メキシコ下院、遺伝子組み換えトウモロコシ作付けの全面禁止を承認
メキシコ議会下院は25日、遺伝子組み換えトウモロコシの作付けを全面的に禁止する憲法改正案を賛成多数で承認した。写真はメキシコ・テスココのトウモロコシ畑。2023年9月撮影(2025年 ロイター/Raquel Cunha)
[メキシコ市 25日 ロイター] - メキシコ議会下院は25日、遺伝子組み換えトウモロコシの作付けを全面的に禁止する憲法改正案を賛成多数で承認した。今後上院で採決が行われるが、米国との新たな貿易摩擦の火種になりかねないとの見方が出ている。
米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)の紛争解決パネルは昨年12月、メキシコが大半を米国から輸入している遺伝子組み換えトウモロコシの利用制限措置を設けているのは協定違反だと認定。これを受けてメキシコ政府は、遺伝子組み換えトウモロコシの食用・飼料用・食品工業用の輸入規制を撤廃した。
しかしシェインバウム大統領は、既に商業目的で禁止している遺伝子組み換えトウモロコシの作付けについて、憲法改正を通じて国内で全て正式に禁じると約束していた。メキシコ側の主張では、遺伝子組み換えトウモロコシによって固有品種が脅かされる恐れがあるという。
メキシコは毎年、米国から約50億ドル相当の遺伝子組み換えトウモロコシを主として飼料用に輸入しており、憲法改正案が作付け禁止だけでなく一部利用制限に言及していることから、アナリストの間からは米国との紛争に発展する可能性があるとの声が聞かれた。
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