州では今年に入りワクチン未接種の子ども2人が死亡した。

  米疾病対策センター(CDC)は11日、前日までの1週間で新たに105件の症例が確認されたと報告。感染は24州に広がっており、患者の97%がワクチン未接種ないしワクチン接種状況不明だった。

  テキサス州では8日以降、新たに36件の症例が確認され、総数は541件。隣接するニューメキシコ州では2件の症例が新たに報告され、累計58件となった。同州では、はしかによる死亡が疑われる1件の症例がある。

  CDCが報告した最新週の全米感染者数の増加率は最近数週間の数字を下回った。増加率は4月4日発表が26%、3月28日が28%、3月21日が25%だった。

  ケネディ米厚生長官は先週、はしかの感染者数の伸びが「頭打ち」の状態にあるとホワイトハウスで発言。米国は「素晴らしい仕事」をして流行を抑え込んだと述べていた。

  しかし公衆衛生当局者は、CDCの最新の数字は、現在の流行の規模を大幅に過小評価している可能性があると指摘する。

  米ジョンズ・ホプキンス大学健康安全保障センターの感染症専門家アメシュ・アダルジャ氏は「テキサス州で既に2人の死者が出ている事実は、感染者数がすでに数百人ではなく数千人規模であることを意味する」と分析した。

  ケネディ氏は6日、この流行に関して矛盾する2件の投稿を行い、物議を醸した。はしか・おたふく風邪・風疹(MMR)の混合ワクチン接種を推奨した数時間後、ステロイド治療と抗生物質を用いて、はしかにかかった子ども約300人を「治した」と主張するテキサス州の医師2人と撮影した画像を投稿した。

関連記事:はしか巡る米厚生長官の投稿が物議、ワクチンの有効性で誤解招く恐れ

原題:US Measles Cases Grow 17% in a Week to 712; Now in 24 States (1)(抜粋)

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