鴻海が関心示す日産との提携、筆頭株主ルノーの出方が鍵に

Albertina Torsoli、Stefan Nicola

  • ルノー、日産株36%保有-プレミアム抜きで日産株手放す考えはなし
  • 日産とホンダ、13日に決算発表-難航する提携交渉の進捗に注目

台湾の鴻海精密工業日産自動車との提携に関心を示す中、日産株を保有する仏ルノーが鍵を握る存在となりつつある。

  ルノーは日産株の36%を保有する筆頭株主だ。この株式について鴻海が12日、購入を検討する意向を示した。電気自動車(EV)事業に参入している鴻海は、日産とホンダによる共同持ち株会社の設立計画が破談となる可能性が高まる中、日産への関与を狙っている。

  ルノーはコメントを控えた。日産とホンダはそれぞれ13日に業績報告を予定しており、投資家に対して提携交渉の進捗状況や他の提携候補について最新情報を提供する機会となる。

  ルノーが保有する日産株は、三菱自動車工業も含めた長年の提携関係の名残だ。ルノーは以前、日産への出資比率を15%に引き下げることを目標にしているとした経緯がある。

  ただ、ブルームバーグは1月下旬、ルノーが日産の株を、日産の経営権を握る企業に対してプレミアムを要求せずに手放す考えはないと報じた。1月に日本で行われた会合で、ルノーの代表者は日産とホンダの取引が成立する場合、そのあり方について懸念を表明している。

  ルノーは、過去には日産を中心とする提携グループの弱点と見られてきた。だが、新型車の開発加速や利益の回復、クアルコムなどのテック企業との新たな提携が投資家に評価され、昨年4月には日産を上回る時価総額を記録した。

原題:Renault Holds Key to Nissan’s Future as Hon Hai Ponders Move(抜粋)

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